小学生のとき、いじられるとすぐ泣く子が朝の一分間スピーチで「き、昨日ジャンプを読みました、面白かったです」と言った。すると…

小学生のときに
朝の一分間スピーチが順番にまわってきた。
面倒だけど、クラスメートの日常の話が面白くて楽しみだった。それに対して質問する時間もあった。

ある時、男子の中で いじられてすぐ泣く子がスピーチだった。オドオドしながら 「えっと…き、昨日ジャンプを読みました、面白かったです」とだけ言った。短かったけど質問タイムになった。
クラスで一番背が高いいじめっこが
「ジャンプの何号ですかー、何を読んだんですか？」と聞いた。
泣く子オドオドして 何号か言うが
いじめっこ「それはまだ出てない号ですー嘘じゃないんですかー？」
と言い出した。 なぜそんなことで嘘をつくのか いじめっこはなんでそんなことを言うのかわからなくてハラハラして見守った。
(続く
)

(続き)
彼は泣きながら
「嘘でした、ごめんなさい」と言った。
いじめっこはなおも「なんで嘘をついたのですか？」など言っていたが 担任が「何か読んだんだよな」みたいなことを言って収めていた気がする、うろ覚え。
何故そんな嘘をついたのか 疑問に思いつつ、月日が流れた。
そして 大人になって 知り合った人が彼の近所に住んでいたことを知った。
彼の家はとある新興宗教をやっていて しょっちゅうその仲間の信者さんが出入りしていたと。

もしかしたら
彼は子ども時代 漫画雑誌は買ってもらえなかったのではないだろうか。それで男子の中でもうまくコミュニケーションが出来なかったのでは…そこまで考えて胸が痛くなった。
嘘でも 他の男子みたいに振る舞いたかったのかなと。