前回同じ内容で投稿したのだが、もう一度最初から最後まで語らせてほしい。
途中で気分が悪くなった場合は閉じた方がいいです。
特に会計学、法学、銀行員といった専門家は見ないほうがいいです。
中小企業の代表の会計知識とはこの程度のものです。
2011年3月ごろの話になるんだが。親父の経営する会社の社長を引き継げと
打診され悩みながらも承諾した。今思えば本当によく考えてから行動すればよかった。
私もなけなしの300万円を役員借入金として補てんした。
会社がいよいよ倒産しそうなのではという危機的状況に陥っているのは
うすうすながら感じていたのだが、父親との相談の上引き継ぐこととなった。
2011年2月ついに資金繰りがパンクした。
給料が払えないとか言い出す。
25日の給料日と5日の業者支払の買掛金を遅らすようお前らで交渉しろとか
怒鳴り散らす。
このときばかりは自分の父親がすごくみじめで情けないものに感じた。
なんとか建て直しているかのように思えた。
そんなおりに経営者の交代の打診である。
妻に相談するとほんとうにつぶれる寸前だからやめた方がいいと反対した。
私は自分に自答しながらなんとかやってみるよう父親に伝えた。
出資金として2000万円私がだしたように経理上操作していた。
次の日には私が2,000万円の出資金を出しているかのようになっていた
わが社はやめていく人が本当に多い。
50人ちかいの従業員を抱えているにも関わらず三年未満が社員の半分を占める。
過去の失敗が経験とならずに同じことを繰り返しているといった内容を
皮肉をこめて演説した。
初めて会計士に監査を見てもらう。説明を受けるがピンとこない。
わが社の貸借対象表と損益計算書なるものを初めてみた。
経理の女性事務員に聞いても「新社長何も知らないのですね」と馬鹿にされる。
意味がわからない。うちは年商6億ある会社だと聞いている。
月額5,000万の売掛は発生しているはずなのに今月の売掛が1,700万しかない。
あとの3,300万円はどこへいったのか。
なぜエクセルで付けている売掛帳面と会計の報告の売掛、買掛、利益が
合わないのかを会計士に尋ねた。
すると前年度の売上に前倒しで計上しているので今月の売上であっても
計上していないとの回答であった。
ますます意味がわからない。
そんなやりとりをしていると会長が怒り出した。
そんな帳面つけてもなにも意味がない。
大切なことはいつ売掛金が回収できるかといつ支払が発生するかだ。
とかいって怒鳴り散らしている。
その場で会計士さんはとりあえず私はこれで終了しますとかいって帰っていった。
手元には今月の損益マイナス3,000万円とかいう報告書だけが残った。
桃鉄じゃねーんだぞ。なんだよマイナス3,000万円って
そのまま仕事をさぼって本屋に直行した。やさしい会計とかいう内容の本と
わかりやすい決算書の見方とかそういった本を購入したと思う。
翌年度の発生するであろう売掛金を前年度に組み込む。
売掛金と固定資産を水増しする。すごく単純な粉飾決済のやりかただ。
しかしながら回収が翌年のため多額の売掛残が発生する。
そして今年度の売上が前年度で計上されているので
今年度は消し込みしなくてはいけない。当然計上できない。
会長は自分の都合の悪いことを指摘すると騒ぎ出す。
なんにも会話がすすまない
月4,000万の程度の資金移動があるのだが、預金通帳には2,000万円しか残高がない
不要な事業、不要な資産、不要だと思われる人材等をだ。
ひとつひとつ着手していくことを決意した。
まずは社員が何をしているかを把握する必要がある
全てのPCにWEBログをとれるようにした。
ただ単にIEにグーグルのアカウントを取得し常時ログイン状態
にするだけであったのだが。効果は覿面だった。
52歳の課長のPCにおいてWEB履歴を確認すると
「甲子園」とかいう検索履歴がいっぱいあった。「you tube」で
高校野球を勤務時間に閲覧していたのだ。
そりゃ営業もいかずに売り上げもあがるはずがない
最初に取り組んだ人事である。
するとその人は真面目に業務に取り組んでくれた。
私は会社経営において具体的な指示を出すこと、
ダブルチェックが必要なんだと改めて認識をした。
給料と地位を下げたにも関わらずむしろよく働いてくれるようになったのだ。
金銭だけで人は動くわけではないと感じたのだった。
父親は思いつきでプロジェクトを立ち上げていた。
社員はそれぞれにプロジェクトを掛け持ちしておりこなせる状態ではない。
皆が無理という中で、新しい人間を連れてくると言い出した
52歳のさえないおっさんである。せめても若い人材を雇えばいいのに
いつも40代後半とか50代前半とかいっぱいつれてくる
私はうまくいかないだろうと悲観的に考えていたが案の定すぐに頓挫した。
入ったばかりの社員とあの社長ではどうしようもない。
結局200万ほどの売上と180万の支払いが残り終了した。
もちろんプロジェクトに費やした人件費は賄えるはずもない
にもかかわらず、会長は20万円黒字だと言い出す。
20万円は限界利益だ。
限界利益で固定費を賄えるか損益分岐点に達するかを重要視しなくてはいけない
その後その人はそのまま何もすることなく他の人の手伝いをしたり、
誰からも声がかからないと一日パソコンで遊んでいたのだ。
会社組織というのは必ずあぶれるというかどこにも所属しない人間が出てくる。
そういった特例を排除する必要がある。組織の中に組み込みをした。
見せしめではないが、このようなことがあった。
会社のPCはすべてサーバーにおいてWEBログを取っている。
以後勤務時間に私的にWEBを閲覧をすると処罰の対象にすると全社員に通告した。
実際はサーバーなどおいておらず、
IE以外のブラウザで閲覧したら何も問題ないのだがね。
長期借入金についての明細を事務員から教えてもらった。
ていうか代表取締役を引き継ぎするのだから
そのあたりのことは自分から伝えるべきだろ。
自分の都合の悪いことは全く話さない。
ますます先代の会長との確執は深まるばかりだ。
25日は給料日だ。残高を調べる。何度閲覧しても足らない。
どうするんだと会長から尋ねると20日にこれだけ回収予定だから
問題ないと返事が返ってきた。
とにかく現預金がない。一か月分の内部留保がないのだ。
入金が入ってくることを予想して支払いを進める。
これはいわゆるザル式経営というやつだ
これの逆はかの有名なダム式経営だ。
あたかもダムに注がれる水を貯水していくように金を貯蓄していくという経営方針だ。
運用という名目なのもと退職金積立金がそっくりなくなっている。
一応退職金積立金ようの別口座が存在するのだが、
ほぼ残高はゼロに等しい。最近長年に勤め退職した人がいないにもかかわらず。
退職金積立の年次会計報告のない会社の退職金積立は信用に値しない。
企業年金も同様だ。
福利厚生の一環として企業年金を掲げる会社は存在するが、
企業年金は破綻していくのではないかと予想している。
年功序列と終身雇用、充実した福利厚生と企業年金。
こういった会社は、私が還暦を迎えるころ、はたしてどの程度存在しているのだろうか。
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