背中をツンツンして来る。
遊びたいのはわかるが、寝ないと明日が辛いので寝た振りをする事に。
…くぅーっと腹の鳴った音が聞こえて笑ってしまった。
バックからカロリーメイトを取り出し、渡す。
「I’m verrrry tired.I have to sleep today」
(*´ч`*)←めっちゃ食べてる。多分ちゃんと聞いてない。
うん、さっさと寝よう。そう思い、初日に聞いた眠いを意味する「ぬくったー」と言って寝た。
スミーも「ぬくったー」
4日目終了。
遊びたいのはわかるがって・・・!
スミーにタオルを奪われていて凄まじく寒かった。
微妙な曇り空。
外を見るとなかなか寒い。他のテントは寒さに負けて起きたのか、かなりの数が撤収していた。
スミーも起床。ボサボサの髪ではあるが、メットをかぶればわからないし、
スミーは髪を纏めているので問題なさそうだ。
テントを回収し、今日の予定を伝える。
「We go to spa,after that,go to 網走 lake side.About 50km.」
温泉と聞いていい笑顔を見せる。
まぁ温泉行きたいと言っていたくらいだから嬉しいのだろう。かなり無茶したし。
国道39号へとルートを戻し、北見市街を走り、市外にある温泉迄先導する。
信号待ち等で横に並ぶたびになかなか良い表情を見せてくれた。
温泉到着。ふと気になったので聞いてみる。
「Body in tatoo?」
ふる(・ω・`三´・ω・)ふる
「Have you ever been to Japan’s spa?」
(`・ω・´)Yes
じゃあ大丈夫か、という事で風呂道具を出して入湯する事にした。
一応小樽で外国人が入浴拒否された問題を考えて受付に
「彼女日本語話せませんが、刺青的な物は無いですし、日本の温泉経験者です」と伝えておく。
特に何も問題なく温泉に入れた。
少し恥ずかしいが、出てきた女性に聞いてみると、
露天風呂とサウナを超満喫しているらしいことがわかった。
結局2時間入っていた。
取り敢えず風呂には欠かせない牛乳を飲み、再びゆるゆる走り始める。
途中のホームセンターで小さな七輪と炭、網と発泡スチロール製の容器を買う。
採暖も料理も出来る最高のグッズだ。
ちょっと走って女満別空港のあたりをグルグル走り、コンビニで昼食。
見つけたスーパーで野菜と肉などをテキトーに買い、粉ポカリや2リットル飲料を購入。
スミーはお酒を選んでいた。
当時の小樽では浴槽で身体を洗ったりする海外の方が度々問題になっていましたし、
タトゥーと言っても入場規制になりそうでしたからね。
網走湖畔の無料キャンプ場へ向かう。
時間が早かったこともあり、まだ混んでおらず、
炊事場にそれ程遠くない湖畔にスミーのテントを張った。
次いで自分のテントを張ろうとするが、スミーが自分のテントを指差す。
なんかもう面倒なので今日もお邪魔することにした。
テントの前で七輪に炭を入れ、少しずつ炭を足して火力を増やしていく。
スミーが落ちていた木の枝を燃やす。煙が酷い。
煙が落ち着いたので網を置き、豚肉の脂身をこするようにして
網に馴染ませて張り付きにくいようにする。
準備は出来た。
肉と野菜を載せて次々に焼く。スープは白い発泡スチロール製のお椀に入れる。おにぎりを食べる。時々おにぎりも焼く。黄金のタレ最高!
