一組目と二組目が楽しそうにキャーキャー言いながら帰ってくるととうとう俺の順番が回ってきた
田村さんが可愛い声で怖かったと言っていたので少しだけちびりそうになった
今思えば友達のいなかった俺は夜間に外出することなど一回もなかったので、あんな時間に散歩をしたのは始めてだったような気がする
歩き始めてすぐになるほどこれは確かに怖いなと思った
なぜなら道には外灯が殆ど無く、たまにある明かりが公衆電話だったりしたので更に恐怖心を煽られた
正直言って怖かったので途中でコースカットすることも考えたのだが、コースカットはコースカットで怖いのかったので正しい道を恐る恐る道を進んだ
肝試しも終盤に差し掛かった頃だっただろうか、俺は背後からガサガサと物音がなるのを感じ取った
ビビったが猫だ猫と自分に言い聞かせ後ろを見ずに前へ歩き続けた
俺と同じビビりなら分かると思うが、夜道で後ろを振り向くのはなんか怖いだろ?
当時の俺もそんな感じでガサガサは気になっていたが振りむけずにいた
すると、しばらくしてガサガサと鳴っていた音が急に鳴りやんだ
俺はどうしたんだろう思い、怖かったが無性に気にもなってしまった
凄く怖かったが自分の中で好奇心と恐怖心が対決し結果的に好奇心が恐怖心に勝ってしまった
そして俺は恐る恐る後ろを振り向いた
遠くの方に白い服を着た女がいた
最初は吉井か?と思ったが良く見ると吉井ではなかった
遠いので顔は良く見えなかったが明らかに吉井ではないことを俺は確信した
白い女は痩せていた
俺は固まった、白い女も固まっていた
しかし、直後白い女がなぜか猛ダッシュで俺に向かって走り出した
当然俺も猛ダッシュで逃げた、100メートル16秒の快足で風を切るように無我夢中で走った
しばらくすると前にコテージの姿を確認することができた、コテージの前で田村さんたちが笑顔で手を振っていたが俺には手を振り返す余裕なんてなかった
無我夢中でコテージまで走り切った俺は田村さんたちに口早に
「腹が痛いので部屋にいます」と言って自室に戻り震える体を布団に包んで泣いた
しばらくすると心配をしてくれたのか田村さんが部屋を訪ねてきた
田村さんは心配そうに声をかけてくれたが、恥ずかしくて泣き顔は見せられなかったので布団の中から返事だけを返した
今思うと声で泣いてることなんかばれてたんだと思うけど、当時の俺はそこまで頭が回らなかった
三十分くらいすると今度は佐倉先生が部屋を訪ねてきた
なんか聞いたことのない位優しい口調で
「花火するぞ」って言ってきた
俺はお腹が…と言って抵抗してみたが、業を煮やした佐倉先生に布団を剥ぎとられて半ば強制的に外まで連れて行かれた
外にいくと皆が笑顔で俺を迎えてくれた、顔は涙でぐしゃぐしゃだったけど
それから佐倉先生が花火を持ってきて皆で花火をした
俺は終始ビビりまくって隅の方で辺りを警戒しながら花火をしていたけど、みんなは楽しそうに花火をしていた
佐倉先生は「もう若くもないからねぇ…」と言いながら俺の横にちょこんと座って蛇花火をしていた
二日目はそんな感じ、花火が終わったら俺は怖くてすぐに寝た
白い女の正体は未だに分からない、もしかしたら佐倉先生だったのかもしれないけど恥ずかしいので未だに聞けないでいる
>>538
え?
>>538
えっ
三日目は特に書くことがない
昼までは適当に談笑や写真撮影などをして、お昼過ぎには地元に帰った
集合写真も撮った、俺は嬉しくて部室に飾った
楽しい合宿はこんな感じに終わった
そして俺たち天文部は部の存続をかけて学園祭への準備を始めた
合宿から帰ってくるとまたいつもの天文部の生活が始まった
朝一人で学校に向かい、昼までは部室で勉強
昼過ぎに佐倉先生が来てからは二人でビデオを見たりゲームをしたりとまぁそんな日々がしばらく続いた
たまに佐倉先生が来ない日は一人で一日を過ごすこともあったが、俺は気にせずお盆休み以外毎日天文部に通った
友達と遊んだりは特にしなかったけどなんか毎日が楽しかった
一回だけクラスのやつらが集まってるのを目撃した、なにやら学園祭の準備をしているみたいだった
流石にもう泣くことはなかったけど、俺は忘れていたことを思い出した
そういや学園祭の準備全くしてねーぞ
そんな大事なことをお盆が終わり夏の日差しが若干弱まった頃になってようやく俺は気がついた
合宿の楽しさで忘れていたが天文部は現在いつ廃部してもおかしくないような状態
正しく言うと学園祭で発表をしなければすぐに潰れてしまう弱小部だ
学園祭は九月の上旬、二学期開始直後
俺は慌てて佐倉先生に電話をした
やばいおもしろい
仕事そっちのけで、このスレ張り付いてるわ
>>1って今も学生さん?
