【正当防衛】マリコから「ストーカー被害に遭ってる」という相談を受け家まで送り立ち話してたら誰かに突き飛ばされた！→包丁を片手にマリコを掴む男が…

ウン年前の話だけど、週1-2回活動の社会人音楽サークルに入ってた。
練習後、飲み会に行った時、サークル仲間の篠田麻里子似の女の子から相談を受けた。
（以降、マリコとしておく）
マリコは「最近、ストーカー被害に遭ってる」んだという。
マリコの住んでるマンションと、俺のアパートは、駅の東口・西口みたいな関係。
遠回りにはなるが送るくらいなら問題ないし、マリコは可愛いから鼻の下を伸ばす俺。
ちなみに俺は見た目だけならレスラーの中西だが、中身は楽器演奏が趣味のチキンｗ

飲み会後、23：45分くらいだったかな。
マリコを送って行き、マンションの玄関前で軽く立ち話をしていたら……
いきなり斜め後ろから突き飛ばされた!?
マリコ「キャァー！」
俺「ふへぇ？」と慌てて立ち上がろうとしたら、本革のバッグにでかい切り裂き穴。
見るとスーツ姿の男が、包丁を片手にマリコの腕を掴んでる。
俺はマリコを助けたい一心で、叫びながらスーツの男の腰にタックル！
スーツの男は3メートルくらい吹っ飛んで、ゴッチィーンッ！という凄い音で倒れた。

で、男がピクリとも動かない。
全然、動かない。
1-2分くらい眺めてから、恐る恐る脈をとったら、心臓は動いてるが、意識なし。
死んだらヤバイと、マリコは110番、俺は119番した。
日本の警察って優秀、通報から6分でパトカー1台、10分で1台追加＋救急車到着。
さあ、そこからが修羅場ですよ。
スーツの男は意識不明のまま救急車で運ばれていき、俺とマリコは別々のパトカーで警察署へ連れて行かれ、別々に事情聴取。
俺は包丁を持っていた奴から助けただけだから、すぐに終わるだろうと思ってたら、警官から何度も何度も同じことを繰り返して聞かれる。
特に小学校から今までのスポーツ経験を何度も聞かれる。
「いい体格だよね、なんかスポーツやってたんでしょ？　格闘技？」
「いや、中学校は合唱部で、高校はクラシックギターで、大学では軽音同好会です」
「なんか、ちょっとはやったことあるんじゃないの？　柔道とかレスリングとか」
「いや、あの、そういうの怖くって」
「中学や高校に、部活動なにやってたか問い合わせてもいいよね？」
「ええ、はい、どうぞ」

ニブい俺でも、犯罪者扱いされてるんだということが、ようやくわかった。
恐る恐る「俺、なんか犯罪やっちゃったんですか？」とたずねたら
帰りしなに「まあ、相手が意識不明だからね、色々と聞かなくちゃならないんだ」と。
家に帰ったのが夜中3時半。
やべー、あのスーツの男に、もしものことがあったら、俺、●人犯なの？
もし、後遺症残ったら、慰謝料とか請求されちゃうのかな？
そんなことばっかり考えてたら、もう全然眠れない。
始業時間に会社に休みの連絡をして、上司にトラブルに巻き込まれたと報告したら、
上司が超絶頼りがいのある人で
「警察沙汰のことは俺の胸に閉まっておくから。もしもの時はすぐ弁護士つけてやる」
といってくれて、俺、マジで感謝。
上司の計らいで溜まってた代休を上手く調整して3日ほど休むことにした。
それから、もしものことを考えて、まずは大掃除ですよ。
不要品を捨ててギターとか楽器関係は、誰に譲るかとか手紙にして、実家に運んで保管して欲しいものと、処分していいもののリストをつくって、あとネットで緊急避難と正当防衛の違い、過剰避難と過剰防衛とか調べまくった。

最後はあっけなかった。
事件から36時間後にスーツ男の意識が回復。
ただし、俺を斬りつけたことは覚えてないとか、精神科通院歴があったとかで、俺は代理人の弁護士から説明を受けた上で、カバン代と休業補償その他で50万円。
ついでに「減刑嘆願を……」と言われたけど保留、でも保留してるうちに不起訴処分。
ここで俺自身の修羅場は終わったのだが、マリコの方が問題だった。
マリコは、昼間は携帯電話などのキャンペーンガールの仕事をしてたのは知ってたが、夜はガールズバーの店員をやっていたのが判明。
スーツ姿のストーカーは、そのガールズバーの常連。
マリコは、その男に結構貢がせておいてトンズラ、それで男はマリコを探していたらしい。
で、マリコはこの事件で田舎の両親に生活ぶりがバレたとかで強制送還食らったとか。
（先日、サークルの友人の結婚式二次会に出席して、やっと事件の全貌がわかった）
正当防衛とか緊急避難とかいっても、人間って打ち所が悪いとどうなるかわかんないから、みんなも気をつけてね。