当時
俺23歳
会社員フツメン
元嫁(レナ)22歳
元水商売 可愛い グラマー 天然
俺の友達とレナが同じ部活だった。
廊下で友達と歩いてると、レナが友達によく話しかけてきた。
俺は可愛い後輩がいて、羨ましいなあ、と思ってた。
レナは最初俺の友達のことが好きだったんじゃないかと思う。
単なる先輩後輩以上に、親しげだったから。
俺と友達はだいたい行動を共にしてたから、それで俺の顔も覚えられて俺も会話に参加するようになった。
段々と俺とも話すようになり、仲良くなった。
廊下で会った時とか、図書館で会った時とかに先輩先輩って話かけてきてすごく懐かれた。
友達にも、
「アイツ最近俺(部活の先輩なのに)よりお前に懐いてね?」
とか言われた。
レナは可愛かったし、正直悪い気はしなかった。
友達に用があるんだろうなあと思ってたら、何もせずに去っていった。
そのあとで、たまたま会う機会があったから、
「さっき教室覗いてたけど、友達に用があったん?」
って聞いた。
「いえ、今日は一度も先輩に会ってなかったので、ちゃんと学校来てるかなあと思い、様子を見に」
「俺は不登校児じゃないぞ」
「あはは、一日に一回は先輩の顔を見るようにしてるんです」
「なにそれ?」
「先輩を見ると一日ご利益があるんですよ」
「俺は白蛇かなんかかよ!?」
照れ隠しに突っ込んで誤魔化したけど、友達に用があったわけじゃなく、俺の顔を見に来てたと言われて嬉しかった。
「アイツお前のこと好きなんじゃね? 俺と話すとき、お前の話ばっかすんだけど」
と言われた。
俺も、もしかしてレナって俺のこと好きなんじゃね?と思ってたけど、思春期特有の痛さを発揮し、
「どうだろな」
と興味ない風を装った。
その俺の、恋愛には興味ないぜ的な痛い性格と、レナとは学年部活が違うこともあり、なかなか距離が仲の良い先輩後輩から縮まらなかった。
そのうちに俺は受験生になり、受験勉強で忙しくなった。
相変わらずレナは廊下で会うと親しげにまとわりついてくるけど、それ以外で会う機会が中々なかった。
親が高校までは携帯を持たさないという方針だったので俺は携帯を持っていなかった。
だから連絡とかもとっていなかった。
そんでなんの進展もなく卒業することになった。
卒業式の日に、告白にとれなくないもないことを言われたけど、同級生と二次会的なのがあり忙しかったので、俺は無難な返しをしてしまった。
それで普通に卒業した。
時々、キャバ嬢になったとか夜の仕事してるってのは、噂で聞いてた。
突然、レナから連絡が来た。
俺の連絡先は、俺の知り合いから聞いたらしい。
それでやり取りするうちに遊ぶことになった。
久しぶりに会ったレナはめっちゃ可愛くなってた。
女の子って服装で印象全然違うもんだね。
胸元が適度に強調されたトップスに、ミニスカに黒スト。
中学の時も可愛いと思ってたけど、それ以上だった。
カラオケ行って、ごはん食べて、その日はそれで別れた。
普通に楽しかった。
何回も遊ぶうちに俺はレナのことが好きになっていた。
レナはかなり可愛くなっていたものの、中身は人懐っこい中学の時とほとんど変わっていなかった。
俺もその頃彼女いなかったし、レナも彼氏いないの知ってたから、
俺は思い切って告白することにした。
「嬉しい……中学の時からずっと好きだった……」
そう言いながら俺にしなだれかかってきた。
オッケーを貰ったのも嬉しかったし、中学の時から思っていたと言われたのも嬉しかった
「私妊娠しない体質なんで、避妊具なしで大丈夫です」
最初はきちんと避妊具を付けていたが、そのうちつけなくなった。
「妊娠したかも」
って言われた。当然っちゃ当然…
最初はあれー妊娠しないんじゃないのかよーとか焦ったけどレナのことが好きだったし腹くくった。
「結婚しよう」ってプロポーズした。
レナも快諾してくれた。
……出来るならでき婚じゃなくてちゃんと結婚したほうがいいね、当たり前だけど。
親戚とかからお祝いの言葉貰うんだけど、表面上は祝うふりして、内心軽蔑してる感じがする。
もしかしたら俺の被害妄想なのかもしれないけど白い眼で見られてるような気がするんだよね。
凄いヒステリック。
すぐ怒るようになったし不機嫌でいることが多くなった。
些細なことで文句言われたり怒られたりした。
俺はレナを怒らさないようにいつもビクビクし、
常に気を遣って俺の精神も若干不安定になっていった。
子供が生まれると月並みだけど感動した。
めっちゃ可愛い。
両親も喜んでくれた。
だから育児はほとんど俺がやった。
ミルクあげたり、寝かしつかしたり。
お風呂入れたり、おむつ替えたり。
育児って大変って聞いてたけどその通り。
でもその分子供に愛着も沸く。
「前は怒鳴ったり当たり散らしたりしてごめんなさい」
と謝られた。
それで育児にも少しずつ参加するようになっていった。
色々大変だけど、なんとかなりそうだなーと呑気なことを思った。
少し悪いと思ったけど何見てたんだろと画面を覗いた。
ブログの日記だった。前々からブログ書いてたのは知ってたけど、内容を見て愕然とした。
