みずほ銀行の大規模停止のおかげで、ITド素人な弊社の重役達を説得することが出来た。

ただ自分がスカッとした話。

みずほ銀行の大規模停止。
あれのおかげでITど素人な弊社の重役達を説得が出来た。

うちの会社はそれなりの元請け企業とあって、殆どシステムが外注化してしまっている。
コスト削減という名目でシステムを担当している部門を解体して分社化し、アウトソーシングを行った。
結果だけ見れば、技術関係を雇うコストが浮き、管理していた社員を大幅に削減、人員不足の他部者等に回す事が可能になり、ここ数年の純利益と株価は歴年で最大の数値を叩き出してる。
アウトソーシング前でその時にシステム部門だった人達は既に定年退職が済んでおり、
当時どのようにしてアップデートと改修を行なったのか不明。
つまり弊社は現行システムと新規システムが複雑に絡み合い、既にブラックボックス化しているシステムが無数に発生している状況。
この状況下の最後の砦がアウトソーシングしたシステム管理会社が頑なに弊社のコアシステムと外注システムの接続を拒んでくれてるから何とかなってる。
コアシステムは止まると我々だけでなくお客さんにも多大なご迷惑をお掛けするシステムで
外注したシステムを易々と繋げられるようにしていない。
分社はコアシステムに繋がるアプリを開発し、ライセンスを発行して、繋がるPCとネットワークは固有の管理者をつけ、接続台数にも制限をかけてライセンス料金を設けるように変更。
社内で外注化したシステムは、まだ弊社の社員の仕事を簡易化する為のもの。
重役達はそれをコアシステムに繋げられたら、わざわざ出社してデータを扱う必要性なく、在宅が出来てオフィスレスに出来るというのが目的だった。

今まで素人でIT関係のシステムをよく知りもしなかった重役達は、今度は各部門でコアシステムの管理をしている分社の担当者を呼びつけてシステム改修とライセンスの発行を止めるように要請。
弊社は何で自分の会社のシステムを繋げるのに金がいるんだという話で怒っていたのだが、以前、無理矢理に繋ぐシステムを外注に作らせたが故にコアシステムの一部サーバーが制御不可になった為、外部切断の意味合いでそうなった。
普通に考えてこのライセンス料は管理費としては格安レベルのもの。
どう考えても接続管理の為のお情けの要求額であるとしか思えないのだが、
ここ最近は、もう管理会社を変えて他の業者にシステム管理を委託するかという話まで出てきていた。

そこで、みずほの件がニュースになった。
委託業者を選定していた我々が、これは委託したら不味い案件では？と思っており、お互いに誰が商社を探して報告をするのか案件の投げ合いをしている最中だった。

重役たちの目の前で、何度説明したか分からない弊社のシステムの実情、コアシステムへの影響、分社は敵ではなく守ってくれてる話を、初めて、本当に初めて、居眠りせずにまともに聞いてくれた。
中には頓珍漢な話で、システムの中身を全て開示させればいいと言ってきた人が居たが、
一部システムの暗号化前のソースコード（数十万行）、コンバート前のソースコードを見せて
「プログラムのコードはこの様に可視化されています。分かりますか？どうなっているか」
と言ったら、プロなら分かると墓穴を掘ってくれて「弊社にプロは居ません」と言えた。

以降、どうにかこうにか素人の浅知恵でシステムに繋ぐ案を提案してしてきたが、
「それを管理するのは外注です。弊社が続く限り永遠に今の格安な管理コスト以下の金額でお付き合いをしてくれる業者が見つかりません」
「それだとみずほと同じになります」
「それはみずほと同じですね」
と言い続けてたら、委託先変更の話とコアシステムへの接続を諦めてくれた。

分社の方もコアシステムへの接続を極論で嫌がってる訳じゃなく、適切な仕様と確定した運用方法、安定した管理方法とリスク対応、
分社が担っているシステムの大幅な改修に付き合えるシステムを作れるなら繋げてもいいとずっと前から提案してくれてる。
IT絡みになると話が通じなくて我々も疲弊していたし向こうの担当者も疲弊してたし、今回みずほの件で弊社にもそれなりに影響があったから本当に助かった。
重役を説得出来ない情けない話であるが、東証のシステムダウンが前振りになって、みずほでトドメをさしてくれたと思う。
次から弊社の30年構想のオフィスレスに向けた固定資産費削減の概算費を同じ金額分、別の構想に変更をしていくのが大変そうだが、それなら皆でやれるわ。
結果、うちの部門が解体されて外注化する話も出てくるだろうけど、その時はその時また考える。
こんな事言うと不謹慎だろうが、みずほには感謝してる。