まぁ勝手に語ってくかな。
今から3年前の話だったかな
まだ結婚してないときだったんだけど同棲はしてて、お互い働いてた
そんで2月になって最近どこも行ってないなーって話から旅行でも行こうってことになったんだ
絶対最後までかけよ
お、見てくれてるひとありがとう。
2人で予定合わせて2月の終わりに3連休とっていろんな計画たててたんだよ。
ここ行きたいーとかこれ食べよう!とかほんとに楽しみだったんだ。
でも出発の前日。
俺の仕事上朝も夜もないようなハードな職場でその日も朝5時から夜10時までってシフトだったんだけどふと携帯みたら奥さんから何件も連絡きてんの
なんかあったのかなーと思いながら電話し返すとめちゃくちゃ泣いててこっちはパニックよ。
泣きすぎてなんて言ってるかほぼわからなかったけど要するに奥さんのおばぁちゃんが亡くなったらしいのさ
まぁ奥さん家庭環境が結構複雑でね、小学校のころに両親離婚→母親に引き取られるも母、男にハマり育児放棄→父がそれに気付き父引き取る→父パチ依存で金なくて借金地獄→父方のばぁちゃんに引き取られそこで育つ
亡くなったのはこのおばぁちゃん。
まぁ育ての親が亡くなったらそりゃなくわな
とりあえず俺が仕事終わるまで待ってることと、旅行のために準備したカバンのいらないもの抜いて喪服やら必要なもの言って準備しといてもらった。
俺の住んでるとこから車で急いで行ったけど着いたのは日がまわったあたりですでに奥さんのお姉さん、お姉さんの彼氏、お父さん、お父さんの友人多数がいて俺はとりあえずどうしたらいいかわかんなくて初めましてーみたいな感じで挨拶してた
奥さんはおばぁちゃんに近づいて顔を見てまた号泣。
死因は心臓発作だったらしい
あ、あらかじめ言っておくと俺霊感とか全くの0www
でもそのおばぁちゃんの家に入って感じた違和感がやたらと神棚が多いのね
まぁ宗教とか神様とかも俺も俺の家族もあんまり信仰とかしてなかったから俺も
「あ、こんなに飾ってる家もあるんだなー」くらいにしか思ってなかったのさ
そんで通夜、葬式、火葬、一通り終わってそんじゃ帰ろうかーってときにお父さんの友人Aさんが俺に耳打ちで
「俺の番号教えておくからなんかあったらすぐ電話しろ。下手したら今日かもしれない」
っていいながらAさんの番号書いた紙を手に握らされた
なんのことかわからず
「あ、はい…」くらいな返事をして俺の家に帰ったんだよ。
そしたら奥さんが帰るなりいきなり玄関とかに盛り塩しだした
「なにしてんの?」って聞いても
「ずっとあそこに居て気分が重かった。ごめん今日だけこれやらせて…」
と言って部屋の隅とか四ヶ所くらいやってたのかな?
奥さんは霊感あるらしいんだけどこんなことするの見たことなかったし俺からすれば
「まぁこれやって落ち着くなら別にいいかー」程度に考えてた
奥さんが塩待ってる間俺は着替えとか喪服とかかけたりして2人とも疲れてたから終わってからとりあえず寝ようってことになって布団へ移動。
横になってから少し喋って
嫁「おばぁちゃんのそばにもっと居たかった…」って言ってまた泣いちゃった
この三日間くらい忙しすぎて悲しむ暇もなかったんだと思う。
抱きしめて頭ポンポンしながら落ち着かせようと思ったらそっから奥さんの様子がおかしくなった
奥さんあんまりメンタル強くなくてよく職場とかでも追い詰められたりすると過呼吸になったりしててさ
そんな感じの呼吸状態になって必死になだめようとしてたのよ
抱きしめて背中さすりながらゆっくり呼吸しなーとか言ってね
でもいつもなら10分くらいで治るんだけどどうも良くならなくて抱きしめるのやめて仰向けにさせたんだ。
なんていうかね、目がおかしかった
すげぇ真っ黒で瞳孔開いてんのかってくらい虚ろな目で思いっきり見開きながら呼吸が荒れてんの
「おい!大丈夫か!」って俺もほぼ叫ぶように呼びかけても泣きじゃくる一方でしまいには布団の上で暴れだす始末
馬乗りになって両手押さえ込んで
「落ち着け!俺の方ちゃんと見ろ!」って言ったら一瞬動き止まって俺の方を見たんだ。
今思い出しても怖いんだけどさ、その一瞬でいきなりニヤッと笑って俺の鼻にかじりついてきたんだ
鼻は大丈夫か?
