社会人の息子がよく娘を虐めていて夫婦で頭を抱えていたら、父が来て息子にこう言った。

我が家は三世帯同居の大家族
みんな仲がいいが一人だけはみ出し者がいる
それが息子
重度のオタクで銃が大好き
コロナが流行る前は迷彩服を着て戦争ごっこをしに出かけていたらしいが、今は仲間とのやりとりもなくなり、仕事に行く時以外は家に引きこもっている
この息子がまあよく娘を虐める
娘が作ったケーキを一人でたいらげたり、言い間違いをいつまでもネチネチ揶揄ったり、「〇〇ゥ～」と娘の名を呼びながら小突きに行ったりと枚挙にいとまがない
どうにか息子の振る舞いを改めさせようと苦心してきたが、息子をどうにかするよりも娘を離した方がいいとの結論に至り、娘を援助してアパートを借りることになった
ところがネットで検索してアパートの間取りや家賃を知った息子がネチネチと嫌味を言い出した
また娘を贔屓している、と
贔屓ではなくおまえから妹を守るためだと嗜めても聞きやしない
息子からしたら、娘は虐められても仕方のない鈍臭い女だから自分が指摘してやっていたそうだ

仮に娘が失敗をしたとしてもそれを理由にマウントしていい理由にはならないし、叱るのは親の役目だと言っても贔屓だと言い張って話にならない
また何年も昔のことを引っ張り出して拗ねる
娘と息子では扱いに差があるとも言う
娘なら大目に見られることでも息子だと厳しく叱られる、というのが大体の主張だった
息子の言葉を借りるなら「女割引」か？
駄目だ話が伝わらないと夫婦揃って頭を抱えていたら、父がのそのそ近づいてきてこう言った
「〇〇ちゃんの方が楽して見えるから厳しく当たるのか？」と
息子はしきりに頷きながらそうだと返した
父は娘は楽をしてるし息子は苦労してると前置きした上でこう付け足した
「真っ当な人間は生きるのが楽だ」
「真っ当じゃない人間は生きるのが大変だ」
娘が周りから愛されているのは女特有の割引によって贔屓されているからではなく、真人間で信用されているからだ
息子が普段から注意ばかりされるのは社会人にもなっておもちゃの銃を片手に戦争ごっこなんかするからだし、なんなら部屋中穴だらけだし、言動や思想も偏っていて極めつけに自分の妹を虐めるから
息子は女は優遇されていると言うが、それは女が優遇されているのではなく真っ当なことをしない連中が男に多いだけの話だ
父は銀行の帰りに後をつけられて暴行と引ったくりの被害に遭ったことがある
淡々とその話をして、「お門違いな逆恨みをせずに真っ当に生きろ」「この家から出ろ」と諭された息子の顔は必見だった
息子はまだ子供部屋から出て行ってはいないが、娘がいなくなったこともあり以前よりおとなしくなった
しかし、息子のためにも出て行かせる方向で話を進めている

そのはみだし者を作り上げたのは誰だと思う？
仲良しごっこ家族してその息子を諭したのは…なんで祖父？
まぁ他人のご家族をとやかく言うつもりは無いけど、再教育するつもりで息子を手元に残したのかな