数分後戻ってきたじーさんは机上の減っている豆を見て血相を変えた。
「お前,食ったのか!」
「うん,おいしいね!」
「馬鹿者!ああ…なんてこった!おれがうかつだった!(天を仰ぐ)」
突然様子がかわったじーさんに戸惑っている俺にこう続けた。
「何粒食べた!」
「えーっと,5つぶ,かな?」
「8,9,10,11,12…ああ,12歳か…てことは6年生だな…マズイな…準備できるか…?」
立ち上がってその辺をウロウロしながら呟くじーさん。
おれはただならぬ雰囲気に恐怖した。何かとてつもないことをやらかしてしまったのだろうか。
「ああ,さかもっつぁんのとこの孫が確か中一だったな…教科書とかはそこからもらうとして…あとは…」
やおらじーさんがおれの両肩を掴み,真剣な表情でこう言った。
「いいか,節分の豆がどうして年の数なのか。それは,年の数以上に食べてしまうと,翌朝,その年になってしまうからなんだ。お前は5粒食べた。ということは明日からお前は小学校6年生として生きていかなければいけないんだ。」
おれは驚愕した。豆の数にはそんな理由があったのか!なんてことをしてしまったんだ!
おれは泣いた。泣きながらじーさんにすがった。
「おれまだ1年生で,簡単な勉強しかできないよ。時計だってまだ上手に読めないのに,6ねんぜいなんがでぎねえ”よ”お”お”~」
「食っちまったもんは仕方がない。あきらめろ。ああ,名札も1年生用ではなくて,こっちを使わないとな。」
じーさんは懐から2年生以上が使う名札を出した。そこにはおれの名前があった。
おれは信じた。
>>42
本気だしすぎwwww
>>43
そうなんだよ!常にじーさんは本気でおれをだましに来るんだよ!
だから引っかかっちゃうんだよおおおおお
ラスト
⑩姥捨て山事件(小学校低学年)
ある日,おれはじーさんに昔話をしてもらった。「姥捨て山」の話しだ。
あの話はばーさんを山に捨てに行く息子の話だよな。おれは幼いながらその話に大きく悲しんだ。
「おれは絶対にじーちゃんとばーちゃんを捨てない!ずっと一緒にいるんだ!」
じーさんはそれを聞いてほほえみ,頭を撫でてくれた。
後日,じーさんの畑仕事にくっついていくことにしたおれは,軽トラに乗り込んだ。
案山子畑とは別に,車で5分くらいのところにも畑がある。
畑について,おれは近くの空き地で虫取りをして遊んでいた。虫取り網とかごをバッチリ準備してきたおれは,夢中になって虫を追った。
だいぶ日も傾いてきた頃,虫追いにも疲れたおれは,水筒を飲もうと思い,畑の方を振り返った。
すると畑にはだれもいなかった。軽トラもない。
辺りを見回しても,じーさんの姿も,軽トラの姿さえ見えなかった。ついでに言うなら,辺り一帯の畑には,誰もいなかった。おれは絶望した。
沈みゆく太陽。辺り一帯無人。
おれを置いて帰ってしまったじーさん。
いくら泣き叫んでも反応してくれる人はいない。
おれは大泣きしながら,虫取り網とかごを抱えて歩き出した。帰らねば。
⑩最後
とぼとぼと畑の道を歩き出すおれ。軽トラで5分といったら,結構な距離がある。
いくら歩いても家が見えてこない。孤独の中歩きながらおれは,じーさんが話してくれた「姥捨て山」を思い出していた。
そこではたと気付く。「おれは…捨てられてしまったのか…」
年端もいかないガキがこの非常事態に正常な判断などできるわけもなく,「おれは捨てられた」と思いこんでしまった。
さらに大きな声で泣き叫びながら,立ち尽くした。ああ,おれはおわりだ。死ぬんだ。犬に襲われるんだ。
すると,じーさんの将棋仲間のさかもっつぁんが車で偶然通りかかった。
泣き叫んでいるおれを見て,声を掛けてくれた。
おれは声にならない声で「お”…お”れ”…い”え”がな”い”んだ…じ…じーちゃんはお”れ”の”ごどもうい”らな”い”んだあ”あ”あ”!」
と叫んだ。うまく事情が呑み込めないだろうに,さかもっつぁんは優しく「んなこたねえ」と言い,車に乗せてくれ,家まで送ってくれた。
家に着くとじーさんはのんきに茶を飲んでいた。
じーさん「なんだおめえ,そんなに泣いて。」
と言った瞬間,自分の悪魔の所業に気付いたようだった。
じーさん「畑に連れてってたのわすれてたわ」
おれは号泣した。
結構田舎っぽいし
>>53
そうなんだよ!本当に幸運だった
この事件のあと,じーさんはおれの母親にこっぴどく怒られてたw
>>54
じーさん…もう騙されることは二度とないんだと思うと寂しい
いい爺さんだな
多少イかれてるけどなwww
おまえらが楽しんでくれるおかげで気がまぎれるよ
ありがとう
これ以外にもじーさんにはとにかく騙され続けたよ
いい感じにイカレてたんだな
・文字レスだけじゃ伝わらない変な画像
・京都の飲み屋でホステスしててお客様に出身地を聞かれることがよくあるんだけど、ただの雑談で聞く人とそうじゃない人とがいる。
・私は金融機関勤め。客の数百万の現金を通帳に入金しようとしたら2度も100万の束を落としてしまった。私「」
・私「あなたや同僚さん達の飲み会に参加してみたいな」彼「いいよ」→とんでもない光景を目にする事に…
・友人「久しぶり。飲食店に勤めてるから食べに来てよ」俺「OK」→行ってみるとそこはスナックで…
・旦那が冷蔵庫を覗き込んでは「何もないなぁ」と言う。あるのに。私「他に何があると嬉しいの?」旦那「」
・息子が旦那と私とで態度を使い分けてきて、旦那より収入が少ないからって下に見てくる…
・私と夫が別々で買った宝くじがほぼ同時に高額当選!!それを知った義兄夫婦が…
・ババア(38歳)からチョコを貰い、ホワイトデーに同じ値段のチョコを渡したらまさかの発言が…
・子持ちで極端なミニマリストのおっさんをテレビで特集していたが、あれは子供にとってどうなんだろう?
・妹の家に遊びに行ったら、ベッドの真上に歴代幕府の将軍の肖像画が貼られてた。妹「入居初日にお化けが出たから…」
・彼氏が既婚者だった。彼「俺を信じてくれる気持ちがあるなら3ヶ月待ってくれ」だって!!
・旦那から義妹の子供(2歳)の為に毎日お弁当を作って朝7時30分までに届けてくれって言われた。
・母鴨1羽が、雛20羽くらいを連れて泳いでた。周囲「あの家族多くない…?(ザワザワ」→岸で休んでた別の鴨が近寄ると…
・キッズモデルみたいに可愛い女の子が「ダディ~」って言いながらお父さんを探してた。その父親っていうのがなんと…
引用元: http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1550922169/
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