某結婚相談所で
2年婚活を続けて、ようやく婚約することができた。
随分てこずったよ。
ただでさえモテない俺が
結婚相手に「ある条件」をつけていたから
苦労したんだと思う。
しっかり釘をさして
いざというときは、駆け落ちしようと
打ち合わせをしておいた。
ところが、いざ紹介してみると
なんと父とA子が意気投合。
そのまま、夕食になったわけだが、
父とA子が酒を飲みかわしていた。
一方で俺は酒は飲まない。
父
「こいつはな、絶対に酒は飲まないんだ」
A子
「飲みなよ~、お父さん、子供と一緒に飲めないから寂しいよ」
父
「無理だ、飲んだ俺を見てるからな」
A子
「あははは、おいしいよ~」
そのまま、2人で俺の悪口大会を始めるものだから、
俺はブチ切れてその場を去った。
A子を実家に残すことになったわけだが、知るか。
次の日、俺はA子に電話をした。
なんで俺が酒を飲まないかを説明したんだ。
父が、酔って暴力を振るったりあちこちを汚したりする人間だってこと。
俺や母の誕生日でも、
自分が飲みたいから飲み屋に連れていくこと。
(俺が子供にもかかわらず)
それで家族の信頼関係が無くなっていて、
特に母が苦労していること。
そんな苦労を、これから作る家族にかけたくない、ってことを
A子に話したんだよ。
そうしたら、A子の反応は、
「要するに、あんたマザコンだったのね。
もう会いたくない。婚約解消よ」
そう言って切りやがった。
こんな女、こちらから願い下げだ。
そう思っていたのだけれど、俺は大ポカをやった。
このA子を着信拒否しなかったんだ。
1カ月ほどたって、
A子が連絡してきたんだ。
「妊娠していたから、やっぱり結婚したい」
「今さら?婚約解消言い出したのはそっちだろうが」
「あなたの子よ」
まあ、「心当たり」はある。
「都合のいい妊娠だな。お前、妊娠した身体で飲んでたことになるじゃないか」
「そのときは気付いていなかったの」
「信用できるか」
「本当よ。診断書をラインで送るよ」
数分後、それが届いて、どうやら本当に妊娠しているようだったから
俺はA子と、その両親に会ったよ。
まずは、A子両親に、
婚約解消までの経緯を説明した。
そして、俺は復縁する意思がないことを言った。
だけどA子両親は、
それでも結婚してほしい、無理ならせめて認知はしてほしいと言ってきた。
『結婚しないが、認知はする』という選択肢は、
真っ先に外した。
このA子が育てた子供も信用できない、
そんな子の父親になるつもりは毛頭なかった。
だけど、わずかながらに、再構築したいという気持ちはあった。
それに、家族生活への憧れもあった。
だから、俺は結婚にあたって条件をつけた。
・俺父とは絶縁すること。
・子供が産まれたらDNA鑑定すること。
俺の子ってことが確認できたら結婚と認知する。
・今後一切酒は飲まないこと。
・子供にも飲まないよう一緒に躾をすること。
・以上の条件を破ったら離婚、子供の親権は俺が決定すること。
それだけ注文をしたら、
A子父は怒りだした。
「そんな条件、守れるか!」
「何度でも言うが、言ってはいけないことを言った挙句
一方的に絶縁を言い渡しておいて復縁したいと言ったのはそちらです。
それに対し、謝罪と妥協を要求して何か問題でもありますか?」
「限度ってものがあるだろう。謝罪と絶縁だけで充分だ」
「では、話すことはありません」
「わかった。考える時間を一日くれ」
俺はA子の家を立ち去った。
そしてその日のうちに回答がきた。
条件を飲むって。
そしてA子は無事出産した。
すぐに俺はDNA鑑定したよ。
その結果、産まれた子供は、俺と血縁関係あり。
だけど、
俺母とは血縁関係なし。
そのココロは、
この赤ん坊は俺父とA子の子ってこと。
A子を両親に紹介した日だったと、白状した。
俺と子供に血縁関係はあるって鑑定結果が出るに決まっているから
バレないだろうという読みだったんだろうな。
もっとも、A子は往生際が悪くて、
「違うの!私は強制こう為されたの」なんて言う。
嘘付け、あの日の翌朝電話したら元気だっただろ。
「実家にA子を放置した君も悪いんじゃないのか」とA子父。
だからといって、やっていいわけないだろ。
それに、認知や結婚する理由にはならん。
俺は両親も呼び出し、状況を話した。
父に至っては、
「酔っぱらってやったことくらい、許せ。
お前はそういう寛大さが足りん」
その言葉は、はるか昔から、耳にタコができるくらい聞いた。
本当に俺の子だったら、
再構築に向けて努力するはずだったんだが・・・
そして俺両親も離婚。
父は、
「自分の家族を壊して楽しいか!」
と、ほざいていたよ。
その後、母は収入がなかったから、
俺が面倒を見ることになった。
父やA子、その赤ん坊がどうなったかは知らない。
慰謝料も請求していない。
2度と顔も見たくなかったから。
まあ、気付いたとは思うけれど、
冒頭で書いた、結婚相手への「ある条件」ってのは
酒を飲まないこと。
学生時代や、職場でもアルハラで相当悩まされた。
だから、自分の家族には絶対に加害者にも被害者にもなってほしくなかった。
幸せな家族をつくるための、健全な子供に育てるための条件だったのに。
それを結婚のために妥協した結果がこれかと思うと
ものすごくむなしくなってくる。
つらいだろうけど
そんなに飲む人間が嫌いなら
婚約前に試しに飲ますとか
しなかったの?
「飲む女」に当たったことじゃなくて
「裏切る女」に当たったことだと思う。
仮に主が飲んだとしても
女は裏切ったんじゃないかな。
まあ、世の中そんな女ばかりじゃない。
婚活、1からやり直して頑張ってください。
>>805
試したよ。
バーに俺の奢りで連れていったけど、適量を弁えていた。
飲み放題の居酒屋に俺の奢りで連れていったけれど、適量を弁えていた。
3回目は、俺の奢りと言わず連れていったら、A子から奢ると言って、やっぱり適量。
それで信用してしまったが、完全に猫をかぶっていたということ。
>>806
俺だって結婚できると思いたいが、
現に失敗しているんだ。
相談所に登録して6カ月で、
選択肢を増やすためにも条件を外すよう言われたけど、
頑なに断った。
1年で、ようやく外した、その挙句がこれ。
>>807
1からやり直すモチベーションが、今はない。
まあ、もしやり直すなら、今度は徹底的に飲まないことに拘るつもり。
この記事へのコメントはありません。