一通り食べて、最後に焼き鳥を載せて弱火で焼く。
スミーはカクテルみたいなやつをチビチビと楽しそうに飲んで焼いていた。
メイン食が終わったのでアルミで包んだじゃがいもを載せ、鍋を洗ったり、ゴミを分別して潰したりして処分。
スミーはテントの中で日記みたいのを書いていた。読めないけど。
スミーも外に出てきて芋コロコロをやりたいと手を伸ばしてくる。
(`・ω・´)つー○
遠くの方でライダー達が盛り上がっていたが、
個人的には風に煽られ小さな波を作る湖水を見ている方が気分に合っていた。
知床満喫するには出来ればウトロまで行きたい…しかし、
この辺りは宿の数に対して宿泊希望者が多く、
予約が埋まっている可能性が高い。値段も安くないし。
途中にあるライダーハウスは一箇所知っているが、
女性は専用部屋になってしまう。
人見知りっぽいスミーは大丈夫だろうか。
しかしウトロ近辺にテントを張るのはヒグマが出現した場合を考えると避けたい。
(´・×・`)
多分旅の中で1番頭を使っている姿を見ることが出来た。なかなか決まらない。
仕方が無いのでチャリダーとして1番恥ずかしい最後の選択肢をそれとなく提案。レンタカーである。
(・∀・)
明らかに反応が変わる。自転車で向かえば1~2ヶ所しか観光が出来ないが、
車であれば安全な上、地図にマークした多くの温泉と観光名所が楽しめる。
逆の立場で考えれば、海外旅行で名所を1日一ヶ所しか見られないのと
複数見られるのでは後者を選ぶようなもの。
(*´∀`*)
超ニコニコ、ワクワクしている顔だ。想定していなかったんだろうな。
必要時間等を書き込んで行き、観光したい所を聞いていく。
(・∀・)おーる
「All ?」
(*´ω`*)おーる
1日で全部は不可能だと伝える。
(*・ε・*)
2日であればある程度は見られると伝える。
(*´∀`*)
車中泊入れて48時間レンタルか。
ここ迄来たら最後までとことん楽しんでもらう事にした。
(´・ωゞ)ぬくったー
眠いらしいのでライトを消す。スミーはすぐ寝息をたて始めた。
スミーは一日でかなり長距離を移動出来るが、疲労回復が早くはないようだ。
自分も横になる。なかなか寝付けないので水辺に行ってみたり、
余熱でお湯を沸かして粉ポカリを溶かして飲んだり。
数時間ボーッとしたあとテントに戻り、バスタオルをかけて自分も寝る。
5日目が終わった。
七輪の余熱で作っておいた芋に塩を振って食べ、テントを畳む。
歯を磨いていると女性ライダーに話しかけられた。
外国人と日本人の組み合わせは珍しいから声を掛けてみたと。
同じく歯を磨いているスミーは徐々に離れていく。
ライダーを怪しい人だと思ったのか、或いは単に人見知りなのかはわからない。
こんな性格で良く旅をする気になったな。
バーベキューしたいなーと言っていたので、
七輪と余った炭などを引き取ってもらった。
あとカムイワッカの車両規制情報を貰う。
自転車に荷物を載せ、ライダーに別れを告げて出発。
そのまま網走駅近くにあるホテルに寄り、明日の空室を確認し、
そのまま朝食だけのプランで予約。
2日ほど自転車を置かせてもらえる事になった。
宿の手配が済んだので、開店したてのレンタカー屋に行く。
一番安い軽自動車に空きがあると言われたのでその場で手続き。48時間で借りる。
(*・ε・*)
退屈なのか少しご機嫌斜めだったが、車の傷点検を終えて車に乗ると
(・∀・)
こんな顔。ワクワクしているのがわかる。今日は知床巡りだ。
