Ａさんと連絡がとれないので先輩と一緒に家まで行ったらパトカーが停まってた。部屋に近づくにつれて強烈な臭いが…

もう15年くらい前のことだけど、職場でとてもお世話になっていた50代半ばのＡ部長が早期退職をした。
Ａさんが退職して半月ほど経った頃、どうしても連絡を取らないといけないことが出来て、何度も電話を掛けるのだけど留守電になって出ない、折り返しもない。
そこで家を知っている私と部署の先輩でＡさんに会いに行った。

Ａさんを訪問するとマンションの前にパトカーが停まってた。
「何か事件でも起きたのかな、怖いね」とか言いながらマンションに入って行ったら、Ａさんの部屋の前に制服の警官と年配の女性（後で大家さんと判明）がいて、ドアチェーンを切ろうとしている所だった。
先輩と走って行くと、部屋に近づくにつれ吐き気がするような臭いがした。
ドアチェーンが切れて扉が開くと、酸っぱくて生温いような強烈な悪臭が部屋から溢れてきた。
あ…これ、ダメなやつだ、って思った。

Ａさんはお風呂場で亡くなっていた。
大家さんが嫌がったので、元部下の私と先輩が遺体の確認をさせられた。
腐敗が進んで臭いは酷かったけど何故か顔はきれいでＡさんだとわかった。
それからは応援の警官や鑑識が何人も来たりして色々調べていた。
その後、事件性はなく、Ａさんは脳卒中で亡くなったこと、死後10日ほど経っていたことをＡさんのご家族から教えてもらった。
あの遺体と腐敗臭は衝撃的過ぎていまだに忘れられない。

あと、独身貴族だと言っていたＡさんが実はバツイチで20代の息子がいたこと、離婚の理由がDVで息子とは20年以上会っていなかったことも衝撃だった。