>>560
今は大学生
「先生、今すぐ部活に来てください」
「だるい」
「アイス買ってあげますから」
こんな感じのやり取りをしてとりあえず怠け者の佐倉先生を部室に呼んだ
佐倉先生は本当に嫌そう顔をしていたけど、問題が問題なので俺は勝手に説明をした
「このままじゃ天文部がなくなります」
「んなわけあるか」
「あります」
「合宿した」
「学園祭は?」
佐倉先生はそういえばみたいな顔をしていた
合宿中の写真うp!
>>570
俺は集合写真しか持ってないからうpはきつい
そして次の日から生徒一人先生一人の天文部で学園祭に向けての準備が行われた
話しあった結果、吉井さんが所属する調理部と合同で喫茶店のようなものをやることになった
詳しく説明すると、空き教室を暗幕で暗く簡易プラネタリウムで星を映し出す
そして調理部が作ったクッキーなどを出しお客さんに良い感じに休憩してもらうという物だった
先生の提案でキャンドルも作って安値で売ることにした
次の日から、衣装や調理に必要な材料などの買い出しに俺は勤しんだ
買い出しはきつかったが、生まれて初めてまともに参加する学園祭に俺は少しワクワクもしていた
買い出しを済ましてからは佐倉先生と一緒にキャンドルを作った
しかし、佐倉先生は売れ残るとかそういうことを気にしないでたくさん作っていたので、俺は数を調整するために飲み物等の買い出しに走ることもしばしばあった
調理部の試食もした、といっても佐倉先生への差し入れを頂戴しただけなのだが
そんな感じで夏の後半は佐倉先生と二人で学園祭の準備を頑張った
九月になり新学期が始まるとまた辛い日々が始まった
同級生達の黒い肌とチャラくなった頭髪、楽しかった夏の思い出が聞こえてくるたびに俺の心は締め付けられた
ガリデブの頭は以前にもまして鋭く尖り重力に逆らい、肌は真っ黒でこの夏の充実を見せえつけられているような気分になった
俺はこの日久しぶりに寝たフリをして午前中を潰した
授業が終わるといつものように昼飯を食べ図書室にもいった
図書室につくと田村さんが合宿での集合写真と俺と佐倉先生のツーショット写真をくれた
俺は嬉しくなり久しぶりに火の鳥を読んだ
しばらくすると部室に行った
佐倉先生がキャンドルを作っていたので一緒にキャンドルを作った
特に会話はしなかった、黙って二人でキャンドルを作り続けた
佐倉先生に写真も渡した、なんか嬉しそうだったから後日部室に飾ることになった
そうこうするうちに学園祭前日を迎えた
学園祭前日は午前中から授業がなく、学園祭の準備の日に当てられていた
そのため、俺は朝学校に行くと教室にはいかず部室に荷物を置きに行った
教室ではクラスのやつらがクラスの出し物を準備しているだろうから行かなかっただけだ
俺がいても邪魔なだけなのはわかっていたのでこの判断に至った
天文部が使う空き教室に行くと、誰もいなかったので一人で準備を始めた
しばらくすると佐倉先生が教室に来た
先生は俺を見つけるとびっくりした顔をしていたがすぐに
「相変わらず一人かよww」
と笑って作業を手伝ってくれた
俺も「相変わらずってなんですかww」とか言って笑って対応しながら作業を続けた
作業と言っても教室中に暗幕を張って、机を並べてテーブルクロスをかけるくらいだからすぐに終わった
内装を準備し終えてからは試しにプラネタリウムをつけてみた
本物には負けるけど結構綺麗で感動をしたのを覚えている
そのあとは教室の外につける看板とを二人でせっせと作った
今思うと佐倉先生は黙って手伝ってくれたけど、本当は教師がするような仕事ではなかったような気がする