今年も行ったが、チャリダーは皆キツそうな顔してたわ
チャリダー泣かせが多いですよねぇ…平坦だったり見通しの良い道が多いだけに。
「Do you have a swimwear?」
(´ω`≡´ω`)
野湯無理じゃん…先ずは水着買いか。
水着を買いに何件か見て回るが、品数が少ない。
結局何故かスポーツ用を買っていた。高いのか安いのかわからないが。
そのまま出費。小清水原生花園を覗き、斜里を通り、ウトロへ。
オロンコ岩を眺めながらお昼のコンビニ飯を食べる。
スミーはカレーを美味しそうに食べていた。
ふと自分の弁当にあるカツを2切れほどスミーのカレーに入れてみた。
(*・д・)
∑(゜Д゜ )
カツカレーの美味さを知ったらしく、良い反応だった。
知床五湖は後で見る事にしてバスに乗り込む。
ゴトゴトと悪路をバスが進む。
そんな中でスミーは窓の外の景色を見ていた。
自分も外の景色を見ていた。
近くの50代と思われる女性達から漂う香水で吐き気が止まらなかっただけである。
何故妙齢の方がつける香水は臭いのだろうか。
40分ほど乗った地獄のバスから降り、ちょっと歩いて川そばの脱衣場へ向かう。
水着にシャツを着て、草鞋(わらじ)をレンタルして川へ向かう。
沢登りを暫くしていると、先程の香水女性が見事に足を滑らせて
川の深みに腰から落ちるのが見えた。
その際に肩を引っ張られた人も落ちた。
「This is non slip safety shoes.」
目の前の惨事を見てスミーも納得したようだ。草履は滑り難い。
極力安全そうなルートを選択し、
時折スミーを引き上げたりしながら上へ進むと既に入湯者がいる滝壺が見えてくる。
だがその横を通り、熱々の湧き出るお湯を越えたりしながら更に上へ。
更に凄い滝壺の温泉がそこにはあるからだ。
上着をバッグと一緒に近くに置き、
下の人の迷惑にならないようお湯を汲んで隅に行き局部を洗い流す。
どっぼん
振り返るとスミーが上着を脱いで入って泳いでいた。
というか泳がないと沈む深さなんだけど。
自分も滝壺に腰掛け、ゆっくり入る。
(σ’д`)
スミーが舌を出して何かを言って来る。
多分超酸っぱいんですけど!的な事だろう。
実際ここは金属が直ぐ変色する程に強力な酸性温泉だ。
暫くぷかぷか浮かんでいるとスミーがお湯をかけてきた。
凄く良い笑顔をしていたと思う。
目に入ってムスカみたいになってわからないが。
それを道の駅で斜里の人に話した
「あそこって熊大丈夫ですかね?(大丈夫だと言う返答を期待)」
『出るよ(即答)』
よしやめた、もうちょい先に行こう
その結果基本的に知床斜里がキャンプベースになるんですよね(笑)
熊は怖いです。熊スプレーは欠かせませんでした。
少しずつ回復。泳ぐスミーの写真を何枚か撮って再び足だけ浸かる。
スミーは滝壺の縁に肘を置き、バタ足みたいな事をしていた。
スポーツ水着の背中は大きく開いていて綺麗な背中が見えた。
満足したのか、身体をタオルで拭き、シャツを上に着て来た道を戻る。
正直下りは登りの数段危ないため、段差が大きいところは下から支え、ゆっくり降りてもらう。
チーム香水50代は石に座りながら何か話していた。
上に何があるの?と聞かれたので、深い滝壺があるけれど危ない事を伝える。
チーム香水50代は上を目指したのかその後会うことはなかった。
車に戻って来たのは5時近く、知床五湖に再び向かうのは
時間的に観光不可なのでオープンしたてである川湯温泉の足湯へ向かう。
