待ち合わせした喫茶店で待つ事数分。
その人は来た。
「お久しぶりです。」
思わず緊張する。
「ええこちらこそ。」
軽く会釈をし、彼女
有紀子の母が顔をあげる。
>>449
母!!!まじか!!
>>449
まさかの有希子母!
母親味方だったんか!
実のところ
「10年見つからずに行けたのか」
というのはNOで
僕らの居場所は早い段階で見つかってたりします。
少し話は遡って
駆け落ちから半年後。
僕らの住むアパートに有紀子の母が訪ねて来た事から。
当時僕は本当にこれで終わりだと思いました。
>>522
すぐバレとるwww
やっぱそういうもんか
話によると、
当時の有紀子の保険証の使用記録からどこに住んでるかが判ったとか。
探偵を使ったのかどうかはわからないが、案外簡単に見つけられたと。
しかし、彼女は意外にも冷静に僕たちの話を聞いてくれました。
「頭を冷やす時間も必要だから、じっくり考えなさい。」
と言うと、早々に帰って行った。
それからは、有紀子と定期的に連絡をおり、僕らが籍を入れるときも反対はしなかった。
「未成年同士の駆け落ちって誘拐罪になるらしいよ」
との事だったので僕が捕まらなかった事に関してはおそらく有紀子母のお陰だと思っている。
>>644
お母さんカッケエ
尚、僕らが駆け落ちした後、
田舎は大変な騒動になってる・・・・
というわけでもなかったようだ。
何故なら、有紀子の実家の一族
特に婆さんがその事をひたすら隠そうとしたから。
有紀子は予定を変えて大学に進むことになったと言って駆け落ちの事実を隠したとの事。
>>677
なるほど。
助かったね
>>677
体裁気にしすぎワロタwww
どこまでクズなんだよ婆さん。
血眼になって探すくらいしてやれよ
加えて、当時の家の中での当たりようも悲惨だったらしい。
途中レスでも言われてるように
「あんたらの教育が悪い。」
やら
「跡継ぎを生まなかったのが悪い。」
とか。
しかし、しばらくして駆け落ちだった事が村中に知れ渡ると今度は非常に肩身が狭くなったらしい。
色んな経緯があって有紀子の母は完全に認めないまでも僕たちの事を見守る立場に居てくれました。
なので、今回帰郷という選択肢が生まれた。
と思ってます。
>>759
おかん….
ええやつやのぅ(;_;)
ただ、駆け落ちが判明した時は有紀子の家に一週間以上、ただただ平謝り続けたという。
この話は胃が痛くなる思いだった。
有紀子母曰く
「もう家では、決まっているからキチンとしなさい。」
との事。
僕としては反対&有紀子を連れて行かれる位考えていたので意外だった。
因みに、まだ子供の話はしていない。
「跡継ぎが~」
とか言われても面倒なのでタイミングをみて話す事にしようと思っていた。
しかし、有紀子母には告げても問題なさそうと判断。
「実は有紀子に子供が出来ました。今回はその報告も兼ねてます。」
言い終わってやっぱり跡継ぎが~と言われないか心配だったが
「その事も含めて、貴方達の意思を伝えなさい。」
と言われた。
心なしか、笑っているように見えた。
>>852
ええ話や
有紀子母も色々つらかったんだろうな
呼び出し音が鳴り
「もしもし、○○ですが」
聞き覚えのある声。
祖母だ。
>>871
そうかー、自分の実家とも音信不通だったんだなぁ
「ばあちゃん?僕だけど。」
「お前○○か?今何してるの?」
早速質問攻め。
「ゴメン。明日帰るから。父さん母さんにも言っといて。」
そう言って早々と切ってしまった。
なさけない
>>902
そら泣くよな・・・
駆け落ちした僕が田舎と戦ってきた。その2
そして次の日。
レンタカーを借り、村へ。
村までの道は広くなっていたが、車は全然走って無い。
道路広げた意味無ぇ~などと思いながら村に入る。
村の景色は当時と全く変わって無かった。
ただ
こう言う書き方すると中二臭いが
所々に見える人の姿はすごく小さく見えた。
僕が大きくなったからだけでなく、
何か村が縮んで行っているような感じ。
もう、消えるのを待つだけのような。
そんな感じ。
そして、我が家へ。
帰るのは10年振り。
けれど全然変わって無い。
元々、涙線の弱い僕。
思わず涙が出る。
全く変わらない、鍵のかかって無い玄関を引き
元気よく
「ただいま!」
と言ってみた。
・・・返事が無い。
家に上がってみる。
誰もいない。
留守・・・だと・・・
>>79
なん…だと…
>>79
有紀子家に招集かかってたのかな
あれ?おかしいぞ?
