推薦の基準をクリアしていて簡単に入れて、入学金も免除でラッキーだった。
放課後や休日はバイトに時間を費やしたくさん貯金した。
成績上位者の学費半額免除枠もゲットし、母も弟もすごく喜んでくれた。
弟の中二病はそれほど酷くなかった。
コーヒーはアメリカンというこだわりを持ち始めたぐらいだった。
嬉しくて嬉しくてたまらなかった。
すぐに内定通知書を仏壇に置いて、初めてお線香をあげた。
実はそれまでもそれからもお線香をあげれていない。
お線香をあげる=死を認める だった。
私はまだまだ2人の死を受け止めきれていない。
でもその時はどうしてもその喜びを伝えたくて、お線香10本ぐらいあげた。
お母さんにあげすぎって怒られた。
けど私のその姿を見てお母さんは嬉しかったみたい。
涙目になってた。
母と弟も賛成してくれた。
職場からすぐ近く実家から1時間程の場所へ、バイト先の知り合いをツテに物件を探してもらっていた。
受験を控え、ピリピリとしながらも中学生特有の難しさは無くなり、落ち着いてきていた。
母も時々父や兄を思い出し、涙することもあるが徐々に昔のような能天気な母に戻ってきていた。
天然が炸裂してこっちがイライラするほど。
バイトはシフトを外してもらい、母と一緒に参加した。
名前を呼ばれ、しっかりとした声で返事する弟を見て、逞しくなったなあと思いながらビデオを構えていた。
退場の時、目が合って照れ臭そうに笑っていた。
教室での最後のホームルームでは一人ひとりスピーチがあった。
みんな親へ感謝の言葉を言っていた。
「お父さん、お兄ちゃんありがとう。
お父さん似の顔とお兄ちゃん似の女の子の扱いの上手さのおかげで3年間楽しかったw
2人からたくさんのことを学んで、メンタル強くなりました。
悩んだ時に2人を思い出すと、悩みの小ささを実感して、頑張ろうって思えたよ。
お母さんと姉ちゃんにはこれからもすがる予定なので特に何も言いません。」
みたいな感じだった。
これはちょっと寂しかったな。
嬉しくて嬉しくて、その翌日には3人でお墓参りに行った。
私はお墓参りもやっぱり嫌で、霊園を散歩してた。
帰りに弟が大好きなオムライスを食べに行った
動けないほどではないらしいが、倦怠感もあり、排便しても変わらないとのこと。
話を聞くと、ここ数週間の間、食欲もあまりないと言う。
思い返すと前日のオムライスもほとんど残して弟にあげていた。
元々少食のため自宅ではあまり食べないが、外食では残すことはなかったのに。
そんな母が自分から腹痛を訴えるのはよっぽどだなと思い、病院へ連れて行った。
検査入院が必要だと言われた。
この時で3月半ば。
一人暮らしの準備でマンションも契約していたが、事情を話して破棄してもらった。
知り合いのツテと言うことで、無料でキープしておいてくれるとのことでこれまたラッキーだった。
私は何事も無いことを祈りながらも母の死を覚悟していた。
あんなに痛がってしんどそうにしている母を見るのは初めてだったから。
帰宅すると、弟と2人。
弟もある程度察しながらも普段通りを装っていたように思う。
私は当時20歳であったが、童顔なためか、医者から気まずそうに
「できれば成人の方が良いのですが…」と言われた。
蹴りそうになった。
聞いても驚かなかった。
「ですよね」って返事した気がする。
この報告を聞いて真っ先に浮かんだのは、母の死ではなくて弟の将来だった。
弟はもうすぐやっと高校生になる。
私はもうすぐ就職で生活がガラッと変わる。
親戚はたくさんいるけどみんな遠くに住んでいる。
みんな良い人達で金銭面は父の死から後よくしてくれているが、直接的な援助は受けにくい。
母が死んだと仮定してたくさん考えた。
今思えばその時にそんなこと考えなくても…と思うくらい。
もし2人で暮らすとして、弟は未成年。
児童相談所が絡むこともあるのか?
