ラクダと一緒に旅しようとしたら民族性の違いだけで殺されかけたバカだけど
アフリカの熱帯雨林でピグミー族と一緒に自給自足生活することになったバカだけど
【前編】行商人やキャラバンに憧れたからモロッコでロバと一緒に放浪の旅を始めたバカだけど
【後編】行商人やキャラバンに憧れたからモロッコでロバと一緒に放浪の旅を始めたバカだけど
・ラクダを買ってガイドなしの単独で砂漠を歩く
・ルートはカイロからオアシス都市をいくつか経由してルクソールまで
って感じ
というわけで最初の町はエジプト、カイロ
大都市だと聞いてた割には商店もそこまで発達してなかったし、
町の外に砂漠が広がってる割には雲がたくさんある
とにかくこの町でラクダや砂漠横断について情報収集をして、
できればこの町でラクダを買いたい
それっすw
ほんそれ
さーせん、でも得難いものは得られた気がする
とりあえずまずは情報収集!と思ったんだけど、着いたのは夜で、
ほとんどのお店は夜遅くはやってないみたいで、
マクドナルドですら22時閉店とかだったから、
格安の日本人宿なるところにしばらくお世話になることになった
日本人宿っていうのは、日本人が集まって情報交換をする宿で、世界各地にあるらしい
日本語の漫画もたくさんあった
今まで海外はいろいろ行ってたんだけど、
ほとんど一人旅とかだったからそんな宿があるなんて知らなくて、すごい衝撃だった
数年前はその半額だったらしいけど、エジプトも最近はかなり物価が高騰してるみたい
その日本人宿には世界一周中のバックパッカーや旅行者、
沈没者(何日も何か月も同じ町に住みつく人)がいて、
中には10年近くエジプトに住んでいる人もいた
他の日本人宿も似たような感じらしいんだけど、
普段は共同の談話室みたいなところでみんなでゲームして遊んだり、
ご飯作ったりしてて、ほとんど初対面、
もしくは会って数日の人たちなんだけど家族のように楽しくすごしてて、不思議な空間だった
みんな世界各国を旅してるだけあってあったかくて素敵な人ばかりで、
おれの旅に関してもすごく応援してくれた
まぁそんなこんなでおれは毎日町に出て、
現地のおじさんや事前に仲良くなってたエジプト人の大学生とかから
ラクダの値段や旅のことについて情報を集めてたんだけど、
結論としては、カイロでラクダを買ってしまうと町を出るのがかなり困難とのことだった
確かにカイロは日本の田舎都市くらいには発展してて、
この町でラクダを連れ歩いてたら目立ちすぎてすぐに警察が来て、
毎回賄賂を渡さないといけない気がした
もともとそこまでお金に余裕があるわけじゃなかったし、
そういうことならとカイロ出発はやめて他のオアシス都市から出発することにした
てことでまずはカイロから一番近いオアシス、バハレイヤオアシスへ
バイクに跨った一人のエジプト人に声をかけられた
少し太っていたが、精悍な顔立ちで年はおれと同じ二十台前半くらいだった
基本的におれは声をかけられても相手しないんだけど、
なんとなく、いいやつな気がしたので話を聞くことにした
ムハンマド「やぁ、おれはムハンマド。何か困ったことがあれば相談に乗るよ」
おれ「野宿でもいいけど、格安の宿があれば。あとラクダが買いたい」
ムハンマド「そりゃいい。うちはホテルやってるんだ。
一泊750円でここから近いよ(バイクの後部座席を指さしながら)。
あとうちの父親はこの町唯一のラクダ飼いのベドウィン族と仲がいいよ」
なるほど、正直一般的な宿としては適性価格だし、ラクダ飼いを探しに行く手間も省ける
値引き交渉はできそうだけどラクダ飼いに取り次いでもらうことを考えると
おとなしくしといた方が後々いいだろうな
バイクに乗っていくみたいだからあんまり遠いと嫌だけど
今はまだ金はほとんど持ってないし、問題ないだろ
なんてことを考えて、現在位置のGPS情報をオフラインマップに保存した上で、
おれはムハンマドのバイクの後ろに跨ることにした
写真はバハレイヤオアシスまで行くバスの中で見た砂漠
バイクは走り出してから3分ほどで止まり、
それと同時に中にいた小柄なおっさん(=ムハンマドの父)が出迎えてくれた
おっさん「いらっしゃい。中国人か?」
おれ「いや、日本人だ。ツアーとかじゃなくて、
ガイドなしでラクダを買って砂漠を歩きたいと思ってるんだけど、
あんたラクダ飼いのベドウィンと知り合いってほんとか?」
おっさん「あぁ友達だとも。なるほど。いいよ。
まぁ詳しい話は明日するとして、今日はうちの部屋で寝なよ」
ムハンマドに案内された宿の部屋はかなりきれいで、正直驚いた
明日ラクダを見に連れて行ってくれるとのことなので、わくわくしながら就寝
次の日
おっさん「なんかね、昨日の夜ラクダ飼いに確認してみたら、
今砂漠歩きたかったら政府の許可がいるっぽいんだよね」
えっ?
おれ「そんなん形だけのものじゃないの?誰かが取り締まってるわけじゃないだろ?」
おっさん「いやそれが、この取り締まりは去年末辺りから新しく始まったもので、
かなり厳しいみたいなんだよ。まぁ正直許可はわしがコネあるから取ってはやれるんだけど、
お前死んだらわしの責任になるから死なないって約束できるなら許可取ってやるよ」
この時は、このおっさんの言うことを鵜呑みにしていいか相当迷った
カイロではそんな取締りの話一切聞いたことがなかったし、
セカンドオピニオンが欲しいところだけど、
英語でググったぐらいでは取締りは出てこず、
その時点では取締り情報を得る手段が一切なかった
まぁとにかく、死なない約束に関しては少しひっかかるけど
とりあえずラクダを見に連れて行ってもらうことにした
ラクダおいくらだ?
