ある日出会った女性は、好きなものは馬鹿にされようが呆れられようが全身全霊で「好き！」ってのを表現する人だった。

好きなものでも、子供じみてるとかカッコ悪いとかで好きって言えないことってあるじゃん？
例えば小学生男児がプリキュア好きだけど、周りに馬鹿にされたり笑われたりするから興味ないフリするみたいな。
俺もそういう男子の一人で、プリキュアじゃないけど、周りがとうに卒業したものが結構大きくなるまで好きだった。
大人になっても子供じみてるって言われる趣味はひた隠しにしてたんだけど、
ある日出会った女性は好きなものは馬鹿にされようが呆れられようが全身全霊で「好き！」ってのを表現する人だった。
周りにディスられてるのを見て、その人に「好きなものバカにされるのつらくない？」と聞いたんだ。
そしたら、「周りの目を気にして好きなものを全力で楽しめないほうが嫌！私が幸せになるために他人の意見なんて関係ないし！」って言っててさ、
あぁ、好きなものを全力で愛することって誰かに邪魔されることじゃないんだって思ったら吹っ切れた。
それからは自分が好きなものは好きと表現するようになった。
俺の生き方を変えてくれた女性とはお互い好きなものの話をするんだけど、俺がガンダム好きで相手がガンダム1ミリも知らないのに、俺の話をすごく楽しそうに聞いてくれて、
オタクの自分語りキモくない？と聞いたら「え、オタクの人の話ってすごく面白いよ？知識も豊富だし裏話も聞けるし、好きって気持ちが溢れてる話は大好き」と言ってくれた。
プラモなんか一緒に売ってる店探して売り切れる前に確保してくれて、面倒かけてごめんと謝ったら
「宝物手に入れたみたいな顔見るの大好きなの！ごちそうさま！」と言われた。
お互い結婚した今でも関係が続いてて、今では戦友みたいなかんじ。
俺の妻に彼女との付き合い嫌な気しない？と聞いたら、「あの人、自分の好きなもの以外眼中にないじゃない」と言われた。確かに。
彼女の配偶者に挨拶したときに俺との付き合いについて嫌な思いしてないか聞いたら、
「家でいつもあなたから教えてもらったオタ知識嬉しそうに披露するんですよ。妻が楽しそうなのが一番だから」と言ってた。
お互い理解ある配偶者と心の友に出会えて幸せだ。