感情をあまり出さず周りから冷たいと言われる私にアタックして来た男性がデートに誘ってきて断り続けていたら…

去年入社した職場の先輩(10歳近く年上)が勘助だった。
勘助はイケメンではなかったが、背が高くて体格が良くスポーツマンらしく、性格も明るいというかひょうきんな人で周りに慕われていた。
対して私はあまり感情を出さない、冷たいと言われるようなタイプ。
良い人だとは思うけどちょっと合わないと思っていた。

ある日飲み会でLINEのIDを教えた途端、
前から話したいと思っていただの○○日空いてる？だの今日の髪型可愛かっただのスタンプ連打だの毎日来るようになった。
良い人だとは思っていたが恋愛感情は持てないのでやんわり断っていたら、勘助はみんなの前で面と向かってデートに誘ってくるようになった。
無表情できっぱり断っていたが、しつこい。
周りも「私子さん冷たいｗ」とか
「いいじゃん絶対楽しいよ」とか囃し立てるし、勘助も
「また私子ちゃんに断られちゃった～」とヘラヘラして、私子空気読めない、という雰囲気になっていて、過ごしづらかった。
ある日いつものように
「今日一緒に帰らない？」と言われ断っていたら勘助の後輩から
「勘男さんへこたれませんね～ｗ」と言われた勘助が
「俺たち、○○のＡ男とＢ子みたいな関係だからなｗ」と言った。
周りは「なるほどｗ」と言っていたが、○○を知らなかった私は、
「○○ってなんですか？」と聞いた。
「え、知らないの？漫画だよ。Ａ男はＢ子にストーカーしてて、Ｂ子は冷たいんだけど満更でもないんだよね～」みたいなあらすじ(？)を教えられた。
けれどストーカーという単語に、私は思わず泣きだしてしまった。
というのも、高校の時ストーカーに遭ったことがあるから。
両親に送迎してもらったり警察に相談したりして、すぐ解决したけど当時は本当に怖かった。
普段感情を表にあまり出さない私が急に泣きだしたのでみんなオロオロしていた。
そこで上司が出てきて、私と勘助が会議室に連れて行かれた。
そこで昔ストーカー被害に遭ったこと、勘助や囃し立ててくる周りが本当に嫌だったことを伝えた。
上司から叱られて勘助は目が覚めたみたいで
「今まで悪かった」と謝ってきて、私にデートを誘うようなことはなくなった。けれど
「あんなことで泣くなんて」「勘助が可哀想」と周りに悪者扱いされて居心地が悪くなったから会社は辞めた。
ここまで書いておいてあれだけど勘助成分は薄かったかも。