当然だけど子どもが安くて大人が高い
食用、荷役用のラクダは4~9万円くらい
ベドウィン用のラクダは7~15万くらい
バンジージャンプ超楽しそう
いつかやりたいなぁ
ラクダ自体は14万でこれ以上値段は下げられないらしい
ただし、買った後はおれの好きにしていいとのことだった
とりあえず買うかどうかは次の日決めることにして、宿に帰っておっさんと話し合い
おれ「おっさん、死なない保障って、具体的に何すればいいんだよ」
おっさん「とりあえず、あんたがラクダを買うなら政府に許可はとってやる。
保障…。例えばだな、ここから五十キロほど先に村がある。一本道だから迷うこともないだろう。
一日一回宿のもんに車であんたの様子を見に行かせるが、
もしここからその村までほとんど援助なく往復できたなら、
遠くの町でもどこでも行けばええ。わしはあんたを信じよう」
…えっなにそのRPG的展開www
おれそーゆうの待ってたんだけどw
おれ「おっしゃおっさん見てな、明日ラクダ買って隣の村まで行ってやるよ!!」
おっさん「そうか…」
…
めっっっっちゃ楽しそうやん!!!
ちゃんと生きて帰ってきたか…!!
ちゃんと五体満足だぜぇ!
乗り方はよーく知っとるわい。
とか思っちゃってた?
20: 1◆jHsnWuH7MU 2015/06/18(木)00:57:28 ID:fkk
思っちゃってた笑
ベドウィンのラクダは訓練しなくても気合で乗りこなせる、
そんな幻想抱いてた時期がおれにもありましたわ…
つづき
…とのことなので期待を膨らませながら上機嫌で自分の部屋に戻ろうとすると、
ムハンマドに呼び止められた
ムハンマド「Go!(おれの外国用の通名)めちゃくちゃいい景色が見られる場所があるから連れてってやるよ!バイクの後ろ乗れよ」
おれ「でもお高いんだろ?」
ムハンマド「友達から金取るわけないじゃんwいいから乗れよ!」
というわけで二人乗りでバイクで20分ほどかけて岩山を登り、夕暮れ時、
バハレイヤオアシス付近の岩山の山頂にたどり着いた
どこまでもひろがる岩砂漠、ほとんど雲のない青空と夕日のグラデーション、
日が沈むにつれて増えていく町の明かり、どれをとっても素敵な景色だった
余談だがムハンマドはボディタッチがとても多い
事あるごとにおれの背中や腰を軽く叩いたり、
バイクの後ろに乗せてもらうときに密着するように要求したり…
まぁ熱心なイスラム教徒みたいだし、イスラム教徒同士の挨拶って頬ずりだし、
まあその辺の関係で人の体にたくさん触れる傾向にあるんだろう
…とか考えてると、ムハンマドがおもむろにスマホを差し出してきた
ムハンマド「あ、これおれのFacebookアカウントなんだけど、
Goのアカウント検索して友達に追加しといてくれよ」
おれ「分かった!」
ムハンマドのスマホでおれのアカウントを検索しようとすると、
すごく不穏なものが目に入った
名前:ムハンマド
出身:エジプト
・
・
恋愛対象:男と女
…は?
は?
イスラム教的にアウトじゃないのかこれ…
え?えっ?えっと・・・
ムハンマド「あと、Go疲れただろ?マッサージしてやるよ。おれマッサージには自信あるんだ」
あっ(察し)
おれ「いや、疲れてないから」
ムハンマド「日本人は謙虚だなぁ。遠慮しなくていいんだぜ?」
おれ「いや、ほんとに、だいじょうぶ」
ムハンマド「そっか。じゃぁ逆におれをマッサージしてくれよ。
ここまで連れてきたお礼だと思って!頼むよ!」
おれ「え?えぇと…。ま、まぁ…。ムハンマドには世話になってるしな…」
…世話になってるし、しゃーなしやな
おれ「じゃ、じゃぁ、うつぶせになれよ」
ムハンマド スッ
このあと滅茶苦茶マッサージした
…はぁ
おれ「おっさん、じゃーラクダ買うからラクダ飼いのところにつれてってくれよ」
おっさん「やっぱやめた」
おれ「は?」
おっさん「やっぱやめた」
おっさん「だって危ないし。てかラクダ一頭だということ聞いてくれないってラクダ飼いも言ってたし」
おれ「いや、危ないのおれだし。おっさんは危なくないじゃん。
あとおれはラクダ二頭も買うお金はないんだ」
おっさん「やっぱあんたのことが心配になったっていってんだよ!
ムハンマドと遊ぶあんたを見て、わしはあんたが好きになったんだ。
あとわしは金とかの話はしてないんだ。わしは「人」の話をしてるんだよ。
どうしても行きたいというなら、毎日水と食料をあんたのところへ届けさせてもらう」
簡単にまとめてはいるけど、おっさんは数日前に会ったばかりのおれに1時間以上かけて説得しようとしてくれた
正直、ここでおっさんの言うことを無視して、
直接ベドウィンからラクダを買い、旅に出ることもできた
でもそれはしなかった
おれがやりたいこと、挑戦したいことっていうのは
今までも周りに心配や迷惑をかけるタイプのものが多いわけだけど、
だからっておれが何も感じず心配や迷惑をかけているわけじゃない
この町ではあきらめよう
そう思った
ここまで説得してくれる人がいる町で無理にラクダを買ったらおれ自身、
悲しい気持ちになって微妙な旅になりそうだ
次の町ではラクダ飼いから直接ラクダを買おう
出発地点に合わせて、ルートはいくらでも変更できるじゃないか
そう考えておれは、次のオアシス、ファラフラオアシスに向かった
写真はバハレイヤオアシス
おれが旅立つ日にムハンマドがバイクで連れて行ってくれた
ちなみに頭に巻いてるのはベドウィンスカーフっていって日光を防いだりマスク代わりにして砂を防いだり荷物を包んで運んだりする時に使う、砂漠の民の便利な布
ファラフラオアシスに行く前にムハンマドがくれたおれの大切な宝物
喋れるの?