そうなれば施設入所?
もしくは遠くの親戚に預けられ、弟と離れ離れに?
せっかく努力して合格したのに転校の可能性も?など。
お母様やご兄弟にはお伝えしますか?と聞かれた。
母はこの時まだ結果を知らされていなかったが、おそらく予感しているだろうと思った。
知らない状態で病気が進行する方が怖いだろう、
母にはすぐ伝えたいと思った。
弟へどうするか悩んだ。
もうすぐ高校生で、大人と同じように物事を考え受け入れる力は十分備わっている子である。
でも今このタイミングでそんなマイナスな報告をするのはどうなのか。
新しい生活を楽しみにしている様子は、今まで見向きもしなかった学園ドラマを夜な夜な1人で見始めた姿からよく分かる。
その気持ちのまま、高校生活をスタートさせてあげたい。
そう思った。
弟には末期ガンで余命数ヶ月であることは伝えないことにした。
初期のすい臓がんで治療すればよくなると伝えた。
担当の医者や看護師もそう合わせてくれた。
後から聞いた話、母と同じ病室の患者さんも合わせてくれていたみたい。
泣いていた。
すぐに他の先輩職員や同期にもそのことを話してくれた。
私はまだ新入りで、関係を築けていないのに
「〇〇さんが良い子ってことがよく分かった!いっぱい手伝うよ!」
「悩みのはけ口にして!」
と声をかけてくれた。
それなりの強豪校ということも志望した理由の1つ。
それもあって、転校は絶対にさせたくないと思っていた。
そのことも職場の人たちに話すと、
「強豪のバスケ部ならきっと朝練がある。弟くんを起こして見送らせてあげたい。早出出勤になると、きっと〇〇さんの方が早く出るから、弟くんを送り出せないよね。よし、〇〇さんは早出出勤無しで!」
みたいな感じですぐに勤務形態まで考えてくれた。
部活ももちろんバスケ部に入り、先輩達の予想通り朝練があった。
母は日に日に弱っていった。
薬は治療というより緩和が中心。
弟には副作用で一時的に弱っていると伝えていた。
弟には彼女ができた。
バスケ部のマネージャーで、可愛らしい子。
父の死について、身内以外のほとんどの人には母も私も弟も心筋梗塞で亡くなったと伝えていた。
みんながみんな理解してくれるとは思わなかったから。
でも弟は彼女に本当の死を伝えていた。
それほど信頼している。
なんでもありのまま話せる相手だと嬉しそうに言ってた。
で。
なっちゃんが私に会いたがっているとのことで、何度か高校の近くで3人でおしゃべりした。
ある時なっちゃんが、
「次は弟くんのお母さんにも会ってみたい。いつか一緒にお見舞い行けたら嬉しい。どんな病気なの?」
と聞いた。
弟は、母が入院していると伝えていたが、病名は言ってなかったよう。
「そうなんだあ…」と気まずそうに下を向くなっちゃん。
なんで末期って知ってるの!?
私も気まずかった。
思い返してみても絶対に末期って言ってない。
あたふたしていると弟が帰ってきた。
私と目が合うとすぐに
「やっぱ末期だよね?w」と笑った。
なんで末期って分かったのか尋ねた。
入院し始めて約3ヶ月。
はじめは本当にいつか良くなると信じてた。
薬の副作用で苦しんでいるけど徐々に良くなると信じてた。
でも様子は変わらないどころか、むしろ弱っていってる。
これはおかしいと思って自分なりに膵臓癌について調べてみた。
ネットにある末期の症状や治療方法と同じように感じた。
点滴や母が飲んでいる薬の名前も調べると緩和の文字が出てきた。
もう末期ガンで間違いないだろうと思った。
とのこと。
弟は淡々と話しながらも涙目。
私は隠していたことをひたすら謝った。
弟は、そりゃあ先に教えてほしかった。
でも姉ちゃんの性格からして教えるわけないよなって思う。
おかんは面白がってその提案に乗ったバカだなと思うし、他の人もみんなきっと良い人だから合わせてくれてたんだろ。
俺のこと考えてそうしてくれてたんなら俺は何も言えないよ。
嘘はつかれるよりつく方が大変だし、姉ちゃんよくやったなと思うよwおつw
って言って部屋に行った。
翌朝、
昨日はああ言ったけどさ、俺のこと舐めすぎじゃない?
