相撲部の俺は障害物競争でまわしを着用して走っていたんだが、いつの間にか下半身丸出しになってて…

俺の修羅場は中一の体育大会。
うちの中学は部活対抗障害物競争という種目があって、各部ユニフォームで参加しなければならず、相撲部の俺は上は体操服に下はまわし着用だった。
ちなみに俺は父親が顧問と知り合いという理由で半強制的に相撲部に入れられたただのデブで、当然運動音痴。
第一走者の俺は陸上部や野球部やらのスポーツマンに置いていかれながらも必死に走っていたところ、周りの悲鳴が聞こえてきた。

続いていつの間にかまわしがほどけて下半身丸出しで走っていたことに気付いて立ち尽くしてしまった。
まわしを回収しようにもどこにあるかわからず、進んでも戻っても周囲の生徒に囲まれて逃げ場がないとパニックになるうちに視界が歪んで気絶してしまった。
後にも先にもパニックで気絶したのはこのときだけ。
気付いたときは保健室で先生と保健委員に囲まれて、下は何も着けてないままだった。
顧問がズボンとパンツを持ってきてくれて、履き直して自分の組の場所に戻ったらみんなに拍手で迎えられて何故か涙が止まらなくなった。
それからからかわれることもなく、女子なんか優しく励ましてくれたりして逆に辛かったけど良いクラスだったんだろうな。
競争は俺が運び出された後も続いて相撲部も競技を続けたけど当然ビリだった。
泥を塗ったという名目で部活はやめたけどさすがに顧問も親も許してくれた。