勉強した
最悪の場合でも自分の意志が伝えられずに殺されるのはやだし
アラビア語は地方によって発音にかなり差があるから
相手の言ってることは分からないことが多いけど、
読み書きはできるから少なくとも自分が伝えたいことはきちんと伝えられる
おれまだ生きてるからwww
スレタイのところはもうちょっと先
つづき
ファラフラの町に入る前にかなり入念な検問があった
ここまで来ると外国人はおれだけで、英語も通じなくなった
なので警察がおれを見た時顔をしかめ、
「中国人だ」とバス中に聞こえるような、また咎めるような声で言った
おれなんも悪いことしてないんだけども
おれ日本人だから、といってパスポートを渡すと、
入国歴出国歴やビザの有無を時間をかけてだらだらと確認した後、町に入るのを許可してくれた
ファラフラのバス停に到着し、ここまで来れば野宿でいいよな、と考えてると、
二十代後半くらいのエジプト人に声をかけられた
?「やぁ!おれは英語がしゃべれるんだ。
おれ、仕事でこの町に来たんだけど、きみ日本人だろ?
日本好きだから日本の話たくさん聞きたいんだけど、あいにく今から仕事なんだ。
もしよかったら一緒に来ておれの仕事見てかないかい?」
おれ「何の仕事してるの?」
?「配管工事のエンジニアだよ。今から町長と話に行くんだ」
おれはいろんな仕事見るの好きだし、情報収集の手間が省けてちょうどいいと思った
おれ「分かった。おれはGoだ。よろしく。君は?」
?「おれの名前はムハンマドだ!よろしく!」
ということでムハンマドや町長にファラフラの町についてたくさんのことを聞いた
到着したときから、ファラフラの町の異様な雰囲気には気づいていたが、この町にはエジプト軍の基地がある為、セキュリティも厳しく、WiFiもほとんどなく、とても閉鎖的な町とのことだった
そして、上記のような理由から、この町にはラクダがいないらしい
ラクダがいないなら、今日にでも次のオアシス都市に行こうか、と思ったが、
ファラフラのオアシスをまだ見ていなかったため(砂漠のオアシスに憧れがあった)、
明日見に行くことにして、とりあえずファラフラに一泊することにした
また、オアシスに関しては、大きな湖のようなものはなく、
小さな「泉」が町のはずれに点在しているらしい
帰り道で、ムハンマドがレストランで夕食を奢ってくれた
レストランの外では小学校低学年くらいの子どもたちが交代で中型バイクに乗り、ウィリーの練習をしていた
基本的には失敗してバイクは横転するんだけど、子供たちはとても楽しそうだった
軍があることもあり、この町はとても平和らしい
さて、おれはこの日の夜ムハンマドと一緒のドミトリーで寝たんだけど、これが大失敗だった
ダニがいた
おれは両手両足をありえないくらい咬まれ、その後数日痒さに苦しむことになった
何か所くらい咬まれたのかというと、一番被害の少ない右手の咬まれた痕の数が30を超えていて、
数えるのをやめるくらいの数だ
こんな宿には泊まっていられないということで、
次のオアシスまでのバスのチケット(明日出発)を買い、夕暮れ時、
一人でオアシスまで歩いて行くことにした
熱い
少なくとも町長やムハンマドが言っていた「オアシス」はこれのことらしい
…オアシスってかめっちゃ人工的じゃん!!
とか、
Spring(泉)はSpringでも、Hot Springかよー、一本とられたわー
とか、一人で言ってみる
うん、さびしい人だな
とりあえず町には明日帰るとして、今夜はこの温泉につかりながら野宿した
写真は温泉から見た夕焼けと星空
カメラ初心者で経験も知識も編集技術もないし、
明るいレンズも赤道儀も持ってないから写真に関しては堪忍して下さい
このオアシスが今回の話では最後のオアシス都市になる
実はエジプトには他にも伝統的なベルベル族が暮らす
シワ・オアシスとオアシス都市最大の人口を誇るハルガ・オアシスがあるんだけど、
おれは行ってないので興味がある人は行ってみるといいと思う
ダクラオアシスとその周辺はこれまでの二つのオアシスと比べると
かなり肥沃な大地が広がってて、町の規模も大きかった
この町のラクダ飼いを探すためにまずは情報収集、ということで、
何人かの人に話を聞いていると、すぐにラクダ飼いの情報を得ることができた
ラクダ飼いはこの町ではかなり名の知れた人物らしく、名前はサリーマンというらしい
サリーマンは50歳前後の小柄な男で、町から30キロほど離れたベドウィン一族が暮らす小さな村に住んでいるらしい
直接会って話がしたいというと、サリーマン自らおれがいる町まで来てくれることになった
サリーマンは少しだけ英語が話せたので、アラビア語交じりのカタコトの英語で話すことになった
サリーマン「初めまして。私はラクダ飼いだけど、何が望みなんだい?ツアーか?」
おれ「いや、ラクダが買いたい。ラクダを買って一人で他のオアシスや町まで行きたい」
サリーマン「なかなか奇妙なことがしたいんだね。
あいにく、少し前からエジプト軍がエジプトの砂漠を閉鎖してしまったんだ。ヘリコプターで巡回もしてるし、
今の時期に外国人が砂漠にいたらすぐに捕まってしまうんだよ。
今までは大丈夫だったんだろうけどね。
おかげで組めないツアーとかも出てきて砂漠の観光業者は商売あがったりさ。
まぁでも、今回のこのエジプト軍の規制はスーダンやリビアの観光業者にも迷惑をかけてるからね、いろんなところからのクレームがすごいから、来年には解除されると思うよ」
バハレイヤオアシスでおっさんが言っていたことは本当だったらしい
砂漠は軍によって閉鎖されていて、渡ることはできないようだ
おれ「それって砂漠全域?規制の緩い地域とかないの?」
サリーマン「全域だね。リビア側の砂漠はリビア国境のことがあるし、
シナイ半島側の国境付近にはISILとかいろいろいるし。
あぁ、でもフルガダならラクダもたくさんいるし規制も緩いかもしれない。
正確には分からないけど」
サリーマン「あと、君ラクダの扱いは知らないだろ?