今日ジュウォン君を家に呼んじゃいました。
酔った勢いでNNされちゃった……ヤバいかなぁ……
頭に血が上ってレナを叩き起こした。
「浮気してんの?」
と聞いた。出来るだけ冷静に振る舞おうと思ったけど、問い詰めるような口調になってしまった。
レナは呆れたように、
「最低……」
と呟いた。
レナは「勝手に人のPC覗かないでよ。
もちろん内容は嘘だから。あんたがPC見てると思ってわざと書いた。」
的なことを言った。
俺はそれをまんまと信じ、レナが浮気をしていないことに安心した。
そして逆にノーパソを勝手に見たことを謝った。
一度自分のPCからブログを検索してみたが特に変わったことは書いていなかった。
ただ、この時くらいから、レナから離婚したい離婚したいって言われるようになり、結構精神的に追い込まれてた。
ある時、レナが子供置いて遊びに行ってる間に掃除してたら、ノーパソがおいてあった。
見てはいけない。そうわかっていても、俺は誘惑に負け、ノーパソを開いた。
パスはわかっているので、打ち込んでスリープモード解除。
ブログの編集画面だった。
ジュウォン君とこう為しただの、
2人でどこどこいっただの、
書いてあった。
心臓はすごい大きく早く脈打ってた。
きっとまた俺が勝手にPCを見てないか確かめるためそういうことを書いているのだ、そう思った。
ブログは編集者権限でしか見れない日記がたくさんあった。
そこには、本当に詳しく鮮明にジュウォンとの事がビッシリ書いてあって、見た瞬間体が震えて、呼吸できなくなった。
ジュウォンは韓国人で、水商売時代からの知り合いだということがわかった。元ホストらしい。
日記には、
いつ会ったか。
どこにいったか。
いつこう為したか。
何回こう為したか。
どんなこう為をしたか。
など、吐き気を催す内容を書いてあった。
ただ、前回の失敗もあるから、その時は全て写真を撮って、なにも知らないふりをして寝た。
そっからは、ただ離婚して親権をとるため、証拠集めに没頭した。
ジュウォンは、頻繁に俺の仕事中に家に来てるみたいだった。
長期出張のあいだ、リビングにボイスレコーダーを仕掛けた。
USBに繋ぎっぱで、177時間録音できるやつ。
出張から帰ってきて、ノーパソをまたこっそりみたら、ジュウォンが来た日が書かれていた。
そこまでボイスレコーダーを早送りして、再生。
ビンゴ。男の声はいってました。
ついでにあの声も鮮明に。
レナが離婚したい離婚したいって言うから、具体的な話をしたんだよね。
その流れで聞いたんだ。
おまえ浮気してるべ?って。
そしたら、否定するんだよねやっぱり。
こっちには証拠そろってんだ。
正直に言わねーと、出るとこでるぞ。って言ったの。
そしたら、何て言ったとおもう?
浮気じゃない…本気なの。
馬鹿かと思ったよね。
んでそっから経緯とかいろいら聞いた。
なんでも、悩みを打ち明けたらすごくよく聞いてくれたんだと。
話も上手で、一緒に居て安心する。
あと、俺にはない男らしさに惹かれてしまったんだと。
呆れを通り越して驚いてしまった。
コイツってこんなにアホだったんかと。
1.親権をくれるなら、おまえにもジュウォンにもなにもしない。
2.親権を渡してくれないのなら、徹底的にやる。親権は裁判してでも取るし、相手も必ずどんな手を使っても潰す。
この場で選べって言ったよ。
こんなクズでも一応母親だからさ、子供はどっちに引き取られたら幸せかよーく考えろとも念を押した。
ハッキリ言って、復讐もしたかったよ。
でも俺が1番重視したのは親権。子供さえ手元にくれば、あとはどーでもよかった。
離婚原因が嫁の浮気でも、父親が親権取れないようになってるのが、日本の制度。
親権は母親が9割とってるんだって、統計だと。おかしな話だよね。
だから、裁判で争っても親権を取れる確立は低かった。だから、話し合いで決着させたかった。
俺はしんそこホッとしたね。
その日のウチに、子供連れて実家に帰ったよ。
俺の両親には全部話しておいたんだ。
母親は、自分がやってる仕事を全部辞めてくれた。
私の1番大切なのは「俺」だから、「俺」が1番大切にしてるのが子供なら、子供に私の人生をすべて捧げるよ。って言ってくれた。
泣いたよ。
んで、しばらくたったら、レナからやり直したいって泣きながら電話あった。
最初はもちろん断ったよ。
ジュウォンとも別れたらしい。
別れたというより、あっちはただの遊びで、捨てられたぽかったけど。
こんなに嫁に酷いことされてんのに、心の底から嫌いになれない。
周りのみんなは、徹底的にやれとか、潰せとかいってくるけどできない。
短い結婚生活だったけど、楽しかった思い出ばっか思い出してしまう。
だから、今も家を追い出せないでいる。
してあげれることはしてあげようって今でも思ってしまっている自分がいる。
これからどうなるかわからない。
これで俺の話は終わりです。
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