当時、カギっ子だった俺はいつものように用意してある昼飯を食って、午後は遊びに行こうと呑気に考えていた。
家はアパートだったんだけど、ちょっと変わった構造で、一階部分が駐車場になっていてその上に2階建ての建物があるという形だった。
俺の家は101号室で、下から階段上がってすぐのとこだった。
アパートの下の階段に着いたとき、ふと上を見上げると、2階の手前の部屋(201号室=俺ン家の真上)前に作業服みたいなのを着たオッサンがいた。
そこの部屋は女子大生のお姉さんが住んでいたと思ったが、よ~く見るとオッサンの手には包丁が!
オッサンは片手で包丁を前に突き出すように持ち、もう片方の手でドアノブをガチャガチャと回している。
「え?泥棒?強盗?」
と思いながら、俺はその場から逃げ出すのではなく、オッサンに気づかれないようにそおっと部屋のカギを開けて家に入った。
もちろん、すぐにドアのカギをかけてチェーンロックもした。
電話で状況を説明し、怖い!早く来て!とあまり大きな声にならないように訴えた。
電話の向こうで「子どもが泣きながら通報」とかなんとか言っているのが聞こえた。
もちろん、パニっくてはいたけど、泣いちゃいないんだが・・・と思ったが、それくらい逼迫していたらしい。
そのとき、家のドアノブがガチャガチャ!
心臓止まるかと思った。「すぐに警察官が行きます!」と言われ電話を切った。
俺は、年の離れた兄が所有していたエアガン(18歳以上対象の結構、強力なヤツ)を二丁出して弾を入れて構えた。
弾はツヅミ弾なんだけど、先端に針を仕込んだやつで、刺さればかなり痛い。
それから木刀(剣道をやっていたので、木刀も持っていた)も取り出して、完全に戦闘態勢に入った。
オッサンはどうやら二階の部屋から順に回っているようだった。
気づかれたら戦ってやる!と思い、息を殺して部屋にいた。
「助かった!」と思い、ドアを開けるとそこには警察官が2人いた。
それまでは「戦う!」と息巻いていた俺だったが、警察官を見た途端、緊張が解けたのか爆泣きw
実は警察官は2人どころかかなりの数が来ていて、オッサンはすぐに身柄を確保されたらしい。
オッサンは「自分は包丁研ぎだ」と言っていると警察官に言われたが、包丁研ぎが包丁を前に突き出してドアノブをガチャガチャやるもんか!みたいなことを訴えたと思う。
結局、オッサンはドナドナされ、俺はいろいろと状況を聞かれ、その日は午後から遊びに行くどころか、昼飯すら食いそびれてしまった。
それから、部屋に入ってきたときに完全武装wの俺を見た警察官が、後になって「戦うなんて危ないことしちゃダメだよ!」って怒られた。
今ではいい?思い出だが、よくもまあ冷静に対処したもんだと思う。つか、変なガキだったんだな、オレwww
包丁オヤジの目的は何だったん?
する人が道路脇で露天営業しているのは珍しい光景でもなかった
いかな露天商でも、包丁を前に突き出しながら
アパートの各部屋のドアノブをガチャガチャする奴はいないんじゃね?
仮に飛び込み営業だとしてもやり方がおかしすぎるし
包丁研ぎだと言っていたのはあくまで自称で、警察官もそれは全然信用してないみたいだった。
各部屋を回って、ドアノブをガチャガチャと回していたから、カギが開いていないか確認していたんだろうね。
カギが開いていたらどうするつもりだったのか・・・考えるだけでも怖いわ・・・
だって包丁持って上がり込もうとしていたわけだからね。
無事で何よりだった!
この記事へのコメントはありません。