おれは大人になるまでずっとじーさんの大ボラに振り回されてきた。
大人になった今は,なぜ引っかかるのか疑問なんだが,なぜか引っかかてしまっていたんだ。
じーさんの大ぼら話,おまえらにも聞いてほしい。
聞いてくれないか?
おれがおぼえている(記憶に強く焼き付いている)ホラ
①メンマ
②布袋寅泰
③案山子事件
④案山子事件2nd
⑤東海林のり子
⑥東海林のりこpart2
⑦恐怖の豆まき
⑧豆まき前夜
⑨ウラシ豆太郎事件
⑩姥捨て山事件
>>5
おお!ありがとう!
じゃあ①から
①メンマ
小学校中学年位の頃じーさんと小さな中華料理屋で中華そばを食べているとじーさんが唐突に言った。
「メンマが何でできているか知ってるか?」
おれはメンマがじーさんの分ももらって食べるくらい好きだったが,知らなかった。
そう答えると,「メンマは割りばしをラーメンスープに漬けておくとできるんだ」と言った。流石におれは信じられなかった。
続けてじーさんが「今店を出ていったオヤジが食べたラーメンのどんぶりがあるだろ?大将が片付けるところをよーく見ていろ。カウンターの下にあるあのゴミ箱に割りばしを捨てるはずだ。」
大将はどんぶりと一緒に割りばしも裏へ下げた。「ゴミ箱があそこにあるのに割りばしを捨てなかっただろう?それは使い終わった割りばしをスープに漬けてメンマを作っているからだ」
おれは信じた。
小学校中~高学年の金曜の夜Mステを見ていた。
布袋寅泰が歌っているのをぼーっと見ているとじーさんが「ホテイを漢字でどう書くか知ってるか。」とおれに聞いてきた。
テロップまでよく見ていなかったので知らない。と答えるとじーさんがニヤリとして続けた。
「布袋(ヌノブクロ)って書くんだぞ」
当時ガキで無知だったおれは信じず,またいつものホラだな,と聞き流した。
じ「テレビ見ててみろ,本当にそうだから」俺「ハイハイ」と聞き流しつつも気になってテロップに注目していると,なんと本当にヌノブクロでホテイだった。
「本当だ!」とじーさんの方を向くと,「じゃあトモヤスの漢字をどう書くか見てたか?」
苗字の布袋にしか注目しなかったおれは正直に「見ていない」と答えてしまった。
するとじーさんは声をひそめて「巾着(キンチャク)って書くんだぞ。ホテイトモヤスは感じにすると布袋巾着(ヌノブクロキンチャク)って書くんだ。」
おれは信じた。
>>13
ありがとう!ではどんどんいくぞ!
③案山子事件(小学校低学年)
おれの家の前には畑があって,マネキンで作った超リアル案山子が鎮座している。
おれはその案山子が怖くて仕方がなかった。ある夜寝る前にふと窓の外を見ると,案山子のいる畑に動く影が見えた。
じーさんにそのことを伝えると,顔色を変えたじーさんが畑にすっ飛んでいった。
直後,じーさんの叫び声が聞こえてきて,おれは怖くて布団にもぐって震えていた。
30分くらい経ってから戻ってきたじーさんは全身泥だらけで髪や服が乱れまくっていた。
おれは恐怖のあまり泣き叫んでいると,じーさんが畑であったことを語りだした。
「実はあの案山子の中には人間が閉じ込められていて,夜な夜な人間に戻っては畑を荒らしていくんだ。今夜もまた悪さをしよってからに,とっちめてやったわい」
と,案山子が身に着けていた手ぬぐいをおれに向かって放り投げてきた。
おれはその夜おねしょした。
俺と合いそう
登校時,案山子畑の前を通る必要があったが,③の案山子事件以降,人生一の恐怖でしかなくなってしまった案山子の近くを通るのにとても勇気が要った。
毎朝じーさんが畑の前まで一緒に来てくれるのだが,その朝はじーさんがいなかった。朝飯まではいたはずなのに,いつの間にかどこかへ出かけてしまったようだ。
今日は一人で奴に挑まなければならないのか,と思うと足取りも重くなる。
でも進んでいればいつかは奴の前にたどり着く。奴を見据える。
すると,何時もはこちらを向いている案山子が,今日は後ろ向きになっている。おれは,「じーさんの仕業か!」と思った。
その推理はよかったが,次が大きな間違いだった。
「一人で通らなきゃいけないおれの為に,後ろ向きにしといてくれたんだ!」勇気がわいてきたおれは「よっし!」と気合を入れてダッシュした。
その瞬間,案山子が叫び声をあげながらこっちを向いたのだ!なんとじーさんが案山子に化けていたのだ。
おれは失禁した。
・・・ネタだよな?