二人で不器用に看板を作ったけどなんか楽しかった
看板が完成してからは翌日の学園祭に向けて練習をした
調理部と合同ではあるもののあちらはお菓子の製作担当なので、接客に関しては天文部が担当しなければならなかったからだ
俺と佐倉先生は似合わないエプロンをつけて二人で客役と店員役を回して下校時間まで練習をした
>>619
練習風景想像してきゅんきゅんした
その日の夜は本当に眠れなかった
学園祭に参加するのははじめてだったし、学校でなにかをするのも初めてだったからだ
その日は久しぶりにSOS団もこんな感じに文化祭を迎えたのかなぁ、とラノベ脳明日の楽しい一日を考えながら妄想して寝た
翌日は学園祭初日の校内発表、俺の人生で忘れられない一日が始まろうとしていた
実に楽しそうな高校生活だな
からよくここまで来たなーwwwww
学園祭初日、俺はワクワクしながらいつもよりも三十分早く学校に行った
学校にはすでに生徒が溢れていていつもと違う空気を肌に感じることができた
その空気に俺も自然と浮足だったが、まずは義務的にホームルームを受けなくてはならないのでクラスに向かった
クラスに行くといつの間にかクラスの内装が段ボール張りの小汚い喫茶店に早変わりしていた
俺の机は撤去されていて仕方がないので床に座ってホームルームを待った
なんかクラスのやつらが俺を見てヒソヒソ悪口を言っていた
普段は関わろうともしないくせにイベントごとでさぼられるのは気に食わないらしかった
俺が関わったら関わったで悪口を言うだろうに、そんな感じで俺は寝たフリをして時間を潰した
しばらくすると担任がきてホームルームを始め、簡単な言葉を述べ職員室に戻って行った
ホームルームが終わると、俺は荷物をまとめ足早に部室に向かった
クラスを出るときクラスのやつらの悪口がまた聞こえたが気にせず教室をあとにした
今思うとこれが原因で佐倉先生を悲しませることになるのだが、俺はこの時気づきもしなかった
部室に着くと荷物を置きエプロンを着用し準備を始めた
部室からキャンドルを運んだり、少し接客の練習をしたりとまあそんなところだ
それからしばらく教室で待機していると、佐倉先生が来たので一緒にエプロンをつけて準備をした
佐倉先生が来てからは調理部のお菓子を運んだり、ジュースとコーヒー等の飲み物類の準備を済ませた
かくして、天文部の学園祭初参戦は始まった
「天文部カフェどうですかー!!」
佐倉先生が大きな声を出して接客を始めた
「い、いらしゃー…」
俺は良く分からない言葉で接客をした
校内発表なので本来皆身内なのだが俺にはそんなもの関係ない、全員他人だしほぼ女子だから全員宇宙人だ
声をあげて接客なんてできるわけもない
しばらくすると佐倉先生効果もあってかお客がパラパラと入り始めた
そうなると二人しかいないので自然と分担をすることになり、佐倉先生がウエイトレス役となり俺はお菓子の盛り付けやジュースの準備、キャンドルの販売係に落ちついた
どうやら聞いていた通り佐倉先生は生徒から人気があるらしく、「さくちゃんきたよー」とか声をかけられながらドンドン客を拾いバンバン客をさばいていった
調理部のお菓子も盛況で午前中はなかなかの客入りとなった
キャンドルも女子が多いうちの学校なので「可愛い!」とかで結構売れた
しかし、校内発表ということもあり初日は参加人数自体が少なかった
そのためお昼になるころには客足も落ち着き、俺も接客に慣れてきたことから一人で店をやりくりしていけるくらいにはなっていた
そこで俺は佐倉先生に「さくちゃん、休憩してきたらどうっすか?」とか祭り効果で浮かれて提案した
腕つねられたけど