ラクダの扱いが分かってる人でないと、ベドウィンのラクダを一頭だけ動かすなんてできないよ。
やるなら家族をセットで買わないとね。
ほんとだよ?昔、同じこと言ってきたイギリス人の女性にラクダを売ったことがあるんだけど、
彼女、一切ラクダを動かせず、数日で断念してたよ。」
おれ「そうか。なら、少し考えさせてほしい」
正直、何をすべきかすごく悩んだ
ちなみにフルガダというのはナイル川中流、西側の港町だ
フルガダまで行ったとしてもこの調子だと、
規制が緩いといっても砂漠のど真ん中を歩くのはおそらくできないだろう
海沿いならラクダと歩けるかもしれない
一頭だけ買って動かせれば、の話だが
生憎ベドウィンのラクダを二頭以上買う金はない
キャッシングで借金をして、ラクダを二頭買ったとして、
砂漠に行かず町の周りを歩いて、もしくは海沿いに歩いて、おれは満足できるんだろうか
そもそも海沿いの安全なルートなら、
ラクダではなくロバ(一頭一万五千円ほど。安い)でも十分な気がする
おれはそんなことがしたかったんだろうか
絶対に違う、と思った
海岸や森ではなく、太陽が容赦なく照りつける果てしない砂漠をこの足で歩いてみたい、
そして、いつかは単独でサハラ砂漠を横断してみたい
その為には屈強なラクダが絶対に必要
そう考えて準備をし、ここまで来たんだ
このままでは警察の世話になるならないにかかわらず、
確実に中途半端な結果にしかならない
とても悩んだ
そして、少なくとも今の時期は、
思いっきり砂漠を旅することは不可能だろうということと、
最終的な到達点はサハラ砂漠を横断できる力をつけることだということを考えた時、
今回自分がどうすればいいのかわかった気がした
おれ「サリーマン、おれを雇って欲しい」
ホモだけど(´・ω・`)。
ぼったくろうとするような人は全然いなくて、みんな優しい人ばっかりだった
こうして、おれはベドウィン一族の村、マホウブで暮らすことになった
お金は物価の関係上もらったところで雀の涙程度だと考え、
いらないと言ったのでもらっていないが、住むところとご飯を毎日いただいた
基本的にはエジプトの砂漠のラクダ飼い達はラクダを杭でつないだ上で、
そこから動かさずに餌を与えたり乳をしぼったりするのだが、サリーマンは違った
サリーマンはラクダをとても愛していて、
少しでもラクダに幸せに生きてほしいという考えから、ラクダの遊牧をしていた
なので、移動範囲はマホウブ周辺の砂漠半径20kmほどであるとはいえ、
ラクダたちは一日の大半を縄や拘束具のない状態である程度は自由に過ごしていた
上が一般的なラクダ飼いのラクダ達で下がサリーマンのラクダ達
お前の人生楽しそう
二枚目とか三枚目は煽り画像としても使えます!
ラクダは大丈夫w
牛とかロバの死骸は砂漠のあちこちに転がってたけど
去年の終わりごろからだから、時期的にみてそうだと思う
つづき
おれはラクダ飼い見習いとして、毎日毎日働いた
仕事の内容としては、まず朝ラクダ達のところまで行き、
ラクダ達を引き連れて村の近辺や砂漠を歩き回り、
草木や水たまり(砂漠だけじゃなくて湿地もある)を見つけてはラクダ達に食べさせて、
しばらくするとまた次の場所へ向かう、というのを繰り返す
この時、乳搾りをしながら、ラクダ達が人間や牛用の作物を食べないよう見張り、
群れから外れて食べようとするラクダがいればきつく叱って群れのところへ戻らせる
そして日が暮れる頃にはサリーマンの家の近くまで戻り、
そこでラクダ達の一部(子供やメスの多くは拘束しなくても遠くにいかない。
ラクダはあくまで群れで行動する動物だからだ。)を杭につないで、家に帰る
ちなみにラクダの群れは一夫多妻制であり、
サリーマンの29頭の群れの内訳はオス2頭(うち1頭は子ども)、残りメス、という感じだ
基本的には2日に一回くらいの頻度で道中大人のオスがメスとやり始めるので、
その場合は群れを一旦停止させ、オスが満足するまで待たないといけない
…まぁ5分ほどで終わるんだけど
初めのうちは、砂の混じった強い風が吹き荒れる中、
日中ずっと太陽にさらされながら、声を出してラクダ達に支持しつつ
20キロほど歩くのは本当にきつく、倒れそうだったが、
ムハンマドがくれたベドウィンスカーフのおかげで何とか持ちこたえることができた
そして、少しずつだがたくさんのことを知ることができた
ラクダの習性や性格、ラクダへの指示の出し方(進め、止まれ、右、左、戻って来い等)、
ラクダの乗り方、ラクダの乳のしぼり方なんかだ
そして、たまにサリーマンと交代で働いている人が猟師兼焼き鳥屋なので、
その人と働くときは猟銃の扱い方や仕留めた獲物(鳥)のさばき方なんかを教わった
他にも、杭を自力で引き抜いて脱走した仔牛を
元の場所に戻すために綱引きしたり
(相手は仔牛だったけど気抜いたらこっちが引きずられそうなくらい力強かった)、
村人たちの麦の収穫を手伝ったりした
夜は毎日村の若い男や子どもたちと遊んだり、
日本のこととか砂漠のこととかを話したりした
ちなみにこの村はベドウィン「一族」の村なので、村人は全員血が繋がっている
おれはかなりアウェーだが、村にいた若いお調子者の男のおかげで
すぐに皆と仲良くなることができた
そいつの名前はムハンマドだ
働き始めて2週間が経つ頃には完全に仕事も覚え、
ラクダの乗り降り(ラクダに乗って指示を出すこともある)もスムーズになった
初めの頃は木の棒で軽く叩いても何しても
おれの言うことを全く聞いてくれなかったばあさんラクダも、
声をかけるだけで言うことを聞いてくれるようになった
もう仕事には完全に慣れたと安心しきっていた
気候にも体が適応し、皮膚も、いくら日光を浴びても
これ以上色が変わらなくなっていたので、
おれはベドウィンスカーフを脱いで仕事をするようになった
バハレイヤオアシスでムハンマドが、
今後の旅がより安全なものになるようにとくれたベドウィンスカーフを、おれは使わなくなった
サリーマンはおれが仕事に慣れてきたことに喜び、
ますます遠い距離へ、ますます険しい砂漠へとルートを変更していった
おれが毎日歩く距離はどんどん増えていき、
夏が近づいたことで日差しもどんどん強くなっていった
ラクダかわいいよなー
マホウブの村にもおれが知ってるだけであと2人ムハンマドがいるwww
つづき
そしてマホウブに住み始めてから3週間くらいが経過したある日のこと、おれは熱が出た
体感では多分38℃ぐらいだと思う
さすがに今日外に出るのはきついなと考え、サリーマンに話してみることにした
おれ「サリーマン、熱があるみたいで、できれば今日は家で休みたいんだけど…」
