バイト先のA先輩(男)は気配り上手で誰に対しても親切なのに、B子にだけ素っ気なかった。その真相が明らかになってドン引き…

コロナ前の話。
とある飲食店でバイトしてたんだけど、そこにＡっていう先輩(男)がいた。
先輩は気配り上手っていうか、誰に対しても親切でみんなに頼りにされていた。
が、ただ一人、私と同じくらいのタイミングでバイトを始めたＢ子にだけ、妙にそっけない。
例えば私や他の人が重い荷物をもってたら飛んできて手伝ってくれるのに、Ｂ子が同じ状況でもスルーする、みたいな。
周りはすぐ違いに気づいて、Ａ先輩に、何かＢ子に冷たくない？Ｂ子なんかしたの？みたいに聞いたんだけど、
「いや？別に普通だし」と会話を打ち切られる。
どう見てもＢ子に冷たいし、Ｂ子本人も、何か先輩に嫌われることをしちゃってるんだろうか…と落ち込んでた。
ちなみに傍から見る限り、Ｂ子が先輩になんかやらかしたということはなく、Ｂ子本人は口数少ない真面目系。
そのうち周りの人が、これはもう先輩いわゆる好き避けってやつじゃね？と邪推。
一人が何かのときに先輩に、実はＢ子好きなんでしょ？と聞いたそうだが、
「は？そんなわけないだろ」とちょっとムッとしたような反応だったらしく、こりゃもうビンゴだなと結論付けられていた。
下世話な一人にそのことを知らされたＢ子は困惑しきりで、私こそなんとも思ってないから普通にしてほしい…困るなぁ…みたいな反応。
ただ私と数人は、好き避けにしても何か違和感がある印象だった。
何せ先輩、仕事上必要なことがある時とか、みんなで会話してるときはＢ子にも普通に接している。
いってしまえばとてもビジネスライクにＢ子に接してて、そこにプラスされる個人的な思いやりの部分が、Ｂ子に対してだけ何もない感じ。
好き避けってこんなんだっけ？と疑問に思っていた。
そんなある年の、年度末お疲れ会。
みんな飲み屋でワイワイ雑談してて、何かの流れで先輩が「そういえば俺、来年度でこのバイト終えるつもりなんだ」と言い出した。
えー、そうなんですねー、寂しくなるー、というみんなの声に、
「実は結婚することになってさ。嫁さんの地元に移るんだよね」
と照れくさそうに話しだしたところ、Ｂ子が大発狂した。
もうワァーとかガァーとかが混じったような、なんか表記できない声で叫んだかと思えば、
「嘘嘘嘘なんでなんでなんで！何それ聞いてない！何それ！？何で！おかしいでしょう？！」みたいに喚いてテーブルをバンバン叩く。
みんなは初めて見るＢ子の異様な姿に唖然&ドン引き。
そしてＢ子は、「先輩が好きなのは私なんですよね！？こっちの気を引きたいにしても結婚はやりすぎです！！」と絶叫し、
ムッとした先輩に、
「いや、だから、最初に君に告白されたとき断ったよね？何度いわれても答えは同じだよ？」と返され、また絶叫。
泣きながらＢ子、「先輩が！好きなのは！私！なの！わーたーしー！！みんなもそう思ってるの！」と机叩いてバーサク状態。
それ見て我々、『好き避けで態度が冷たいＡ先輩と困惑するＢ子』という今まで思ってた構図が、実は、
『勘違いさせないよう一線を引いて接するＡ先輩と、好き避けと思い困惑するふりをしつつ内心まんざらじゃなく先輩にゾッコンＢ子』だったことに気づく。
その後は泣きわめくＢ子をなだめるのに必ﾀﾋで飲み会どころじゃなくなり、グダクダのまま解散。
帰り道先輩に聞いてみたら、Ｂ子、出会った当初から先輩にメールで告白しては断られるもめげずに再挑戦、を繰り返してたそう。
思いっきり「何かしてる」じゃんＢ子よ…。
助長しないよう節度を持って接してたけどこんなことになってごめん、でも個人的なことだし告白のことを明かすのは失礼だから、と先輩には謝罪された(先輩何も悪くない)。
結局その日でＢ子はバイトを辞めてしまい、騒動はそれっきり。
で、あれからかなりの年月が過ぎたというのに昨日、しばらく使ってない私のアドレスにメールが届いた。
差出人はＢ子で、内容が『Ａ先輩ってまだ独身だよね？』というホラーな一文のみ。
色々気味悪くて、ただいま当時のバイト仲間たちに状況を確認中なんだけど、何が『まだ』なのか意味不明…。