娘の学校にやってきたウサギ2匹の名前を募集していた。→妻「ウサギの名前決まってたよ」俺「何て名前？」妻「…」

10年以上書き込んでないおっさんが通りますよ。

娘が小学校に入学した年のことなんで、もう十数年前のことなのだが、この年の秋ごろ、学校でかなり衝撃的なことがあった。…と書いてはみたものの、実はたいしたことではないのかもしれない。あるいは、当時の保護者
(もしくは生徒)がすでにネット上のどこかに書き込んだ内容になるかもしれない。まあ、いずれにせよ、私がこのことを書き込むのは初めてであることだけは間違いない。
当時は関西地方のとある小都市に住まいを構えていたのだが、幼少時からパパっ子だった娘は、私が帰宅すると「パパ、パパ」と甘えてきて、膝の上にちょこんと座りながら、その日学校であったことをあれこれと話して
くれたものだった。実に他愛のない話なのだが、いつもその話に相槌を打ちながらビールを飲むのが当時の私のささやかな幸せだった。
で、あれは２学期が始まって間もなくのことだったと思う。その日の娘の話は「学校に２匹のウサギがやってきた」というものだった。ウサギは「２匹」じゃなくって「2羽」って数えるんだよ～などと答えたことを記憶しているが、どうやら学校でつがいのウサギを飼育することになったということらしい。クラスごとに「飼育委員」を決めて世話をすること（1年生は月曜日、2年生は火曜日といった具合）や、名前を募集していることな
どを、一生懸命説明する娘に対して「じゃあ、3人でウサギの名前を考えよう」と私が提案したのかどうかは記憶が定かではないが、妻と娘と3人で名前を考えたことは覚えている。そうやって決めた名前を、学校から配布
された「ウサギちゃんの名前募集用紙」に書き込んで、娘は翌日担任に渡したはずなのだが、どんな名前を書いたのかは覚えていない。
その日から数日後、仕事を昼過ぎに切り上げた私が帰宅すると、家には誰もいなかった。ワイドショーでも見ようかと、テレビのリモコンを手にしてソファーに寝転ぶと、ほどなく妻が帰宅した。PTAの用事で学校に行っていたようで、開口一番「ウサギの名前決まってたよ」と、やや興奮した表情で言ってきた。その様子に「え？まさか、我が家の提案した名前に？」と思い、訊いてみたのだが、妻は黙って首を横に振るだけ。「ん？結局何て名前に決まったん？」私も大して興味もなかったんで、寝ころんだまま訊いたのだが、妻は何かを言いかけて、口をつぐんだ。その様子にただならぬものを感じた私が姿勢を正すと、妻は真剣な表情でこう言ってきた。
「今日は間もなく下校時間だから、あなたが迎えに行ってきて。ウサギ小屋は正門を入って左に行ったら見えてくるから」
妻に言われるまでもなく、その日は娘を迎えに行こうと思っていたので、下校時間に合わせて学校に向かってみた。で、言われたとおり、正門から左手を見ると、ウサギ小屋があり、同じように子供を迎えに来た若いお母
さんがその前に立っている。近づいて行ってみると、金網の向こうにウサギが見え、その金網には木の札がかかっていた。そしてその木の札には、明らかに小学生が書いたと思われる字で、こう書かれていた。
『クリス・トリスのへや』
こうして書くとクリスとトリスの間のドットが全角になってしまうが、実際には子供が書いた文字なんでドットが極端に小さい。どう見てもクリストリスに見えてしまう。先に立っていた若いお母さんと目が合うと、気ま
ずそうに彼女は立ち去って行ったが、私はどんな表情をしていたのだろうか…もしかしたらニヤニヤしていたかもしれない…
その後飼育委員になった娘は、あどけない笑顔で「今日もクリストリスさわってきたから、お手々洗う～」などと言いながら、帰宅後洗面所に向かっていたものだった…「クリス」と「トリス」は離して言いなさい、なんて指導するのもなんか変やし、聞き流すしかなかった…
と書いてみたけど、ネタ認定されそうやな～我ながらネタくさい話やと思うし。
でも、マジで事実です。以上、私にとっては衝撃的な話でした。