7時前に着き、硫黄泉の香りを満喫しながら足元パチャパチャしていた。
たまーに軽く足をぶつけてくる。足をひょいと掴んで足の裏をくすぐってみたら
⊂(*・ε・*)
肩を叩かれた。不条理だ。
車を停め、折り畳みスコップ(野糞や食べ残しを埋める用)を取り出して砂を掘る。
お湯が出て来た。
(*´ω`*)
シャベルを奪われたので手で掘る。凄く熱い。
結局大きく掘ることは難しく、足湯をすることも無いまま埋めた。
そして近くにある和琴温泉へと向かう。
車を停め、他に人がいない事を確認して簡易的な脱衣場へ。
懐中電灯を片手に池みたいな温泉に入る。
スミーは最初足を入れているだけだったが、
結局水着に着替えて入って来た。
半身浴みたいな状態でのんびり。
林というか藪がガサガサと音を立てる。
何かが移動している音だが、狐位のサイズっぽいので
そのまま入っていようと思ったが、
スミーが怖がっていたので上がることにした。
車に戻り、北海道に来たら行っておきたい場所の一つである中標津へ向かう。
ナビが無かったこと、標識がなかなか見つからなかった事もあり、
結局11時頃に公園の駐車場に車を停め、シートを倒して車中泊。
スミーも同じ様にして横になる。
時折通過する車の音が聞こえる以外はシーンと静まる車内。
窓から見える空を眺めながら色々と考えていたが、考えるのをやめた。
静かな夜だった。
6日目終了。
薄明るくなってきて目覚める。
若干髪がモサモサしているが、急いで車を開陽台へと向かわせる。
今日は意外にスパッと目覚めたスミーだが、
車を降りて歩き出す自分の隣を歩いているうちにここに来た目的に気付いたらしい。
自分達以外にもカップルライダーが来た。
北海道の海沿いを一周する予定らしい。
今日は昔付き合うきっかけになったここに寄り道して、
また海沿いを走るそうだ。
百聞は一見に如かず。地球の丸さを実感出来る事は中々無く、ちょっとした感動もある。
スミーの髪の毛が太陽で綺麗な色を見せる。ボーッと眺めていると
隣でカップルライダーがプロポーズしていて驚いた。
七日目の朝は驚きの中で始まった!
凄いぞ試される大地!
スミーに説明すると感動して泣きながら何か言ってた。
フィンランド語がわからないから訳せなかったけど、カップルは嬉しそうだった。
帰りにうちに遊びに来てください、と告げ連絡先を教える。
カップルライダーは手を振りながら去っていった。
駐車場に戻り、今日の予定を確認。
ノートの略図を見ながら温泉巡りと湖巡りと食べ物巡り、
どれが良いか尋ねると温泉と食べ物で悩んでから温泉と答えた。
悩む位なら少し無理してでも両方行く事にした。
ルートを地図で確認し、釧路の市場へと向かう。
そこには米の入った丼に、市場にある好きなものを載せて食べるという夢の様な丼があると言う。
カップルライダーから聞いていた場所だ。
お金を払いながら具材を載せて丼を完成させて行く。
スミーも最初は真似して同じ物を載せていたが、
最終的にカニと海老まみれの丼を完成させていた。
これ凄いうまい。本当にうまい。
スミーも箸を不器用ながらも一生懸命つかいながら食べていた。
自分も味わって食べているつもりでいたが、あっという間に無くなった。
今日泊まる予約をした網走の宿へ連絡、
無理を承知で朝食のみプランから
2食プランに変更出来るか尋ねてみると快く受けて下さった。
ついでにカニとエビを多めに出来るかも聞いてみたら、
追加料金で対応して貰える事に。
(*´~`*)??”??”??”??”
