『ケーキの切れない少年たち』のような子のお世話係をさせられてた。「どうして道徳に反することを抵抗もなくできてしまうのか」って理解不能だった。

ケーキの切れない少年たち
数年前に本を買って読んでたけど、今漫画版が無料で読めるからあらためて読んでみた。
私自身はIQは平均より高いものの、健常者に擬態してる軽度自閉症で、道徳に反することができないという融通の効かないところがある。
ただ、学生の間はその性質のせいで模範生といわれていて、ケーキの切れない少年たちのような子のお世話係をさせられてた。
他人の心の機微に疎い自閉症の私がお世話係になったところで少年たちの考えがまるで理解できなくて、すごくストレスを溜めて病んでた。
何より、「どうして道徳に反することをこれほど抵抗もなくできてしまうのか」ということが本当に理解できなかった。
だから、この本と漫画を読んだときには色々と気づくことが多かった。
犯罪を犯した少年は、自分が何故その犯罪をやったのか理由が述べられなかったし、罪の重ささえ自覚できてなかった。
私はお世話係させられてたから、「イライラする」という理由だけで歩いてる時に突然後ろから突き飛ばされたり、
水泳の授業中に更衣室に忍び込まれて服を全部盗まれたこともある。
だけどやった本人は私を突き飛ばすに至った理由も説明できないし、私の服を盗んだことに対する罪も認識できなかった。
ずっと、自分に好意的ではない私が気に食わない、私がウザいのが悪い、模範生の私とずっと席が隣なのがバカにされてるように感じる、イライラさせられる自分の方が被害者だと言い続けてた。
最終的に私がお世話係してた少年は私に性的暴行を加えようとしたので学校から消えたけど、どこかの施設で本で見たプログラムを受けたんだろうと思う。
1年ほどして彼から一度だけ謝罪の手紙が来たけれど、
私が彼のことを無条件で受け入れてくれないことが気に食わなくて困らせてやろうと思って嫌がらせをした。大変身勝手だったと書いてあったらしい。
ネットでもよく自分に何もしない人に対して、何もしてくれないことに腹を立てて、だけど本人はその理由を理解できずに一方的に相手が悪いと攻撃してる人もいるけれど、
プロが何ヶ月もかけなければそれを理解させることができないんだから、
ど素人の私達が彼らを理解することは困難だし、彼らが現実で犯罪を犯さないよう画面越しに呼びかけたって、
本人たちが犯罪者寄りの思考してることを自覚してないし、犯罪行為の罪を自覚できないから、無意味なんだろうなと感じる。

どんな家庭環境だろうと被害者には関係ない