ある程度の覚悟はちゃんとできる。
姉ちゃんからしたら弟だけど、一般的に見たらただの男だよ。
ただの男に中途半端な嘘はダメだよ
説教された
休日、なっちゃんも一緒に見舞いへ来てくれた。
母と意気投合し、楽しそうに過ごしていた。
なっちゃんは本当に良い子。
弟の3人目の彼女だけど、1人目と2人目のことを思い出せなくなるくらい見た目も中身も可愛い。
よく解らないんだけどつまりこれネタとか創作小説だよね?
元々は両親、2つ上の兄、5つ下の弟の5人家族
きょうだい3人仲良くてまあまあ普通の家族だった
…もう1人はどこへ消えたのさ…
>>70
きょうだい3人は私も含まれてる
>>71
実在する家族なら解るはずだけど男女混合の兄妹で永遠に仲良しこよし
なんて、まずあり得ないから
仮に実際にそうだとしても、何を言いたいか状況が良く解らないよ
というか、兄弟の年齢設定が曖昧過ぎるよ
>>75
べたべたするような毎日楽しく話をするような仲ではないよ
それぞれが中学生の頃は一言も話さない日もたくさんあったし
それでもテレビ見て笑い合ったりとか、一緒に親に怒られたりとか、私個人的には仲良しだったんだ。
何を伝えたいのかは正直私も分からない
ただ喜びと達成感と悲しさがぐっと込み上げてきて、今までを振り返りたいなって思いと、同じような人がいたら話してみたいなと思って。
>>79
そうだとしても設定が良く解らないよ
あなたが男か女かすらも
>>81
確かに私の性別言ってなかった
女です
仕事を早めに上がらせてもらって面会に行くことが続いていた。
弟も夕方の練習を休んで面会に来ることが増えていた。
私はこの頃、眠れない日が続いていた。
覚悟はできている、って思っていたけど実際は怖くて仕方ない。
夏休みになってからは、弟は部活が休みの日は一日中母と話していた。
お昼過ぎに弟から職場へ連絡があった。
ちょうど子どもたちのお昼寝の時間で寝かしつけている所だった。
慌てた表情で部屋に来た主任の表情で母が亡くなったってすぐに分かった。
手を握って「いってらっしゃい」って言ってくれた
その優しさに泣きそうになった。
覚悟してたから淡々としていられるはずだったんだけど、無理だった。
めちゃくちゃ怖かった。
病院着いて、まず母に会いに行った。
すごく綺麗な顔。
だけど怖くて触れなかった。
落ち着いてからまた来ようと思って、病室へ行った。
弟がワンワン泣いていた。
背中をさすりながらノート取ってよく見てみたら、
「〇〇くん、生まれ変わったらお母さんと結婚しようね」
って書いてあった。
他のページにもメッセージがたくさんあった。
たぶん思いつきというか、文章にするつもりなくその時頭に浮かんだメッセージを書いたのか、短文のものが何ページにもあった。
1ページ目は長文で、
「〇〇ちゃん。弟くんが生まれるまで泣き虫でわがままだったね。
でも弟くんが生まれてから急にしっかり者のお姉ちゃんになって、お母さんは困惑しました。
あんなに泣き虫だったのに、お父さんのお葬式以来もう何年も泣いていないこと、お母さん知っています。
たまには泣くのも悪くないよ。
たまには泣かないと婚期逃すよ。
いつも頑張ってる〇〇ちゃんの涙はみんな受け止めてくれるよ」
って感じで。
たぶん涙目なってただろうけど。
その日の夜には遠くに住んでる親戚がたくさん来た。
みんな私や弟のことを褒めてくれた。
2人とも偉い!立派に育ってる!って声掛けてくれて、かわいそうって言われるよりもそうやって実際の頑張りを認めてもらえて私も弟も嬉しかった