確かに前日、「今日帰る」
って伝えたはず。
「まさか家間違えた?恥ずかしっ!」
とか思いながら確認。
間違いない。ココだ。
小さい頃、のこぎりで家の柱切ろうとしてぶん殴られたが、その時の傷もある。
いくら駆け落ちした親不孝者とはいえ10年振りに帰る息子ガン無視で
出かけるってそれは無いだろうと泣きたくなった。割とガチで。
>>136
どんまいw
つか、家の柱切るなwwwww
>>136
ノコギリで家の柱とかwww
表にでて、車を確認すると車はある。
という事は、村の外には出てない。
「おかしいな~」
と考えてると不意に後ろから声を掛けられた
「○○か?」
>>184
感動の再会きたああああああああああああ
声を掛けてきたのは
祖父だった。
あぁ~年取ったなぁ~
と思った。昔はシャンとしていた腰が少し曲がっている。
「えっと、ただいま。」
何と言っていいか判らず思わず
「お前!こんの!よう戻ったなぁ!」
てっきり、怒鳴り散らされるかと思っていた。
けど、予想に反して、爺ちゃんは目に涙を浮かべていた。
>>243
ぉおぉぉ!?
>>243
じいちゃん(´;ω;`)ブワッ
>>243
でもじいちゃんの世代だったら古い慣習に生きてるし立場的にはつらかったろうよ。
いいじいちゃんだと思うわ。
>>243
そうだよなぁ。
じいちゃんだってそろそろ危ない歳だろうし会いたかっただろうな
>>243
目から汗が出てきたよ・・・・
ずっと会いたかったんだよ
良かったな
と促され、家に入る。
「父ちゃんと母ちゃんは?」
と尋ねると、もうすぐ帰ってくるとの事。
どうやら、村の寄りがあってそれに行ってた様子。
しばらくすると父、母、祖母が帰ってきた。
母は、僕の姿をみると抱きついて泣いた。
母を泣かせるというのは本当に罪悪感でいっぱいになる。
父も涙は見せないがしきりに頷いていた。
祖母は「家の悪たれが帰った。よう帰った。と泣いていた。」
>>311
泣いた
>>311
よかったなぁ!!
>>311
悪たれに愛があるな
よかったな
>>311
そりゃそうだよ
大切な息子、孫が突然消えたんだし・・・
でも本当に良かった・・・
涙出て来るよ
そして、これまでの10年の報告。
今九州で暮らしていること
仕事もキチンとしてやっていけてること
有紀子と籍を入れた事
今、幸せに暮らせている事。
皆何も言わずに聞いてくれた。
>>343
よく逃げずに頑張ったなぁ…
そして本題。
「これから有紀子の実家に行って話してくる。向こうにも今日行くと伝えてる。」
と言うと祖父母は「そうか」と頷き
父母は「なら直ぐに支度しましょう。」と着替えに。
父母も一緒に行くとの事。
一人で良いと行ったが、キチンとしなければと。
>>373
やはり親だな
父母の準備が整い
いざ有紀子の実家へ。
有紀子の母が出迎えてくれ、家に上がる。
この時
緊張でおかしくなりそうだった。
僕は元々プレッシャー星人なんで本番に弱い。
有紀子の父がすでに座っている。
こうして面と向かうのは一体何年振りだろうか
正直、怖い。
父親の威厳というか、気迫の様なものがある。
殺されるんじゃないかと思った。
全員が席に座る。
重苦しい空気の中どう口を開くべきか。
ここに来るまでに色々考えていたが
最初に出たのは
「有紀子さんと今幸せに暮らしてます。これからもそのつもりです。」
最後の方で言おうと考えていた言葉が出てきた。
>>447
よっしゃ!よー言った!
>>447
男だ!!よく言った!
「そうか。そうか。」
と有紀子父が頷く。
どうも予想していた感じと違う。
「○○君。有紀子も今幸せなんだね?」
有紀子父がそういう。
この空気なら・・・
そう思い僕は子供の事を伝える。
>>481
おおおお!!!
>>481
有紀子親父が淡々としてるのは逆に怖いな…
有紀子の父はパッと笑顔を浮かべしきりに
「そうか、そうか」
と頷いていた。
僕の両親は突然の事にポカーンとしていたが
「本当か?」
と確認した後、しきりに
「よかった」
と言っていた。
少し、気分的に軽くなった気がした。
>>500
10年だよな。
相当色んなこと考えた上での言葉がこれか…本心なんだろうけど、重みがある。
>>500
有紀子の父って結構いい人なんだな
やっぱ親ってそういうもんなのか
>>500
やっぱり父親自身も大事な娘が引きこもりニートにもらわれていくのはイヤだったんだろうな。
>>524
それはそうだろうな
しかも現在50歳とか自分とそう変わらん歳だろうし
しかし、僕にはまだ言わなくてはいけない事が
「子供がどちらの家を継ぐとかいう話はしません。子供には自由に育ってほしい。」
さぁ、どう反対されるかと身構えていると
「そうだな。それがいい。」
と双方の両親にすんなりと受け入れてもらえました。
>>538
なんかサクサク事が進んで怖いな
>>538
あれだけのことを経験したのによく言えたな
男として尊敬できるよ
気になる事がもう一つ。
僕らの反対を先陣切っていた有紀子の祖母。
この人にも認めてもらわなければ。
どうやら、最後まで認めてはもらえないようです。
>>557
ええええええ
年寄りはガンコやなぁ
>>557
マジかよ・・・
ババデレ期待してたのに
有紀子の祖母は
痴呆を患い、この一年程誰が誰か判らないのです。
僕が話しかけた時
僕の事を主治医の先生だと思っていました。
結局、僕は最後までこの人に2人の事を認めてもらう事が出来なかった。
>>580
oh…
>>580
なん・・・だと・・・?