スミーはまだ丼を幸せそうに食べていた。
やはり温泉が良いと言うので来た道を戻り養老牛温泉へと向かう。
ここに温泉大好き人間である自分イチオシの温泉宿がある。
というかmy best spa と書いていたのが気になったらしい。
ちょっと高そうな外観の宿につき、入湯料を払ってタオルを貰う。
内湯は勿論、直ぐ前を川が流れる絶景露天風呂が複数あり、
有無を言わさず旅好き温泉好きを納得させてしまう。
頭と身体を綺麗に洗い、内湯と露天風呂を行き来して一時間ほど楽しむ。
着替えてフロント近くのソファーでうたた寝したり新聞を読んだり。
スミーも満喫したのかホカホカしながら出て来た。
徒歩ダー、チャリダー、ライダーを一度経験すれば大半の人はまた走りたくなります。
霧のない摩周湖を見られた。
一年の大半が見られなくて、見ると結婚が遅れると伝えると言われてるよと教えてあげる。
(*`ω´*)つ
肩を叩かれる。結構嫌な顔をしていたのでジョークと言って誤魔化す。
ちょっと機嫌が悪かったが、美幌峠で景色を眺めたりしているうちにマシになった。
あとは網走に戻るだけ。
宿に荷物を一旦降ろし、チェックイン。車を返却して部屋へ。
今回は和室をチョイスしてみた。
ゆっくり休みたいところではあるが、荷物の整理を始める。
身軽に馴れることだ。
コインランドリーで衣類を洗い、自転車のチェックを行い、必要最低限の荷物に切り替える。
バッグ2つ分をダンボールに入れ、日付指定でアパートにつくようにした。
部屋のお茶を飲みつつ帰りの計画をノートを出して話す。
1日目、網走~留辺蕊
2日目、留辺蕊~旭川
3日目、旭川~我が家
4日目、天候等の走行調整予備日
5日目、我が家で荷物を受け取る。
…その先の予定は無い。
でも今の沈黙はお互い気まずい沈黙。卒業式前日の様な感じだ。
お茶を飲む。酷く喉が渇く。
(・ω・)さんくす
暫くして真面目に、しかし軽く笑みを含んでスミーがお礼を言った。
「Take it easy.By the way,why did you watch セクシームービー in 旭川?」
(ヾノ・ω・*)ノシ
笑いながらペシペシと叩いてくる。コレでいい、旅は楽しくないと勿体無い。
(*´▽`*)??
カニと海老が異常なまでにあった。スミーが無茶苦茶いい笑顔をしている。
そして勢い良く食べ始めた。
この娘は箸にはなれていないけれど、とても丁寧な食事をする。
良い家庭に育ったんだろうな。抜けているところはあるけれど。
(*ノ´∀`*)ノY
カニのハサミの肉を勧めてくる。確かに美味いよね。
(*´∀`*)
また日本酒飲んでる。
この娘は、食べる事の楽しみを良く知っている。
(‘ω’)三( ε: )三(.ω.)三( :3 )三(‘ω’)三( ε: )三(.ω.)三( :3 )ゴロゴロゴロ
人の布団を巻き込んで転がってみたり、布団に入ってみたり。まるで子供みたいだ。
疲れたのか窓辺にある椅子に座り、二人で外の景色を見たり、
地図を見ながら思い出話。そして二人揃ってそのまま少し寝ていた。
布団を敷き直し、起こして布団に行ってもらおうとする。
でも起きようとしない。仕方が無いので抱っこして布団に運ぶ。
電気を消して自分も布団に入る。自分も「ぬくったー」だったので
再び寝るまで時間はかからなかった。
七日目の夜が終わった。
スミーは人の腹を枕代わりにしていた。
ひたいを軽くペチッとすると笑い出した。
今日は自分が遅起きだった。ちょっと悔しい。
朝食を食べ、チェックアウト。
従業員の人に心からのお礼を言って肌寒い中を出発した。
キャンプ予定地までの距離は100km。
僅かな傾斜はあるが大きな難所も無く、
夕方前にはテントを張れる計算だ。
数日前に泊まった網走湖畔のキャンプ場を過ぎ、
入浴した温泉を過ぎ、北見市街地を通り、そして北見を抜ける。
とても良いペース。
途中長めに休んだり買い物したが、自転車が軽かった事もあり、
8時間後の5時にはテントを設営出来た。
キャンプ場では無いのかもしれないけど、
温泉が近いからか時々テントを見かける。
なんだこいつ金持ち過ぎないか?