年に数回しか会わない人たちだけど、私達のことを真剣に考えてくれていることがよく分かった。
必要があればすぐにまた来るし、なんなら引っ越して一緒に住んでもいい!とまで言ってくれていた。
正直そこまで思ってくれているとは思わなくてすごく嬉しかった。
何かあったらすぐ頼れると思うと安心した。
それから弟が高1の間は特に何事もなく過ぎていった。
弟の高校とは母の病気が分かった時からこまめに連絡取ってたので、色々と理解してくれていた。
なっちゃんも相変わらず可愛い。
弟は高校2年生。
進路を悩み始めていた。
就職か進学か。
理由はやっぱり金銭面。
私の貯金がそれなりにあったことや、親戚一同が少しずつ出し合って弟の進学を手伝ってくれると言ってくれたことからたくさん話し合って、親戚に甘えることにした。
お風呂の温度が熱すぎる、肉より魚の気分だった、俺の隣でアイス食うな、チー鱈を食うな、朝ドラ観るな
今まで言わなかったちょっとしたことをたくさん言ってくるようになった。
そんなこんなで秋には志望校A判定になり、弟の気持ちにも少しの余裕ができたみたいでちょっとしたことで怒らなくなった。
なっちゃんは私の卒業した短大志望で保育士を目指すとのことで私は嬉しくてたまらなかった
弟は泣いて喜んだ。
私は「みんなにお金出してもらうんだし当たり前だね」
ってめちゃくちゃ冷たいこと言った。
素直におめでとうって言ってあげれば良かったなと思う。
中学の卒業式と同じように、退場で目が合うと照れてた。
そして今回も教室で最後のホームルーム。
周りはほとんど40代のお母さんだったけど私のようにきょうだいが来ているところもあって、あんまり浮かなかった。
これはかなり浮いた。
弟は「」
って中学の時より淡白なスピーチ。
担任や同級生達は事情を知ってるので
「おいおいw」って反応だったけど弟は気にせず切り上げた。
ウェイウェイ大学生してる。
私は仕事、弟は大学のいつも通りの朝。
起きてきた弟に
「あ、誕生日おめでとう」と声をかけた。
そしたら、ん!ってぶっきらぼうに手紙を渡された。
便箋4枚にたくさんの感謝が綴られていた。
姉ちゃんいなかったら俺はたぶん死んでた
何から何まで全部支えてくれてありがとう
お父さんよりお母さんより兄ちゃんより、姉ちゃんが1番強くて逞しい人間だと思う
マジで1番尊敬してる
お父さんが死んだ時も、姉ちゃんがいてくれたからお母さんも兄ちゃんも頑張って生きれたと思う
姉ちゃんおらんかったらたぶん心中してたと思う
姉ちゃんはそれぐらいすごい生き物
こんなに色々あったのに全然泣かない生き物も姉ちゃんぐらいだよ
無駄にプライド高くて頑固なとこはホントお父さんそっくりだよね
この辺で私はボロ泣きした
そして手紙を取り上げられた
弟は照れ臭くなったみたいでその後手紙の続きは読ませてくれないまま大学へ行きました。
夜はなっちゃんと会うからご飯いらないし帰らないと言われました。
誕生日を祝ってもらっているのでしょう。
以上です。
弟からの手紙は10数年ぶりで全部は読めていないけどパッと見 4枚の紙にびっしりと文字が書かれていて、弟の文学面での成長を感じたのと今まであんまり何も言われることが無かったけれどそれなりに私の思いや努力は伝わってたんだなと。
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引用元: http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1531304052/
書いてくれてありがとう。感動したよ。