そんな感じで佐倉先生は休憩がてら昼食をとってくることになり、店には俺が一人残ることになった
俺が一人になってしばらくすると、すっかりDQNになったガリデブがクラスの女子数人を連れて天文部の喫茶店に訪れた
しかし、運が悪いことにその時店にはガリデブ達しかいなかった
俺は嫌な気持ちもあったが、大人な対応としてガリデブ達を接客した
ガリデブ達は終始ニヤニヤしながら、「サボり野郎が接客してるよww」とか悪口を言いながら笑ってた
イライラしたけど俺は我慢した、確かにサボってるけど恥ずかしいことは何一つしてないと思ったからだ
ガリデブ達はニヤつきながら適当な飲み物とお菓子を注文した
俺は注文を受けると黙ってオーダーの準備に取り掛かったが、その間もガリデブ達は悪口を言っていた
準備を終えガリデブ達の元にオーダーを届けるとガリデブ達は更に笑った
「このジュース大丈夫なのか?ww」
「腐ってんじゃねーのww」
とか本当に幼稚なことを言いながら嬉しそうにこっちを見ていた
俺はその間、無表情で黙って次のお客を待ち続けた
「この菓子まずww」
ガリデブ達が不意に大声を出してそういった
ガリデブ達は調理部のつくったお菓子を笑い始めた
「うわ、まじだ甘すぎるだろwww」
「なにこれ、お腹とか大丈夫かな?」
とか適当なことを食べていない奴らまで言い始めた
俺は堪忍袋の緒が切れそうになって、でも佐倉先生と作った学園祭と天文部を守りたくて必死に歯を食いしばった
ガリデブたちがいる時間は本当に苦痛だった、いつもの悪口ならまだしも他人を貶したのが許せなかった
ガリデブ達はたっぷりと時間をかけてジュースを飲むとニヤニヤしながら席をたった
俺はああ、やっと解放される
そう思った
しかし、ガリデブ達は何を思ったのかキャンドルコーナーに近づいて行った
俺はポカーンとしてた
なに、こいつらまだいるの?ってこんな感じだった
ガリデブ達はキャンドルコーナーにいき、キャンドルをニヤニヤと気持ちが悪い目つきで舐めるように見ると手に取り
「うっわ、なんだよこれ気持ちわりいwww」
と言った俺の堪忍袋はもう切れ目が入り始めていた
尚もガリデブはキャンドルを貶した、佐倉先生が作ったキャンドルを酷い言葉で何回も貶した
「買わないなら置いて出ていけ」
俺は怒りを抑え精一杯の言葉を絞り出してガリデブ達に退出を促した
「ああ、わかったよwww」
直後、ガリデブはキャンドルを適当な感じに机に投げた
気がつくと俺はデブの顔を殴っていた
やめろ!お前が殴ったら天文部が危ないだろ
ガリデブは俺がやる!
>>720
待て俺が!
それからの事はよく覚えていない
記憶にあるのは、切れたデブが俺を殴り倒しキャンドルやら何やらを壊しまくったこと
たくさん先生が来て職員室に運ばれたこと
もう明日の学園祭には参加が出来なくなってしまったこと
俺はやってはいけないことをことをしてしまった
殴ったら殴ったで後悔する事になるからな。仕方なかったんだよ・・・
職員室に運ばれてから数時間、学年主任から事情聴取みたいなことをされた
俺は状況を一から詳しく説明し、自分に非があることも素直に認めた
処分に関しては後日通達するとのことだったが、俺の顔面が血だらけだったこと、教室がぐしゃぐしゃだったこと、後は第三者の目撃条件などからガリデブ達に原因が大きいということは判明していたので停学などの大きな処分にはならないということだった
しかし、翌日は自宅謹慎を命じられた
学園祭への参加は教室の状態もあって不可能となってしまった
この日俺は佐倉先生に謝ることもできないまま自宅に帰り
一人泣いた
翌日は死人のようにベッドに横たわったまま動かなかった
