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震災直後の小学校の体育館で、血だらけの手をした小さい女の子が鍋を抱えながらポツンと座っていた。

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474: 04/06/25 00:35 ID:CTwWP5/k

震災の話

震災直後の、ある小学校の体育館で 血だらけの手をした小さい女の子が
ぽつん、と座っていた。彼女はその手に鍋をしっかりと抱え、一点を
みつめ、煤だらけの顔で 一人ぼっちで ただ座っていた。

被害の状況と罹災者を確認していた警官が、あまりの様子に声をかける。
「おじょうちゃん、ひとりなん?家族は?」
問いかけに顔をあげて、女の子はポツポツ話を始めた。

 

475: 04/06/25 00:35 ID:CTwWP5/k

地震が起きた後、倒壊した家の下敷きになったこと。
自分が埋まったところは比較的浅くて、なんとか這い出したこと。
お母ちゃん、お母ちゃんと必タヒで呼んだこと。
倒れた家屋の下から、お母ちゃんが埋まってるのが見えたこと。
お母ちゃんは、その時まだ生きていたこと・・・

お母ちゃんを助けようとして、一生懸命、素手で瓦礫を掘ったけど
材木がいっぱい お母ちゃんの上に乗っかって、どうにもならんかった。
誰か助けて!助けて!と叫んだけど、誰も助けに来てくれんかった。
後ろの家が燃え出して、うちの家にも燃え移ってきて
火がどんどん こっちに来て、お母ちゃんのいる場所にまで火が来たけど
それでも一生懸命瓦礫を掘った。

 

476: 04/06/25 00:36 ID:CTwWP5/k

眉毛もまつげも焦げてきて熱かった。そしたらお母ちゃんが
「もうええから。あんただけでも逃げなさい。」って言うたから。
いやや!と思ったけど、お母ちゃんが怒るから、そこから離れたん。

火が消えた頃、家まで行ってみたら みんな燃えてしもうてた。
お母ちゃんがおったあたりを掘ったら、白い骨が出てきたん。
入れるもんが何も無かったから、近くに落ちてたお鍋に入れて
それから、ここに来たから。せやから、これ、お母ちゃんなんです。

 

477: 04/06/25 00:36 ID:CTwWP5/k
あの震災の女の子は、今頃もう思春期だろう。
今はどこで暮らしているんだろう。
わたしは、あの子になにもしてあげられなかった。
今でも何もできないけれど。こうやって、ときどき人に話すしか
そんなことしか出来ないけれど。

 

480: 04/06/25 00:49 ID:FQMGqV0u
>>474
なんかスマソ
地震って怖いよね。時々不安になる。

 

481: 04/06/25 00:52 ID:CTwWP5/k
>>480
いんや、読んでくれたら、それだけでええんよ~!

 

482: 04/06/25 00:57 ID:lqCY10px
>>480
はだしのゲンの実写版みたいやなぁ(ノД`)

 

483: 04/06/25 01:12 ID:ORZ6Hx2b

>>480
こないだ焼肉にいったときウインナーが焦げてはちきれてたので
「おい、このウインナはだしのゲンみたいになっとるやんけ!だれか食わん?」
と言ったら
「広島出身のわしには微妙じゃのう」
と言われた。

失言でした

 

484: 04/06/25 01:13 ID:xf9ZDDQN
>>483にはちょっとムカついたがIDがorzなので許す!

 

503: 04/06/25 09:32 ID:mckZh1mk
>>474の話、微妙な関西弁が気になってしまう

 

507: 04/06/25 16:35 ID:nUnDHLUV
>>503
でも神戸弁として間違ってないから気にならないなオレは。
間違った方言使った文はものすごい気になるけど。

 

494: 04/06/25 02:26 ID:CTwWP5/k

お盆も近いので、もういっこ、これは遠縁の人の話なんですが・・・

第二次世界大戦中、大阪大空襲でのこと。
運悪く第一波の攻撃で、空襲警報が聞こえたときには、もう隣家が燃えていた。

燃えながら倒壊する隣家に押されて、自宅が半壊になった。
雪崩式に倒れていく自宅を横目に見ながら、妻を捜したが、庭にはでていない様子。

 

495: 04/06/25 02:27 ID:CTwWP5/k

もう逃げたのか?と半ば探すのをあきらめかけた時
倒れた自宅家屋の中に妻を見つけたが、太い梁の下敷きになって とうてい救い出せそうもない。
妻はまだ息があるが、火の手はどんどん迫る。

このままだと、妻が生きながら焼かれてしまう。そんなのは惨すぎる。
そう思った夫は、庭にあった大きなシャベルで 妻の頭を力いっぱい殴った。
何度か殴るうち、妻はタヒんだ。

妻がタヒに、近くに頼る人も無いので、夫は中国地方の親戚を頼って疎開した。
戦争が終わり、焼け野原の自宅に戻ったとき、隣家の主人と再会した。
「御家族は大丈夫でしたか?」共に尋ね合った。

 

496: 04/06/25 02:27 ID:CTwWP5/k

隣家の主人は嬉しそうに話し出した。
家が燃えて倒れたとき、妻が家屋の下敷きになって、もう助からないと思ったのだが
火がまわってどんどん妻の周りの木材が燃えて、燃えた結果軽くなったのか
案外簡単に妻を引き出すことができた、と。

夫は自分で妻をころしたことは誰にも言ってはいなかったが、生きながら焼かれるよりは・・・と
それまで自分のしたことに後悔はなかった。隣家の主人の話を聞くまでは。
あのまま、もう少し待てば妻は助かっただろうか。オレはとんでもないことをしたのだろうか。
おれはおれはおれは・・・・

その彼が正気に戻ったのは、戦争が終わってから3年たったころ。
何を話しかけても答えない、抜け殻のようになって3年。
彼を引き取った親戚に泣きながら この話をしたそうです。
誰も彼を責めませんでしたが、彼は一生 再婚することもなく過ごしたそうです。

 

762: 04/07/02 16:07 ID:TWJqNoPc
今気付いた。
>>494の話……芥川龍之介の「疑惑」にそっくりなんだ。
小説の中では明治二十四年の濃尾地震の話と書いてあった。

 

764: 04/07/02 18:16 ID:irgysAc3
>>762
個人的には歯車が良いと思います。スレ違い失礼…。

 

498: 04/06/25 07:02 ID:lRs2+Zjs
考えさせる話が続いたな。俺は引きこもりだけど、きっと幸せなんだと思ったよ。

 
 

 

 


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引用元: https://life5.5ch.net/test/read.cgi/kankon/1087313251/

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