俺は何を血迷ったのか寝ている姉に対してちょっとした悪戯をしてしまった。そしたら妙な視線を感じて…

普段何かとかまちょな姉に対しては何時も鬱陶しいなって感じで接している。そんな姉も寝ている時だけは静かになる。寝付きも嘘みたいに良く朝なんか遅刻しそうな姉を起こしている所為で学校に遅刻するなんて事もざらにあった。

高校生のある時、彼女も出来ず日々悶々としていた俺は何を血迷ったのか姉に対してちょっとした悪戯をしてしまった。

ネットで少し話題になっていた頭ぽんぽんとか、壁ドン（寝ていたので床ドン）顎クイ、スクールラブ（これは流石に無理だった）

もし自分に彼女が出来た時にしたかった仕草の予行練習を寝ている姉でしながら、自分の動きや所作が気持ち悪くなっていないかをスマホのカメラで録画しながら確認したりしてた。

多分時間にして10分くらいだったろうか。寝ている姉を使って俺は一体何をしているんだと我に返った頃、ふと後方から妙な視線を感じて振り返ると、そこには赤面した面の姉がいた。

何をしているのとか、キモいんだけどとか、何時もみたいにからかってくる様子も無く、ただただ赤くなって押し黙る姉。

違うから！！そういう奴じゃ無いから！！って全力で訂正と否定をしたかったけど、姉が何も言ってくれないからそれも出来ず、結局母親が仕事から帰ってくるまでの間、気恥ずかしい空気の中二人してコタツで過ごした。

そして、夜寝る前に珍しく姉が俺の部屋にやってくると「アンタもシスコンなん？」と聞いて来た。その時には経緯をちゃんと丁寧に説明したけれど、姉はニヤニヤ笑ってるだけで部屋を去って行った。

その翌日、SNSで言いふらしたのか何なのか、姉と関わりのある友人達からシスコンと呼ばれる様になり、夏休みに入るまでの間一月くらいはクラスの中でも渾名として定着してしまった。

この間の同窓会に出た時にまだシスコンなのと聞かれて思い出した黒歴史エピソード。

人間、トラウマとか嫌な記憶は忘れる仕組みになっているとどこかで聞いた事あるけど、マジなんだと知ったわ。