時計を見るたびに本当なら今頃って思いが頭を巡って何度も泣いた
佐倉先生にどんな顔をして会えばいいんだよと思ってまた更に泣いた
学園祭一般公開日、俺の初めての学園祭は最悪な形で一日を終えた
次の日俺は普段通り学校に行った
いつもと同じ時間に登校し、いつもと同じようにクラスに入った
しかし、クラスの雰囲気はいつもと違った
教室に入ると皆が俺を見た後にヒソヒソ小声でなにかを言っていた
たまに普通に「良く学校これるよな」とか「死ねよ」等と言った罵声も聞こえてきた
後で聞いた話だがガリデブは俺とは違い停学処分になったらしい、まぁそりゃクラスのぼっちとマスコットが衝突してぼっちだけ普通に生活してたらこうなるわな
俺は耐えた、今までの経験からこの程度なら苦に感じなかったからだ
しかし、次の言葉で俺の心は脆くも崩れ去った
「佐倉先生がかわいそうだよね」
佐倉先生がかわいそう
この何気ない言葉は俺の心を今までのどんな苛めよりもいとも容易くズタぼろにした
俺は鞄も持たずに、靴も履かずに上履きのまま泣きながら走って実家に帰った
俺は学校が怖くなり
学校に行くのをやめた
登校拒否生活一日目
家族は鼻水垂らしながら帰ってきた俺に驚いていたが優しく迎えてくれた
俺はとくになにもしないまま部屋に戻り布団に包まり寝た
登校拒否生活二日目
朝妹が「学校遅刻するよ」と起こしに来たが、お腹が痛いと言い訳し欠席することにした
誰もいない家でテレビをだらだらみながら布団に包まっていた
気が付いたら夜でなんか眠いから寝た
登校拒否生活三日目
妹が懲りずにモーニングコール、俺は頭が痛いとかなんとか言って学校を欠席した
特に何もせずボーっとしたりボーっとしたりしていた
ああ、やばいかもしれないと思った
登校拒否生活四日目
家族会議、母親切れる
登校拒否生活五日目
家族会議、父親切れる
登校拒否生活六日~十日
妹に毎日慰められる
学校に行くのをやめてしばらく経つと気持ちはだいぶ楽になった
その代わり、学校と佐倉先生と過ごした日々がやけに遠い物に感じて思い出すたびに悲しくなった
学校に行くのを止めて十日が過ぎても佐倉先生からの連絡はなかった
学校からも処分についての連絡以外は特に連絡が来ることはなかった
学校に行くのをやめて二週間が過ぎたころには家族も俺という存在に諦めはじめ、学校の事に関してとやかく言うことは無くなって行った
唯一、妹だけが毎日俺の部屋に来て今日あった出来事や最近の楽しいことなどを話してくれた
学校に行くのをやめてから三週間位たったある日、妹とばあちゃんの家に生活用品を回収しに行った
たまには外の空気も吸おうという妹の案もここには含まれていた
学校の近くに来るのは実に三週間ぶりでなんだかここで生活をしていたのが遠い過去の事のように感じた
ばあちゃんの家に寄った後、妹がデパートに寄ろうと言い始めたので嫌々ながら寄ることにした
デパートに行くと、学校の近所ということもあり同じ学校の制服を着た生徒を見かけ少し胸が痛くなった
しばらくは二人で服とかを見ていたが一時間ぐらい経った頃に妹がトイレに言ってくると言い俺を一人残しどこかに行ってしまった
俺は久々の外出ということもあり疲れがたまっていたので近くのベンチに座って下を向いて項垂れていた
ああ、なにやってるんだろう…
一人になるとまた自己嫌悪の念が心に現れて辛くなってまた心が痛くなった
しばらくそうしてると、いつの間にか帰ってきたのか妹が俺に声をかけた
「おっせーよ」といって顔をあげるとそこには
ニヤニヤした妹とニヤニヤした佐倉先生が立っていた
佐倉先生?
なぜ?why?
