俺がそこのコンビニ入ったのは脱ニートを志した時だった。
夜勤で時給も1200円と俺には破格に見えて面接に行き、無事採用。
オーナーは元お笑い芸人を目指していた人で、
ここのコンビニはそんな「夢」を持っている人をとにかく応援してくれるコンビニだった。
オーナーの縁で最初に人を引っ張って来たのもあり、
従業員は劇団員や女優男優目出している人、声優、あとは芸人希望者がベテラン。
その次にパートで主婦や学生。
で、なんとなくそういう店だから集まったのか、ミュージシャンや漫画家、小説家もいた。
みんな優しい人たちであった。
ちなみに当時は2ちゃんねるで個性的な店員が多すぎると、専門スレで叩かれていたりした。
本部の方々も「うーん^^;」といい顔はしないけど、ギリ黙認してくれるような感じだった。
そんなコンビニに夢もなく入った当初は、妙な劣等感を覚えた。
仕事に関してはやはり若さということもあり、そこそこできていたと自負していたけど、
なんか「生きている」って言う根本的部分で人として俺は劣っていた。
そんなある時、漫画家志望者の人が見事に賞を取った。
オーナーは、なんと、皆の予定を聞いて全員とはいかなかったがコンビニをしめて宴会を開いてくれた。
人生で初めて行った居酒屋、それも20人は余裕で座れる部屋で、誕生日席()とプラカードが置かれた場所に、受賞者さんを座らせた
コンビニが一時的に閉店させるって、ぶっちゃけ利益考えればありえないのよ?
でも「夢を叶えた奴を祝いたいのは、ここのコンビニに居る奴らなら皆そうだろ!」っと
そんな理由で閉めてしまう。
本部の人も場所が場所(100個弁当を仕入れて全部売れるようなところ)なのでいい顔はしないのは、後に知った。
とにかくその日は、皆で大宴会になった。
俺は生まれて初めて酒を飲み。受賞者さんには皆で会釈して、どんどんお酒を飲ませw
「受賞者さんのマネー!」と、劇団や女優男優希望者さんたちがものまねを披露したりw
ミュージシャン志望者なんか、ギターでオリジナルソングを送っていた
俺と小説家希望者と売れない小説家さんはものをプレゼントしただけだったが、それでもすごい喜んでくれたw
学生さんの方は、多分その人が好きだったアニメグッズだと思う。
オーナーが言うには「漫画家でお祝いしたのは初めて」とのことだった。
今までは主演が決まったりドラマへの出演が決まった時などは、こうして宴会を開いていたらしい。
また、働いている売れない小説家さんも受賞してデビュー時に宴会を開いてもらったそうだ。
とにかく話を進める。
その後、後半勢いも落ちてきた頃、各々が夢や夢だったことなどを語りだしたんだよね。
その時俺だけ本当に何も言えなくなった。
学生の人だって「会社立ち上げて」や「狙っている会社(or大学)があってー、将来わー」と言っているのに、
俺だけ何も思い浮かばないで、真っ暗だった。
>>24
駆け出しの夢追い人はみんなそんなもんなんちゃうの
で、周りが輝きすぎて、俺はその場で思っきり号泣した。
受賞者さんには申し訳なかったがw
事実、当時は、俺は親に捨てられたにも近い状態だったし、
彼女がいるわけでも、借金がない綺麗な身でもない、クズ野郎であった。
脱ニートを志したとはカッコイイこと言ったけど、
俺は光熱費が払えなくなったから働き出したに近い。
流されるまま生きているだけのロボットだなぁ、と思った。
そこでオーナーに「夢を持つことが偉いんじゃなくて、目標を越えていくから偉いんだよ」と言われた。
夢と言うのは、永遠に追いつけないぐらいのところにある方がいいと。
ただそれに近づく為の目標をいくつも用意しておくのが大切なんだよ。
そして、オーナーに「とりあえず、幾つも夢持ってみる?何の縁か、ここには特殊な奴らが大勢いるしww」と言われた
オーナーが言うには「夢は幾つあってもいい。別に答えが一つしかないわけじゃない。とりあえず可能性を広げることから始めよう」と。
書いていてげんなりしてきた
これくらいは成し遂げてみろ
読んでるから
受賞者さんの宴会を台無しにしたが、
受賞者さんも「面白いからいいよ!」と謎ゲス発現された
意外と話せることもないので、話は飛ぶけど、
俺はコンビニの仕事をしながら、いろいろやってみた。
やってみたと言うより、教わったかもしれない。
劇団や女男優の人たちに演技の練習を聞いてみたり。
ここで書き込んでいるから分かるかもしれないが、俺は酷く人が苦手なのですぐにダメだった
大丈夫だよ!言われて芸人の真似をしてみたが、人を笑わせることの大変さを知った。
同時に「大丈夫大丈夫!」言われながら駅近くで謎の芸を披露し、そこで冒険することの大切さを知った。
漫画と音楽に関しては、酷いの一言だった。成果が出るのに何年かかるレベルだと言われた。
「やるならやるでいいけど、正直……うん」と。
小説家の人に関しては「こ、国語……」と苦笑いされた。うん、当時は中卒だったし酷いものだった。
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