ドラッグストアでバイトしてた時、混み合うレジに女性が化粧品がたくさん入ったカゴをドン！と置いた。それがほどんど『テスター』だった。

フェイク込み込み。
詳しく書いていたら長くなってしまった、長文失礼します。

コロナ禍が始まる少し前まで、ドラッグストアのレジでバイトしてた。
ある特売日、混み合うレジをひたすら捌いてたら、女性が山盛りのカゴ2つをドン！と大きな音を立ててながらレジ台に置いた。
混雑してるとイライラしてるお客さんもざらに居るので、特に気にせずレジ打ち。
すると、一つ目のカゴの奥に入ってたボディクリームがテスターだった。

特売日だけに品出しやらに追われて各レジには一人しか配置されておらず、内線でヘルプを呼んでも接客に手を取られて誰も来れないような状況。
仕方なく「こちらテスターですね。お取替えしてきます」と言ってレジを離れたら、その女性がこちらを睨みながら思い切り舌打ち。
ボディクリーム取り替えて戻り、レジ打ち再開すると今度はハンドクリームもテスターだった。
「こちらもテスターですね。お取替えしてきます」と言ったら、ため息つきながら足を踏み鳴らしてレジ台を爪でトントンしてあからさまな不機嫌アピール。
他にもテスターあったらまずいなと思い底の方を確認すると、他にテスターのクリームやらが2つも入ってた。

それらもぜんぶ取り替えて続きを打ち、二つ目のカゴに取り掛かる間も、女性はずっと爪でレジ台をトントン。
女性の次に並んでる人が、トゲトゲ沢山付いた黒い服着たマリリンマンソンみたいなメイクの女性で、その人の視線も怖かった。

そしたら二つ目のカゴの底の方に化粧品がたくさん入ってて、それも殆どテスターだった。
BBクリームとかパウダーとかアイライナーとか、売り物の方は箱入りなんだから間違えようがないでしょって物まで全てテスター。今思えば嫌がらせだったのかも。もう白目向きそうだった。
「こちらもテスターですね…。お取替えします」と言うと、女性がレジ台を拳でドン！と叩いて
「私急いでるの！ あと○分で○○行のバスに乗らなくちゃいけないの！ わかる？ い そ い で る の ！」
いそいでるの！のところは言葉と一緒に拳でドンドンしてた。

理不尽さによる色んな感情が込み上げたけど、なんとか「申し訳ありません」と絞り出して大量のテスター掴んでレジ離れようとした時、マリリンマンソンが「いやいや、あなたがテスターばかり持ってくるからでしょ」とよく通る声で助け舟を出してくれた。
女性は一瞬言い返そうとしたけど、結局口をもごもごさせて台を爪でトントンに戻った。
この辺で、大声と台ドンに気付いた化粧品担当が接客を終えて駆けつけてくれ、代わりにテスターを交換しに行ってくれた。

残りをレジ打つ間も、苛立って舌打ち足踏み鳴らし爪トントンのオンパレードの女性にマンソンはずっと
「そもそも急いでるなら予定直前に大量の買い物なんかしなければいい」
「自分のうっかりミスと時間配分の下手さを他人に八つ当たりするなよ」
「いい年こいた大人が店員相手に不機嫌アピとかガキすぎて笑える」
みたいな事をチクチク言い、女性「あんたねぇ！」と大声を出すと「独り言ですけど～？」って迫力ある顔で言い返してた。
やっと精算が終わり、女性は帰り際自動ドアを蹴りながら「ﾀﾋね！！！」って吐き捨てて帰っていった。

その後マンソンに謝罪とお礼を言ったら「勝手に口出してごめんね、我慢できなくて」と謝られ、マンソン含む後ろに並んでたお客さんに口々に「あんなの気にするな」「頑張って！」って言われてすごく救われた。
その後マンソンは時々レジで会うと「今日寒いね」とか「頑張ってるね」とか一言話しかけてくれて、学生だった私にとってはバイトの癒しだった。
そのうちに私が卒業となんとか就職をして、バイトをやめてしまった。

そして今の会社で仲良くなった同僚のお姉さんが、あの時のマンソンだった事が今日判明した！
姉が昔個性的なメイクにハマってたって話から写真を見せてもらえる事になり、見てみたら完全にその人だった。
もう向こうは覚えてないかもしれないけれど、どうしてももう一度直接お礼を言いたくて、近いうちにご飯のセッティングして貰えることになったので、嬉しくてカキコ！

お菓子とか買って渡したいけど、妹の同僚から突然ご飯誘われた上に贈り物とか重いかな？と悩んでいる…。