>>20
いるんだよな
わけのわからない冗談に全力尽くすやつw
俺は好きw
>>20
ネタだったらよかったんだがな…
信じられないだろうが,いるんだよこんなじーさんがおれん家に
報道番組だったか,過去を振り返る番組だったか忘れてしまったが,じーさんと一緒にテレビを見ていた。
するとリポーターが何かをリポートしていた。そのアナウンサーの名前は「東海林のり子」。
名前のテロップが出るや否やすかさずじーさんがおれに読み方を聞いてきた。
おれは素直に「トウカイリン,じゃねーの?」と返した。
じ「ショウジって読むんだぞ,そのくらい知っておけ」と続けた。
よくよくテレビを見ていると確かに,「ショウジさん」と呼ばれている。
なんか小馬鹿にされたようで悔しかったおれは「そんなん学校で習わねーし」とちょっととんがってみた。
じーさんはそんなおれを見て笑いながらこう言った。
「そうか。じゃあついでにこいつも教えといてやる。きっといつか役に立つ。東の海の林と書いてショウジ。それと似たようなのでな,西の山の林と書いてフスマと読むんだぞ」
おれは信じた。
じーさん「東海林のり子は大仏の化身」
>>31
信じるなよw
おれに一生もののトラウマを植え付けたこの事件。忘れもしない幼稚園年長の年だ。許せない。
節分の日,おれはじーさんに豆をもらって楽しく撒いていた。庭には木造の古い蔵があるのだが,蔵の壁に豆をぶつけるととてもいい音がすることを発見したおれは,夢中になって蔵に向かって豆を投げていた。
そのせいで,背後に忍び寄る不吉な音に気付くのが遅くなってしまった。
一息ついた時にふと聞こえた「カッカッカッカッカ」という音。どんどん近づいてくる。
何事かと振り返るとそこには,鬼の面(白い長髪?付)と蓑を付けたサンタの格好をした奴が竹馬に乗って,白い髪を振り乱しながら超スピードでこっちに向かってくる姿があった。
おれは叫び声をあげながら豆を放り出して逃走した。得体のしれない奴が竹馬でこっちに向かってくる恐怖は筆舌に尽くしがたい。おれは必死になって隠れた。
コツッコツッと音を立てながら近づいてくる鬼面竹馬サンタ。「わるいごはいねーがー…とってくっちまうぞー…」と言っている。
ああ,おれはここであいつに食われちゃうのか,と恐怖でいっぱいだった。
すると,竹馬の音もささやき声も突然聞こえなくなった。しばらく耳を澄ましていたが,音沙汰がない。
おれは気になって物陰から出てみた。
そこには,竹馬を肩に背負った鬼面サンタがいた。
おれは脱糞した。
違う年かも
年は覚えていないがとにかく,事件が起きたのは節分前夜。
じーさんがめずらしく台所に立っている。何をしているのかと見に行くと,じーさんがフライパンで豆を素手で乾炒りしていた。
素手をフライパンに突っ込んでザラザラと豆を転がしている。おれはびっくりして聞いた。
「熱くないの?(フライパンが)」
じーさん「熱くねえぞ(豆が)」
おれは当然信じることができなかった。火がついているのに熱くないわけがない(フライパンが)。
「ぜったい熱いよー,だって火ついてるもん」と食い下がったが,じーさんは頑なに熱いと言わない。
平気な顔で炒り続けるじーさんを見て,自分も確かめてみたくなった。本当に熱くないのかを(フライパンが)。
椅子を引っ張ってきて乗り,フライパンの底面に向かって一直線に指を突っ込んだ。
おれはやけどした。
小学校1年生の節分。昨年の節分ではじーさんにヒドイ目にあわされたおれは,今年は豆まきをしなかった。頑なに豆まきをしようとしないおれを見てじーさんは「豆を食おう」と誘ってきた。あれだ,年の数だけ豆を食べると…ってやつ。
それなら驚かされることもないだろう,とおれは誘いに乗った。乗ってしまった。
まず7粒食べた。なんだこの豆は!ウ,ウマイ!毎年律儀に年の数だけ食べてきたが,こんなにうまい豆を出されたのは今年が初めてだ。これがじーさんの罠だったのだが。
「この豆おいしい!もっと食べたい!」
じーさん「もう7粒食ったろう。まあ,あることにはあるが…いいか,もう食うなよ。絶対だめだ。」
とだけ言って,じーさんはどこかへ行ってしまった。ウマイ豆を置いて。
おれはウマイ豆の誘惑に耐え切れず,食べてしまった。5粒も。
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