ごめんぶった切る。
俺が高校生の頃の修羅場。
そのときは夏休みで、異常気象だとか猛暑だとか騒がれるほど暑い年だった。
ある日、クーラーの効いた部屋で菓子食いながら漫画読んでたら、友達の石田(仮名)から着信がきた。
石田は学校の友達で、別に変な所もないフツーのいい奴だった。
姉が一人いて、多分2歳違いくらいだったと思うけど、年頃だったしそんなに話したりはしない仲だったらしい。
電話に出て「もしもし石田?どうした?」と聞くと、
「あの……ちょっとなんか……」と石田の歯切れの悪い声が聞こえた。
遊びの誘いだと思ってたので、
「え?なに?今なにしてんの?」と聞き返すと、
「いやなんか……部屋で……姉ちゃんが……」とか言ってる。
この時点で俺は、
「ほほーうw姉ちゃんが部屋に彼氏連れ込んでるかなんかで、気まずくて電話したな?w」と思っていた。
なので、内心ニヤニヤしながら
「うん、で?」とか話を聞いていたのだが、
次の瞬間石田が
「姉ちゃんが……部屋で死んでる」と言い出した。
は?死んでる……?
全く予想外の答えにぽかーんとしつつ
「は?嘘でしょ?w」と聞いたら、
「いや……多分?死んでる……。息してないし……目開いたまま動かないし……」と返ってきた。
一瞬の間の後、超パニクって
「えええええ!それマジやばいやつじゃん!ていうかなんで俺に電話してきてんの!?ふつう救急車だろ!」と返すと、
「え……救急車ってどう呼ぶの?」とか言い出した。
「いや普通に119番押すんだよ!」と返すと、
「どうやってかければいいの?」と。
仕方がないので、ものすごくパニクりながら
「家電あるだろ!?ケータイは俺と繋がったままでいいから、家電で119番しろ!」
「今姉ちゃんがどんな感じかと、自分家の住所伝えろ!」など、全て俺が指示を出すことに。
石田は俺の言うことに
「わかった」としか答えず、しばらくすると電話越しに救急車のサイレンの音が聞こえ、
ピンポーン!と石田宅の家のチャイムらしい音が聞こえた後電話は切れた。
結局その日は連絡は来ず、夕方になって帰宅した母親に聞いても
「えー!嘘!?大丈夫なの!?」としか言われず、近所では噂になっていないようだった。
連絡がきたのは三日後くらいで、詳細の書いたメールを送ってきてくれた。
結論から言うと、姉ちゃんは危機一髪で助かったらしい。
どうやら、冷房の効いた部屋で昼寝していたら、知らないうちにタイマー設定になっていたらしく、一時間くらいで電源が切れ、猛暑の中寝続けていた姉ちゃんは熱中症になってしまったらしい。
石田の姉ちゃんは普段結構うるさいらしく、ドスンバタンと部屋から音がするのに急に静かになったから、
「出掛けたのか?」と思って確認のために部屋をのぞいたら、サウナ状態になった部屋のベットにうつぶせで寝ていて、揺すっても起きなかったので俺に電話したらしい。
「なんで俺に電話したの?」と聞くと
「ごめん、全く覚えていない」と。
どうやら、姉ちゃんを見つけてから起きた記憶が全てないらしい。
多分パニくりすぎて一時的に頭おかしくなっていたんだと思う。
病院で両親のケータイに連絡している最中に、俺からメールがきていることに気付いて
「とりあえず報告しなくては」という意識だけはあったので、いったん落ち着いてから詳細を送ってきたということだった。
「とにかく姉ちゃん無事で良かったな!」と励ましたんだが、
石田はその事件が完全にトラウマになってしまったらしく、姉ちゃんが死ぬ夢を見て飛び起きたり、ことあるごとに
「姉ちゃん死んでないかな!?」と部屋を確認する癖がついてしまったらしい。
最終的にカウンセリングかなんかにかかったりしたとかで、結局夏休み中は一度も遊べなかった。
夏休み明けに、学校で久しぶりに石田と再会してその話になり、石田は姉ちゃんのことを
「普段会話もしないし、どっちかというとウザイ存在だったけど、いざ死ぬとなると怖かった。なんだかんだいって大切に思ってるんだということに気付いた」と言っていた。
もちろん一番の修羅場は石田だと思うけど、平和な夏休み中に突如修羅場に巻き込まれた俺も相当な修羅場だった。
ちなみにこの一件をきっかけに石田は若干シスコンになったw
一酸化中毒とかのがウケるんじゃないか
熱中症は
身近に居たし
なんかフラフラして立っていられないってだけだった
体温計ったら40℃近くあった
クーラー切れてるの知らずにねてたら死にそうなくらい具合悪くなった
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引用元: http://tamae.5ch.net/test/read.cgi/kankon/1490629261/
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