小学生の頃、友達と家の前でママゴトをしていたら知らないおじさん達が物陰に隠れているのが見えた。→近所の大学生のお兄さんが現れた瞬間…

私が小学生の頃、近所に大学生のお兄さんがいて
よく遊んでもらっていました。
その日は、友達と家の前でママゴトをしていたのですが、
いつの間にか２、３人の知らないおじさん達が物陰に隠れて
こちらの様子をチラチラ伺っていたのです。
最初は気味悪く思っていたのですが、遊びに夢中になり
叔父さん達の事などすっかり忘れていました。

しばらくするとお兄さんが通りの向こうからやって来るのが見え、
私達は喜び手招きして待っていると、あのおじさん達２人が
お兄さんの背後につき迫っていました。
私がえもいえぬ恐怖を感じたとき、１人のおじさんが
私達の前に立ち塞がり、コートで目隠しをしたのです。
その直後、「オイ！　○○だな？」「動くな！」「ウルセー！！」
「観念せんかっ！」「うあー！！！」と、怒号とドタバタとが行き交い
お兄さんの「放せっ、ハナセー！！」という叫び声だけが
私達の横を通り過ぎて行きました。

どれくらい時が経ったのかわかりません。
気付いた時には、目隠しをしていたおじさんがコートをはおりながら
「ごめんなぁ、怖かったろう？　おっちゃんら、お巡りさんやねん」
と言うと、私達にガムを一枚づつくれて去って行きました。

当時の私には、あの優しかったお兄さんが何か悪い事をして
お巡りさんに連れて行かれたと理解するのに、かなり時間を要しました。

後でわかった話ですが、お兄さんは数十件にのぼる婦女暴行や
家宅侵入、下着等の窃盗で逮捕されたのだと聞きました。
今でも、ミントのガムを噛むとこの事件を想い出します。