サリーマン「なら砂漠にところどころ生えてる木の下で休んでていいよ」
おれ「いや、そうじゃなくて、涼しいところでないとかなりしんどいかな、なんて思うんだけど…」
サリーマン「実際のところ家のことがあるから、
村の決まりとして君を一人にするわけにはいかないんだよ。
猟師の男が帰ってくるのが昼の12時だから、
それまで少しだけ、外で休んでてくれないか?」
あとで分かったことだが、家の男たちが全員出ているときに
家の女とおれが一緒にいるのがまずいということだったらしい
サリーマンの強い語気に押され、
また、猟師の男が帰ってくるまでくらいならなんとかなるだろうと考え、
おれは承諾することにした。
おれ「わかった。猟師が帰ってくるまでの少しだけなら。
でも、正直おれすぐしんどくなると思うよ?」
サリーマン「大丈夫。今日はわしがずっと目の届く範囲にいるようにする。」
おれ「え、でもラクダ達と移動するでしょ?したらすぐ遠くに行っちゃうんじゃないの?おれ、外であれだけ強い日光浴びたら正直耐えられる自信ないよ?」
サリーマン「いや、大丈夫。そういうことなら今日に限っては一切移動をせずに、Goの近くでラクダ達に餌を食わせるから、しんどくなって我慢できなくなったらいつでも言ってくれ。
なあに、猟師の男が帰ってくるまでの少しの辛抱さ。大丈夫だよ」
おれ「そっか。わかった。信じるよ、サリーマン」
ということで、サリーマンに連れられて町のはずれの木の下まで来て、
そこでおれは猟師の男が帰ってくるまで少し休むことにした
木の影で休むといっても湿度が低く、温度が高いこの砂漠では、
影と影でないところの温度差はあまりなく、十分に暑かった
おれ(サリーマンは… よし、ラクダ達と一緒にすぐ近くにいるぞ。大丈夫だな。)
この時、おれは熱が上がったのと照りつける太陽の影響で
かなり頭がぐらぐらしていて周りを見る余裕がなかった。
そして、サリーマンがすぐ近くにいることを確認して安心したため、
少しだけ目をつぶって休むことにした。
十五分ほど経っただろうか。
目を開けて、周りの状態を確認する。
サリーマンは、そしてラクダ達も、どこにもいなかった。
それにしても暑い。
スマホを出して今の時間を確認する。
10時
まだまだ暑くなりそうだ
11時
体中から汗が噴き出る
だんだん気温が上がってきた
サリーマンはまだ帰ってこない
村が近くにあるとはいえ、こんな砂漠を通りがかる人は誰もいなかった
熱のせいで頭がぼうっとし、いつの間にかおれは気を失っていた
次に目覚めた時、おれはまず自分の体の異変に気付いた
体が動かない
スマホを取り出す力すらでない
これだけ暑いにもかかわらず、汗はもう少しも出ていなかった
そして、気温はどんどん上がっているにも関わらず、
おれの体はそれよりももっと熱いように感じた
水分補給をしないと
と考えるも、それは不可能だった
視界の端に木の影を捉える
毎日昼間はほとんど時計を使わずに過ごしていたから時間がある程度は分かる
木の高さから考えて、今は昼の一時ごろらしい
猟師、何やってんだよ
まぁ、一時間遅れるくらいなら普通か
暑い
影から考えて、昼の二時ごろになった。
サリーマンと猟師はまだ来ない
気温は最高潮に達し、おれの熱もどんどん上がっていった
もうこの頃には体中が痺れているような感覚があり、
どこからどこまでが自分の体かよくわからず、目をつぶり、
おれはただただ風の音と自分の呼吸音を聞いていることしかできなかった
猟師が迎えに来たのは夕方の4時過ぎで、おれはその後、猟師に担がれて家まで帰った
問題はここからだった
文章量多くてごめん、これでもかなりはしょってるんだ
つけてた。ただ恥ずかしいから読み返す気は起きない
サリーマンの家に帰り、その日はそのまま部屋で水分補給をしてずっと休んでた
ちなみにもちろんというかなんというか彼らに罪悪感はない
アラビア語では、約束するときに使う「インシャアッラーフ」という言葉がある
これは、直訳すると「神が望むならば」という意味で、
「神が約束を守ると望んでいるのであれば守るよ
(まぁ望んでないかもしれないし、約束破ってもおれのせいじゃなくて神のせいだから、
そこは分かってね)」というような意味で使われることが多い
なので、彼らは時間に遅れることや約束を守らないことに関して全く気にしない
まぁそのかわり、彼らは遅れたり約束を破る人がいてもそこまで気にしないから
プラマイゼロなんだけど…
それで次の日もサリーマンの家で一日休んでた
(サリーマンはよそ者の男と女がーっていう村の決まり守る為にわざわざ仕事を休んでくれた。
その日はかわりに猟師がラクダの世話やったみたい)んだけど、
夕方になる頃おれはすごいことに気付いた
今まで頭もうろうとしてて気が付かなかったけど
昨日倒れてからメシが 一切 出てきてない
え?え?これどういうこと?ってなった
サリーマンにメシについて言ってみると、険しい顔で少し考えてから、
おれの部屋から出ていき、しばらくして一枚の皿を持ってきた
皿の上には日本人の大人の握りこぶしより少し小さいくらいの量の、
ジャガイモを潰して蒸したものが乗っていた
これだけ食えということらしい
え?えーと、確かに食欲はないけど、もう少し多くてもいいんだけどな…
とか贅沢なことを考えながら食べた
そしてその日はそのまま休んだ。
次の日、食事は一切出てこなかった
写真は普段の食事
普段は一日2食、このくらいの量いただいてた
どうしてメシがもらえないのかをギンギンする頭で考えてみた
まぁ今思えば考えずにサリーマンに直接聞けばよかったんだけど、
その時のおれは体力を使い果たしていて話す元気もなかったし、
メシが欲しいと言った時のサリーマンの険しい顔が気にかかって、
直接聞いちゃいけないことのような気がしてた
そしてしばらく考えを巡らせていると、
「働かざる者食うべからず」という言葉を思い出した
サリーマンはラクダをたくさん所有してるものの、けして裕福なわけじゃない
泥で作ったようなエジプトでも古いタイプの家に住み、
家の居間には夥しい数の、それこそ何百匹というようなハエが常に飛び回っていて
(おれの部屋にも居間ほどではないにせよもちろんたくさんいる)、
子供たち二人はいつも同じ服を着ていた
労働力にならない若者なんて、ほったらかしで当然だ、と思った
ならば、次の日どうしようかと考え、
その日の夜は次の日の朝まで待ち続けた(しんどすぎて寝られない)
次の日
おれ「サリーマン!サリーマン!」
サリーマン「どうしたんだGo?体の調子はどうだ?」
おれ「しっかり休んだからもうすっかり良くなったよ!
