幼馴染Ａ子はよくモテていたんだけど歴代彼氏は皆性格がゲスい。ある時、Ａ子がとんでもない頼み事をしてきて…

もう十数年前、二十歳くらいの時の友人の話。

当時親友だった幼なじみＡ子は、子どもの頃から美人でよくもてた。ひがみっぽい表現になるかもしれないけど、整った顔立ちというよりも男ウケする顔で、ろくに話したこともないような男の子から突然告白されるとか日常茶飯事だった。
それだけもてるんだからよりどりみどりなはずなのに、なぜかＡ子は顔が良くて口が上手いだけのしょうもない男に引っかかってはよく泣かされていた。
しょっちゅう「浮気された」って私に泣きついてくるＡ子に「そんなろくでもない男とは別れろ！」と言い続けたが、「でも普段は優しいし好きなんだもん」とお決まりのデモデモダッテ。
たしかにＡ子の歴代彼氏は皆ぱっと見は良いが、少し話してみると知性もなけりゃ性格もゲスい、顔以外に何が良くて付き合ってるのか理解できなかった。

ある時、Ａ子がとんでもない頼みごとをしてきた。なんと、その時付き合っていた彼氏(浮気の前科2犯。私とは面識なし)を誘惑してほしい、とのこと。
「彼はもう浮気しないって約束してくれたけど、100%信じられなくて不安な自分がいる。他の女の誘いを断る姿を見て安心したい」だそうだ。
Ａ子が立てた作戦は、「最初は間違い電話を装って電話越しに親しくなってから、二人で遊びに行こうよ♪と誘ってみて！」という単純なもの。さすがに直接会えとまでは言ってこなかったが、もちろん断った。
「そんなバカなことできない。彼氏にも失礼だし、私は好きでもない男の人を誘惑なんかしたくない。第一、Ａ子ちゃん自身がそんな試し行為をするくらい彼氏を信用できなくなってるなら、こんなことしても無駄だと思う。もう別れた方がいい」と、こういう意味のことを言った。
それに本人には言えなかったが、内心「ぜってー釣られるわそのクズ彼氏」とも思っていた。
1時間くらい断り続けたけど、「お願い私子ちゃん。こうでもしなきゃ私、心が壊れそうなの！」とオイオイ泣かれ、最終的には折れて電話することになってしまった。本当に後悔してる。

すみません、上の続きです。

１度目の電話
「もしもーし、アユ(仮名)だよ～。こないだの合コンで連絡先交換したんだけど、私のこと覚えてる？」
２度目の電話
「ごめーん、電話番号間違えてたみたい。でもせっかくだから、また電話していい？」
３度目の電話
「え、家近いじゃん！ なんか運命感じちゃう。いつか会えたらいいね」
細かいやり取りは忘れたけど、こんな感じで1か月くらいかけて徐々に親しげな雰囲気を作った。
こちらからかける時は、もちろん横にＡ子がいて、耳をそばだてながらあれこれ指示してきた。

ええ、もちろんあっさり釣れましたよ(　ﾟдﾟ)
トラップ仕掛けておいてこんなこと言うのは筋違いだろうけど、浮気性って治らないんだよね、絶対。
私は顔も性格もかわいくないけど声だけはまあまあ良い方なんで、男は最初からデレデレ。毎晩向こうから電話がかかってくるようになり、その対応に本当に困った。しきりに「会おうよ」って言ってくる。
その誘いに乗るわけにはいかず、かといって作戦()が終わるまでは突き放すわけにもいかず…
後ろめたさもあったけど、何より嫌いなタイプの男と形だけでも楽しくおしゃべりすることが本当に苦痛だった。

もう少し続きます

最後

Ａ子は「ひどい！浮気しないって言ったのに！もう徹底的に問い詰める！」と爆発。(オマエが仕掛けたんじゃろがい)
『Ａ子と彼氏が一緒にいる時にたまたまアユ(仮名)から電話がかかってきて、浮気未遂が発覚』という猿芝居をうつことになった。正直私はもうウンザリでこれ以上巻き込まれたくなかったんだけど、「お願い！」と泣かれ、うんと言うまで家に居座られてもうどうしようもなかった。
Ａ子に指定された時間通りに電話すると、かなりコールが鳴った挙句「もしもし、今ちょっと…」とうろたえながら応答する彼氏の声。多分、電話に出る出ないの押し問答があったんだろう。
「誰から？」「いや、と、友だちだよ」「なんか怪しい。ちょっと代わってよ！」という白々しいやり取りの後、Ａ子が電話に出た。「アンタ誰？人の彼氏に何やってんのよ！」と親友に罵倒されながら、本当に私は何をやってるんだろう…とゲッソリする私。

あ、神経わからんのはこのエピソードではなく、そこまでこじれた相手とＡ子が結局結婚しちゃったこと、その数年後周囲の予想通り夫ＤＶの末離婚したことです。
社会経験ほぼ皆無の友人、発達障害のある子どもを抱えて30過ぎて働かなければならず、「私子ちゃんはいいよね、資格があるからいつでもどこでも働けて…」とグチグチ言ってきて正直超ウザい。
あの出来事の後も結婚する前にも「絶対幸せになれないって！別れな！」と何度も忠告したのに、相変わらずのデモデモダッテで両親の反対を押し切って結婚した。あんたはあの時一体何を試したんだ…何のために…。
正直もう友やめしたいけど、他に頼る友だちもいなさそうでほっとけず、ズルズル連絡取ってる私もアホだなーと思う。

それを共依存って言うんでないの

耳が痛いわ…けど確かにもう友情でもなんでもないよねこれ
あの時家から叩き出してでも断っとけばよかった
幼なじみだし、小さい頃の楽しい思い出もそれなりにあるからなんとなく無視できずにいたけど、次連絡来てもスルーするわ
そら客観的に見たらわたしもバカだよね

多分、リアル昼ドラにはまってるんだと思う…
変な話聞かされる以外実害無いなら、非日常を楽しむのもまたよし
でも巻き込まれないようにキッチリ線を引こうねｗ