大学生のチャリダーなんてギリギリに切り詰めた貧乏な奴ばかりだったぞ
むしろオッサンがナンパしたように見えるわ
あと摩周湖は一年の大半が晴れとって観光シーズンが霧だぞ13回目にようやく霧を見れて独身の俺に謝れ
>>164
バイト貯金で乗り切りました。
本来であれば1日あたり2000~3000で旅しますが、あの旅は特別でしたよ。
同じ様にしてテントが設営されだす。中には家族連れもいた。
(*´∀`*)
スミーは大量に買い込んだ蒲焼さん太郎を齧りつつ酒を飲んでいた。
自分はこの旅最後になるであろう夕食を作り始める。
1.固形燃料を使い鍋でお湯を沸かす。
2.お湯が沸いたらマカロニを投下。
3.茹でたら茹で汁を別な鍋に入れ、それにレトルトのスパゲティソースをいれて温める。
本当ならスパゲティを食べたいが、深底鍋なんて持ち歩けない。
消化しやすく持ち運びやすいマカロニはチャリダーに優しい。
ソースをかける前にカニカマをほぐして載せ、取り出した和風きのこソースをかけて完成。
茹でた鍋には卵を4個いれて更にゆで卵を作る。水と燃料の節約は大事。
フィンランドはお酒がかなり高価で、しかも消費税が凄いそうです。
かわりに大学卒業まで学費無料だったり恩恵があり羨ましい限りです
気に入ってくれたようだ。自分も食べ始める。当たり前だが超うまい。
うまいんだけど、食べながら気づいた。
スミーが一度も料理していない
日本語話せない、自転車直せない、料理が出来ない
本当にどうやって旅する気だったんだろう。
明日は旭川のホテルだし、更に翌日には家に付くため、
荷物は実質日帰り旅行で済む。
万が一を考えつつも極力不要な物をまとめていく。
自分は衣類バッグ、一人用テントと銀マット、水3L、最低限の旅セット
スミーは衣類バッグ、貴重品バック、水1L
あとは明日朝撤収時にコンビニから日付指定で送ればいい。
スミーが何か言っている
「くーまー」
飲んでいて身体が熱くなったのだろう。笑った。
目を閉じる。車の往来音が少々騒がしいが、良く眠れた。
残りはあと2日
カロリーメイトとポカリで体に活を入れる。
テントを畳み、コンビニでダンボールを貰い、
不要物を詰めて日付指定でアパートへ送る。
石北峠アタック開始。頂上から東(北見側)は道が広いとは言えず、
見通しも今ひとつなのでリア点滅ライトを点け、一定のリズムで漕ぐ。
時速10km前後を行ったり来たりするが、それ程悪い感じではない。
意外にも休憩を取ることなく1時前に頂上についた。
ここからはずっと下り、安全な速度を維持して下って行っても5時にはホテルに着く計算だ。
緑の中を風を浴びながら降り続ける。スミーの綺麗な髪がパタパタしている。
一人旅なら更にガンガン速度を上げるが、今は安全第一の二人旅、路面状況を確実に判断しながら進む。
上川を過ぎ、市内に入り、ゆっくり走る。
それでも予定より早くホテルについてしまう。
ゴールまで100km少々。快晴って日は少なかったが、
ぱらつき程度の雨が少しあった程度で最高のコンディションのまま終わりを迎えられそうだった。
スミーと一緒にホテルを出てプラプラ歩く。
特に何かするわけではないけど、なんとなく気楽だ。
焼き鳥屋に入る。
店員さんが覚えていてくれたので、スミーが喜んで飲んでいた日本酒を頼む。
自分はタコワサ、ウーロン茶
自分も楽しく食べることが出来る。
軽く頬を赤くして酔っているスミーと歩いて帰る。
よくわからない歌を口ずさんでいるあたり、かなりご機嫌な模様。
ホテルに戻り、スミーが入浴中自分はストレッチ。スミーの後に自分も入浴。
テレビのチャンネルを変えている音が聞こえる。
で、また例のチャンネルになってしまったらしく、なんか言っていた。
風呂をあがると
(・ω・ )
無表情のまま膝を抱えて座っているスミー。
パニックなのか、気まずいのか、またネタにされるのが嫌で知らんぷりしているのか。
Σ(OωO )
「ぬくったー」
ふざけて言う。
(*´艸`*)ぬくったー
スミーはフリーズから抜けだした。フットライトだけを残して部屋を暗くする。
静かな夜だった。
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