今日は仕事に出れるよ!ほら、こんなに元気になった!」
と、飛び跳ねてみる。
正直、あの時は今すぐにでも倒れてしまいそうだったので、
飛び跳ねた時は、平衡感覚が完全にマヒしていて、
崩れ落ちてしまうかと心配したが、なんとかうまくバランスを取ることができた
サリーマン「そうかそうか!いや、よかった。ちょっと待っててくれ」
と言って、サリーマンはおれの部屋から出て行った
自分でもバカだと思うけど、スレタイにもある通り、
スレ主はバカなんで、空元気とかいう脳筋的な行動をしてみて
どうなるか様子をみることしか思い浮かばなかった
この時の自分に言ってやりたい
「いや、金出してタクシー呼んでもらってバスで病院かカイロまで戻れよ」と。
そしてしばらくするとサリーマンが戻ってきたので、
おれは元気アピールするために立ち上がった
サリーマンは銀色の大きなお盆を手に乗せていた
サリーマン「よし、じゃあ今日はこれ食って出発だ!」
メシが、いつも通りのメシが、出てきた
そう言われてからおれもサラリーマンに見えてきたw
めっちゃ面白い
お金出しても読みたい
すげー!
まじか、ありがとう!
写真も日記も今回から始めたんだけど、
他にも行方不明の親友探しに一人ぼっちで初めて海外行った時の話とか、
サメと戦おうと思って南の離島行ったら死にかけてそれどころじゃなくなって
医療費払う為に島に住み込みで少し働いて帰ってきた話とかいろいろあるよ!
つづき
もちろん、歯も弱っていてご飯はうまく噛めなかったし、
少し食べただけで吐き気がすごくて戻してしまいそうだったけど、
栄養のありそうなもの(トマトと卵)だけ意地でも食べるようにした
そしておれが朝食と格闘してるとき、サリーマンがボソッとこんなことを言った
サリーマン「いやー、ほんと心配したよ。
わし医者じゃないからなに食べさせたらいいかわかんなかったし、
もし体に悪い物をあげちゃったら大変だったしね」
は?
おれ「いやいや、何言ってんだよサリーマンw
食べないより食べるほうがマシに決まってるじゃんw
普段まじめなあんたでも冗談いうんだなww」
サリーマン「いや、あんた何言ってんだよ。
悪い物食べさせるよりも水だけ飲んで静かに休んでた方がいいにきまってるだろ?」(真顔)
おれ「え…と…」
おれ「え?この二日おれに食べ物くれなかったのそれが原因?
おれが働いてないからじゃなくて?」
サリーマン「関係ないよ。病気の時は休んで当然。Go何言ってんの?」
おれ「えーっと、じゃあおれ今日は悪いけどまたこの部屋で休むっていうのはどう?」
サリーマン「いや、今日も猟師に仕事頼むわけにはいかんし、
しんどかったら木の影で休んどけばいいよ。近くにいるようにするから(デジャブ)」
サリーマンは、何度説明してもおれの熱が悪化した原因を分かってくれなかったし、
木の影で休むのと家の中で休むことの違いが全く理解できないようだった
サリーマンは今まで50年程生きてきた経験から、
種々の病気の対処法をサリーマンの中ではかなり確立させているようだった
というわけでサリーマンを説得するのは諦め、
その日は今にもぶっ倒れそうな体に鞭打ち、
意地でもサリーマンとラクダ達についていくようにした
自分がこういうの大好きっていうのもあるけど、
おーぷんで読ませてもらうのにはもったいないくらいの内容だと思うよ~
書籍化したら買うよ
ここで無料で読むのが申し訳ない
残念だがここはちゃっちゃと終わらせて出版にかかるんだ
ここでネタ出しきるなよ
>>59
まじかよ
ありがとう
すごく嬉しい
バカだから書籍化とかいろいろめんどくさくって笑
これからもこういうアグレッシブなことは続けるつもりだし、
利益とか出ても山分けでいいからその辺りやってくれる人いたらいいんだけどな笑
つづき、というかもう終盤
次の日も、その次の日も、おれは空元気でラクダの遊牧を手伝った
食事がもらえるおかげで熱も平均して38℃くらいまで下がり
(まぁおれの平熱35.6℃前後なんだけど)、
体はなんとか持ちこたえていたが、正直全く回復している気がしなかった
そこで、サリーマンに念の為病院に行かせて欲しいと言うと、
サリーマンは次の日の仕事を午後からにして、
午前中に近くの町の病院におれを連れて行ってくれることになった
病院で熱を測ってもらい(棒みたいなの咥えた。日本でも昔はこれ使ってたのかな?)、
しばらくすると医者が来て話し始めた
医者「君は38℃だね。仕事大変だし休みたいのはわかるけど、
これは平熱だし、薬出せないなぁ。水分補給をしっかりね。」
は?