>>27
傷跡は残らなかったけど出血やばかったw
めちゃくちゃ痛かった。
でもなぜか俺奥さんの両手離さなかったんだよ。
そして噛り付かれてぱっと離したと思ったらその時だけ凄く悲しそうな表情になったからさ、正気に戻ったのかと思った。
でも違った
なんていうのか俺を見てるんだけど俺の後ろのなにもない空間を見て怯えてるっていうか、なんとも表せないような表情と怯えかた。
この辺でやっと奥さんが盛った塩とお父さんの友人Aさんの言ってたことを思い出して何かに取り憑かれてるという判断ができた。
理解した途端めちゃくちゃ震えが止まらなくなってAさんに電話しようとしても番号がちゃんと押さなくてただ掛けるだけなのに5分くらいかかった。
Aさんすぐでてくれて出るなり
「やっぱりか、今すぐこい」
って言ってめっちゃすぐ切られた。
いや、対処の仕方とか落ち着かせかたとか教えろよとか思ったけどとにかくあの人のとこに連れて行けばなんとかなると思って全身震えながら奥さんまた押さえ込んで
「お前が誰かは知らない。でも勝手に人の身体に入って好き勝手やってんじゃねぇ。今からもう一回〇〇に戻るぞ」
って言ったらまたピタっと動きが止まった
そして今度は俺に飛びかかってきてありえないくらい掠れて低い声で
「やめろ…やめろぉぉ!!!!!!!」って怒鳴られた。
目は最初の瞳孔開いてるようなやつで奥さんの身体からこんな力出ねぇだろってくらい首締められた
もうこのままじゃ殺されると思って申し訳ないけど枕元に置いてた目覚まし時計で奥さんのこめかみ辺り思いっきりぶん殴ったよ。
首にかかった手の力が少し弱まってその隙に距離とって机の引き出しからガムテープとって手、足、腕と身体をグルグル巻きにして車の後部座席につめてAさんの家に向かった。
向かってる最中も後ろからは変な雄叫びと奇声が常に車を響かせてる状態。
俺も本当にどうにかなってしまいそうだったよ
そんでAさんの家に到着。
すでにAさん外で待っててくれて奥さん下ろそうとしたらAさんめっちゃ驚いてた
まぁ顔をが血だらけの男とガムテープでグルグル巻きで奇声を発してる女
こんなカオスな2人が家にやってくるんだもんな
家に入れてもらったらなんか除霊師?みたいな人とその付き人みたいな人が合計で3人くらい
変なお経唱えてもらったら奥さん奇声発しなくなってそのまま倒れた
除霊師さんいわく、
「疲れて眠っているだけでとりあえずは大丈夫。それよりあなたに話さないといけないことがある」
とのこと。
「なんのことですか?」
と聞くと奥さんに取り憑いたもののことだった
奥さんに取り憑いたもの
それは霊でもなくおばぁちゃんの神棚にあった稲荷の神様だということだった。
おばぁちゃん神様とかへの信仰心すごくて毎日参拝して神棚掃除してお供え物してすごくよくしてたらしい。
それでおばあちゃん亡くなったから誰が俺の世話すんだよ!ってときに1番身体に入りやすく、霊感も強い奥さんの身体に入ってきたとのこと。
もうね、俺からしたらまったく理解できなかった
神とか信じたことないしなんで神様がいきなりこんなことしだすかも意味がわからなかった。
そして除霊師さんは続けて
「でもね、稲荷の神様は商売繁盛のご利益があるの。ちゃんと供養して見てあげたらあなたたちは生涯生きることには絶対困らないよ?どうする?」
と続けてきた。
ようするに俺の家で稲荷の神様を供養して飾れということだ。
Aさんも
「なぁ、供養してやれよ。将来安定すんぞ?」とか若干にやけながら俺に言ってくる。
あとになって知ったけどここの土地はどの家どの家族も信仰している宗教や神様があるらしい
だからこういう流れになるのはとくに変ではなくこの土地では当たり前のことらしい。
それでもだ。
供養してこの先大切な人がこんなことになるかもしれないリスクと引き換えに安定を手に入れる?
冗談じゃないと思ったよ。
すぐに決められる話じゃないよなぁ
しょうもない
ここまで事態を把握してるのに策を用意しない上に報告者に判断丸投げで後から文句言うあたり田舎ぽくてリアルだな
よくある『何かを得るために何かを差し出す』だな。
ばあちゃんは毎日のお世話とかしっかりしてたハズなのに、何かを得られたのかな?
つか、本当に大変だから「アタシお世話できるよ☆ミ」なんて容易く言うなよな。