俺は意味が分からなくなってとりあえず走って逃げた
後ろから叫び声が聞こえた
後ろを振り向くと佐倉先生が鬼の形相でなんか叫びながら物凄い勢いで俺を追いかけてきていた
数十秒後俺があえなく追いつかれたの言うまでもないだろう
先生は俺に追いつくと、とりあえず胸倉を掴み頭を叩いた
「逃げんなよ馬鹿!!」
佐倉先生はデパートなのに大声で言った
「ええ…」
俺も小さく抵抗した
言いあっていると妹が後から追い付いてきて俺たちを仲裁した
妹の提案で俺と佐倉先生は黙ったまま近所の公園に移動した
公園のベンチに座らされると俺は流石に観念し、目の前にいる佐倉先生と向き合う決意をした
妹は空気を読んでどこかに行った
二人きりになると佐倉先生は急に黙りなにも言わなくなってしまった
俺もなにも言えないでいた、沈黙が耐えられないくらいきつかった
俺は沈黙に耐えることができず佐倉先生に話しかけた
「学園祭はすみませんでした…」
必死に言葉を搾ってそんなことを言った
先生は少しの間黙っていたけれど少し経って口を開いた
「お前なんか勘違いしてないか?」
先生は少しムスッとした顔で俺の目を見てこういった
「別に学園祭のことなんか誰もおこってねーよ」
佐倉先生は言葉を続けた
「ただ、お前がいないと部室が快適じゃねーんだよ」
なんか俺は泣いた
佐倉先生は特にいいことも、感動するようなことも言ってはいない
だけど、俺の目からは涙があふれ続けた
「すいません、すいません…」
俺は何回も何回も佐倉先生に謝った
佐倉先生は笑いながら
「一ヶ月ジュースおごりだかんな!」とか色々な事を言って俺の事を慰めてくれた
>>856
> 「ただ、お前がいないと部室が快適じゃねーんだよ」
こんなん言われてみてえ
それから一時間くらい俺は泣き続け佐倉先生は俺の事を励まし続けた
公園からの帰り道、俺は妹と佐倉先生にファミレスでハンバーグを御馳走した
久しぶりに佐倉先生と過ごす時間は本当に楽しかった
後で聞いた話ではあるがあの日、俺を心配した妹は学校に電話をし佐倉先生の連絡先を聞き出しこの計画を立ててくれたらしい
次の日俺は三週間ぶりに学校に登校した
教室のドアを開けるときにまた胸が締め付けられるような感覚に襲われたが、佐倉先生の事を考えると自然と勇気が出た
教室に入るとクラスの連中がゴミを見るような目で俺を見て、ガリデブは相変わらず罵声を浴びせてきたけれど
なぜかあまり気にはならなかった
午前は寝たフリ
昼は図書室
放課後は天文部
天文部に入るとき、教室に入るときの数倍緊張したのはここだけの話し
部室の中でゲームをする佐倉先生を見て、大好きって思ったのもここだけの秘密
この後、廃部問題、新入部員、いじめの悪化、佐倉先生とのけんか等色々な事があったけど
それはまた別のお話です
おわり
侵入部員聞きたすぎ
続きはしてくれないのか?
あと先生とは今どうなんだ
なんか長くなったがお付き合いありがとうございました
先生とは今も交流が続いています、この秋に教育実習で母校に帰るので今回はこのような話を書きました
>>903
ぼっち先生母校に帰る
>>903
先生目指してるの?
>>903
ほう・・・なるほどそうなったか
なるべくなら続きがみたいが無理はしないでほしい
興味深い過去だったな 乙
まぁお疲れ
気が向いたらまたスレ立ててくれよ
続きも気になるがとりあえず乙!
さくちゃん素敵すぎる
もっと聞きたいから、また暇なときにスレたててくれよ
こんなに長くこんなに多くの人が見てくれるとは思わなかったからびっくりしてるわwww
続きに関してだがこの先もこの密度で色々な事件が起こって行くから続編を書くのはきついです、すんません
その後を少し書くと、二年の時に一人、三年時に二人新入部員が入りました
天文部は現在では結構な大所帯です
まあ、俺が在籍してるときは後輩は掛け持ちの女子ばかりだったので、基本は今までと変わらず二人の天文部でしたが
あと俺はすでに五回先生にふられています
これで本当に最後です
でわ
>>955
5回wwwwwww
まだいけるwwwwwwwww
がんがれwwwwwwwwwwwww
乙っした!!!wwwwwwwwwww
>>955
さくちゃん先生もそろそろ歳だから押せばいけるぞ
>>955
五回、まだ始まったばかりと言う所だな
追いついた
乙!
面白かったよ
気が向いたら続きも書いてくれ・・・
まああれだしっかり稼げるようなったら告白してみろww
五回わろたwwwwwwww
いつか先生と結婚できるといいな
先生最高やな(^∇^)
幸せだ
ありがとう!
1が立派な先生に成るのを佐倉先生は待っとるのだろう
頑張れよ!
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引用元: http://hibari.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1315395093/
七、八割は創作だろうがおもしろかった
さくちゃんは多分実在してないんだろうなーなんて思いつつ…
スルッと読めて面白かったな
文才あるな
実に軽妙だ
読みながら自分も当時の高校生活を思い出したよ
正直自分には遠い話でピンと来なかったけど、こういう癖のある人との関係こそ大切にしてみると人生面白くなるのかなって思った
読み物としては面白かった