仮病扱いされた
おれ「え、いやいや、平熱は言い過ぎでしょw」
医者「だって平熱って37℃だし、
暑くてちょっとしんどい時はみんなそのくらいの体温になるもんだよ」
サリーマン「よかったなGo。お医者さんもそういってるんだし、帰ろうか」
おれ「いやいや、おれ平熱35.6℃なんだけど」
ヨーロッパやアラブの人々の体温が高いのは知っていたが、おれはアジア人だ
平熱は低いんだと言い返すと、医者は笑いながらこういった
医者「35℃?嘘はよくないよ。わたしは長い事医者やってるけどそんな患者診たことないよ。
それだけ体温が低いなんて、それこそ何か変な病気じゃないのか?」
こんな砂漠の田舎町まで外国人は来ないんだから診たことなくて当然だろ、と思ったけど、
分かってもらえないようだった
サリーマン「うん、大丈夫そうだし悪いけどしばらく買い物に付き合ってくれ。
少し重たい物を運びたいんだけど。なに、一時間ほどで終わるよ。」
おれ「」
(アカン)
回復できそうにないならどうしようかとかなり悩んだが、
ラクダのことも砂漠のこともよく分かったし、
今回はこのあたりで引き上げるべきじゃないかと思った
このまま意地を張って免疫力の低い状態でハエだらけの部屋に住み、
仕事を続けていたら重大な感染症や病気になるリスクもどんどん上がるだろう、と考えた
サリーマンにその旨を伝えると少し寂しそうだったが了承してくれた
村の若い人たちもかなり悲しそうだったが、納得してくれて、
その日は夜遅くまで今までのことを語り明かした。
そして次の日、おれはカイロに向けて出発した
別れ際、サリーマンやムハンマド、そして村のみんなが見送ってくれた。
これからも頑張れよ、幸せになれるよう祈ってる、と、互いに励ましあい、
ハグをしてさよならをした。
そしておれは、真っ青な空を眺めながら、
「終わった…」と、ぼんやりした頭で満足感に浸りながら
バスに揺られてカイロまで帰っていったんだ。
おしまい
今回の旅の話は以上です!
ちなみにその後、カイロで少し休んでから港町へ行き、
療養しつつついでにダイビングのライセンスをとって、日本に帰ってきた感じです
いやー、いろいろ大変だったけど、楽しかったなぁと
次はどこにいこうか、何しようか、すごくわくわくしてる
これから離島でリゾートバイトすることになってるからそこで貯めたお金で、
今年の冬はなんかコンセプト決めて雪山とか洞窟とか、おもしろそうだなぁと思ってる
詳細は省くけど来年から南半球の熱帯雨林に行くことにもなってるからそれも楽しみだなぁと
何か質問あれば答える
写真は満月の夜に撮ったラクダの写真
ラクダって休んでる時全然動かないから、
シャッター速度30秒とかでもこんなにきれいに撮れるw
ありがとう!
写真に関しては一眼買いたての初心者だけど嬉しい。頑張る!
こうゆうチャレンジする人最近少なくなったよね
>>1
はスゴいと思う
ありがとう
理系だから読みにくかったらどうしようって思いながら書き込んでたけど、読みやすかったならよかった!!
最近は飛行機代が安くなって、ツアーとかも増えたからどこでも簡単に行けるようになったしね
正しいかどうかはわからないけど、一人旅で療養するとか、
1はどうやって乗り越えたんだろうか気になるし、ダイビングのくだりも気になる。
とりあえず乙
楽しませてもらったよ
ありがとう!
マホウブを出発した後の話
カイロに帰るまでのバスはほんとに地獄だった
熱も下がってなかったし、たくさん人がいて蒸し暑かったし…
そしてなにより、カイロまでの12時間、座ってなければならないのがたまらなく苦痛だった
カイロではまた同じ日本人宿に泊ったんだけど、
バス降りた時点で目が回ってたから、正直倒れたりせずに
宿までたどり着けたのが奇跡みたいに思えた
その時おれはほとんどの食べ物を受けつけない体だったんだけど、
なぜかフルーツなら食べられた(別れる前にマホウブの村の子がオレンジをくれたから気づけた)から、宿に着く前にオレンジとバナナ、それとミルクを買いだめしておいて、
しばらくそれだけで食いつないだ
あとは日本人宿だったから2人ほど日本人もいたし、
以前この宿に来た時に知り合った人がおれの為におかゆを作ってくれたりした
その後数日して熱が下がってフルーツとおかゆ以外のものも少しずつ食べられるようになったから、以前から行きたかった、「バックパッカーの聖地」と言われていて
居心地がかなりいいと噂の海辺の町、ダハブに行くことにした
ここは世界一安くダイビングのライセンスがとれると言われてる
(言われてるだけかも。実際は分からない。)から、
ついでにここでダイビングの免許も取ろうと思った
ダハブの日本人宿(一泊300円!)には日本人がたくさんいて、みんないい人ばっかりだったから、
男女問わず毎日たくさん話したり、晩ごはん作って食べたり、
一緒にアイス買いにいったり、みんなでトランプの大富豪したり、
シュノーケリングに行ったり、それはもうめちゃくちゃ楽しい時間が過ごせた
ダイビングの講習が始まった時はまだ体が完全に元に戻ってなくて、
正直最初はウエットスーツ着るだけで体力使い果たしてたけど、
ダイビング中に体力を使う場面は一切なかった
(体力使い果たして溺れたりしないために、水中では常に落ち着いてゆっくり動く)から
ちょうどよかった
ちなみに免許にも階級があるんだけど、おれはアドバンスってところまで取った
今回ここでダイビングの知識とか機材の扱い方とかを
体で覚えられたおかげで次は地底湖とか海底洞窟とか散策できるようになったわけだし、
おれにとってはすごく良い経験ができたと思う
あとは帰る直前、満月の夜、日本人宿でできた友達と一緒にシナイ山っていう山に登った(標高2,285m)
頂上で見る朝焼けはきれいだったし、山を下ってる時、
絵具かなんかで上塗りしたんじゃないかってくらい空が真っ青でびっくりした
小学校の遠足以外での山登りは初めてだったけど、
すごく楽しかったし達成感もあったから、
また今度ちゃんと準備して険しい雪山とか行ってみたいと思ってる
写真はダハブとシナイ山
大丈夫だよ
イスラム教徒も普通に登ってる
機会があったらまた読ませてくれ
ありがとう!