>>580
そういうことか・・
なんかむなしいな
この事は以前から知っていた事。
もう長くないと言われて
それでも、憎いであろう僕を見ればふと思い出すのではないか
そう思っていたが、ダメだった。
僕の事を主治医だと思い込んで、しきりに孫の話をし
「今大学生で中々顔を見せんで」
と話すのを見るのはつらい
>>612
むぅ…
後々に嫁さんもつれて来るってつもりがあるんなら、会わせてみるってのが一番の治療?かもねぇ
>>612
>「今大学生で中々顔を見せんで」
BBAの価値観がすごく分かる一言だな…重みがあるわ。
こうして
僕の田舎との戦いはほんの少しの後味の悪さを残して終わった。
有紀子の両親とは話し合い、両親が九州に顔を出しに来るとの事。
また、子供が生まれたら必ず顔を見せにくると約束をした。
>>645
ばあちゃんとの和解のきっかけを失ってしまったのは残念だけど、
ひとまず丸くは治まったようで良かったよ。
>>657
本当それ
和解出来てよかったじゃないか
その後、九州に戻り
首を長くして待っていた有紀子に報告。
肝心の婆さんの事は伏せておくことにした。
間違ってるかもしれないが
今はこのほうが良いと思う
>>661
それが正解だと思うわ。とにかく乙
>>661
まだ今はちょっとした事で流産する危険性もあるから
ちょっと様子を見た方がいいかもね
僕はこれから父親になります。
過去に僕のやった事は決して子供に誇れるものじゃないと思います。
けれど本当に大切なものの為なら諦めない、正面からぶつかる事の大切さを教えることはできるんじゃないかなぁと思ってます。
おわり。
>>694
乙!
いつまでも幸せにな
>>694
いい話だったありがとう
>>694
お疲れ様!!
最初から最後まで見てたよ!
貴方は男だ!!
>>694
誇って良いと思うぞ。
自分の愛する人のために行動したんだ、胸張っていいよ。
>>694
おつかれさま!良いパパになってよ!
>>694
長い事乙でした
婆さんの事は残念だけど空白の10年埋めるくらい
親孝行してあげてください
>>694
乙!
これからも色々とあるだろうけど
幸せにね!
>>694
お疲れ様!!
おばばさんのことは、有希子さんが安定期に入ってからかいいと思う
>>694
もうお互いの両親にも認めてもらえたんだから幸せになれるよ
今まで寂しい思いをさせてきた分
可愛い孫、ひ孫を家族に見せてあげて欲しい
婆さんにも亡くなる前には会わせてあげて欲しいな・・・
>>694
乙。
久々に心を動かされる話だった。
ぜひともいい父親になってくれ
また、時間がある時に近況報告をしてくれればありがたい。
>>694
お疲れ!
子どもにも話していいと思う。想い合っていた事、信じていた事を。
そうしたら、きっと好きになってもらえるんじゃないかな。
親がお互い一生懸命想ってたとか、絶対嬉しいと思うぞ
>>694
お前は男だ マジで感動した
幸せに 何て言葉をかけなくてもすてきな家庭を築いていくだろう
今までの自分の行動に胸を張って生きていってくれ
そして子供が大きくなったとき お父さんとお母さんはこんなに愛し合ってたんだと伝えてくれ
諦めない心と すばらしい仲間がいたから今があるんだと
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引用元: http://toro.5ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1327846090/
いい話…人に恵まれてる主さん
夢中になって読んじゃったよ
この話前にも読んだけど助けてくれた人を豚とか、イベリ子とか馬鹿にしすぎて全然良い話と思えない。
※3
豚に共感したん?
ダイエットしたら?
※4
何言ってんだ
助けてくれた人を陰でブタ呼ばわりするやつの印象悪いの当たり前だろ
お前は助けた相手がネットで自分をキモ男と呼んでても笑顔でいるのか?
俺も駆け落ち経験者なので興味深く読ませて貰った
投稿者は良い友達に恵まれて羨ましいよ
俺は3年目に許されて結婚式を挙げれた
結婚に反対していた妻の父親の姉が、冠婚葬祭に姪(妻)が来ていないことに気付き
父親を説得してくれたからだ
昨年、俺の長男が彼女を連れてきたとき、俺夫婦の出会いの話になって駆け落ちの話をした
今まで俺を軽んじていた息子の態度が変わったよ
投稿者さんも、どうやって夫婦一緒になったかをいつか子供に話して下さい
変わっていく村の人々にも幸あれ