今後もいろいろやっていくつもり
ありがとう!
実はおれもこの写真はお気に入りっていうw
階段を登っていたと思ったらいつの間にか降りてた時は気が狂うかと思ったぜwww
ちょうど今ジョジョ3部最終話のオープニング無限ループで聞いてるw
今日サファリでラクダ見たけどデカいよな
あと睫毛なげえ
ちょうど今アニメやってるしなw
ラクダデカいよな!
見たなら分かると思うけどラクダって上に乗ったらめっちゃ高いんだよなw
ラクダに乗ってラクダの群れと砂漠歩いてる時とか、
普段見慣れてないデカさだから古代生物か宇宙生物に指示だしてる気分になってくるw
前スレから最後まで楽しませてもらったよ!
また何かあったら書いてくれー!!
…でも体は大切にな!
ありがとう!
また書くと思う!
とりあえず死なないように気をつけるw
すげーわ
まぁ臭いのは仕方ないけど、毛深いからもふもふできるよな!
おれもラクダに会いたくなったら鳥取行こう…
金取られるよ
しかも高い
写真撮影だけでもそこそこ取られるもの
1なら不満でぶちギレコース
まじかw
まあそらそうだよな…
確かにエジプトでこんだけラクダと触れ合ってきたのに
写真撮るだけで金取られたらキレそうwww
これ案外大事よ
それはほんとに大事だと思う
いざというとき死なないように、もっと判断力を養いたい
モロヘイヤスープとか、コシャリとかはおいしかった!
パン類はおれはすぐ飽きたw
俺は中央アジアを馬でめぐりたいなぁ
それめっちゃおもしろそう!
おれはロバで荷車引いて何か売ってヨーロッパの田舎町渡り歩くとかもやってみたいなぁ!
海外行くほどの金が…
今は安いよ!
海外!
オフシーズンで良ければ燃油込みでフィリピンは往復4万程だし、
7万あればヨーロッパでもアメリカでも大体いける
宿代が苦しければCouchsurfing(詳しくはググって)とか
今回のおれみたいに住み込みでその家の家業手伝うとか
思い立ったその瞬間にキャッシングで行けるレベルの金額だよ!笑
ありがとう!
宿探すよりCouchsurfingとかの方が良さそうかも
ただ単に海外に行くだけじゃなくて、その国の人と生活した方が文化とか味わえそうだし
少し怖いけどね
CouchSurfingは当たり外れあるからな
レビューとかで悪い評価が付いてない人は基本的に大丈夫だと思うけど
なかなか貴重な体験してるなあ。すげえや。砂漠の夕日とか写真も美しい
たくさん経験も得られて少しだけど自信にも繋がったし、
きれいな景色もいっぱい見れた!
次はエジプト行こうかなと思わせて貰えました。
ただ今はエボラだとかMERSだとかが煩くて当分は海外行けなさそうなのが残念だけど。
病気はなぁ…
確率論とかじゃなくて一度きりの自分の人生で一回かかったらおしまいだからなぁ
かなり用心すべきだと思う
ムハンマドって名前の人が圧倒的に多かった
他にはアフマドとかマホメッドとかアブドゥルとかが多い
これはおれの勝手な予想でしかなくて、詳しい人いれば教えてほしいけど、
多分彼らは名前を区別する為というよりかは
コーランの偉大な人物の恵みを受ける為につけてるんじゃないかと思った
ムハンマドはイスラム教ではアッラーの教えを全て聞くことができたただ一人の預言者だから人気が高い名前なんじゃないかな
旅に人生かけてるんだねぇ
普通にサラリーマンやってる俺からしたら羨ましい人生だ!
とはいえ、日本国籍捨ててまで危険なとこ行く必要あるのか?とは思うね
お母さんが50超えてるという事は20代?
将来身体が弱くなって旅できなくなったら国籍捨てたことを後悔しないか?
今は24歳です
国籍はもちろん捨てずにすむなら残しておきたい
一応いろいろ視野にいれてるってだけの話
今までもこれからもこういうことしていくわけだから、
正直体が弱くなる歳まで生きられる気がしてない…w
長生きしたとして年老いて苦しい生活が待ってたり、
旅の途中で死んだりした時に後悔しそうだと思ってるなら冒険はしちゃだめだと思ってる
おれは今後後悔しそうな気は一切してないし、後悔しない
俺も1のようにいろんなところへ行くアクティブさが少しは欲しい!
あと少しだけど海外に行くことの大変さと重要性が分かった気がするよ!
ありがとう!
アクティブに行動してみるとどんな結果でも意外と満足感あるよ!
【バカ旅シリーズ】
ラクダと一緒に旅しようとしたら民族性の違いだけで殺されかけたバカだけど
アフリカの熱帯雨林でピグミー族と一緒に自給自足生活することになったバカだけど
【前編】行商人やキャラバンに憧れたからモロッコでロバと一緒に放浪の旅を始めたバカだけど
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引用元: http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1434544046/
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ちゃんとサソリ座撮れとる
行動力あるのは認めるが助けてもらっておいてどの口で殺されかけたって言ってんだ
アルパカは茶色いラクダ。
面白い!!
空の色と地平線のスケールが凄いな。
もうちょい年取って落ち着いたら、ぜひ体験記を出版して欲しい。
迷惑極まりないから、一生、日本から出るな。
毎回生きて帰ってきてほしいもんだ
イスラム圏ではムハンマドはすごーく多いよ。国や地域にもよるだろうが、ムスリムの男性にはほぼ100%ムハンマドと言う名前がついてる所もある。名前もミドルネームみたいなのもあるから、フルネームは「ムハンマド・アタウル・サリーマン」とかで、普段はアタウルと呼ばれてる、とかね。ムハンマドの部分はパスポートででさえMd.と略記されるくらい、ありふれ過ぎて存在感なかったりする。
※5
むしろこういう奴は一生日本に帰って来るな