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【その2】漫画家を目指した俺が崩壊するまでを粛々と語る

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233: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:54:44.54 ID:dXi1bY/U0
先生が明るいせいか、現場は健康的でのびのびとした雰囲気だった。 
現場に入ってまず思ったことが 
「絵うめええええええええ!!!!!!」ということだ。 
漫画家を目指し始めて一番の衝撃だった。 
信じられないくらい線が細く、空間の奥行きがすごかった。 
トーンで表現される立体感も常軌を逸していた。 

雑誌で見るのと生の原稿はこうもちがうのかと思った。 
俺が今まで頑張って仕上げて悦に浸っていたものはなんだったんだ? 
簡単な背景を書いてみて、と言われたので、 
持てる力の全てを注ぎ込んで学校の絵を描いたが、 
明らかに線の太さがAさんたちのものとは異なり、 
幼稚園児が描いた様な酷い絵に仕上がってしまった。 
先生は俺の絵を見て失笑した。 
そして、誰にでも出来る簡単なベタという黒く塗りつぶすだけの作業が俺の仕事になった。
235: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:56:20.42 ID:+IgPRP2d0
ちょwwwww給料はどうなの?
237: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:57:21.04 ID:4sX6x9fC0
自分より上手い人間が無数にいるってのを気付くのが遅すぎるwwww
239: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:58:06.64 ID:8c8RautX0
失笑wwwwww
240: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:58:34.63 ID:P9bbnGj10
爆笑
241: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 18:59:01.59 ID:dXi1bY/U0
仕事が始まると誰も喋らなくなった。 
明らかに空気が一変した。 
俺も緊張感を持ってベタに集中する。 
「×」印の付いた箇所を塗るだけの単純作業だったが、 
「はみだしてはいけない」と思うとなかなか時間がかかる。 
しばらくして別室から先生がアシ部屋に戻ってくる。 
まだ一枚目のベタ作業に苦戦中の俺。 
「え?どういうこと?なんでこんなに時間かかってるの?」 
俺はドキリとした。
247: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:02:47.51 ID:dXi1bY/U0
「おいC!」と先生は若干声を荒げて言った。 
Cさん「はい」 
先生「お前ちゃんと新人に時間に対する意識教えたの?こんなペースじゃ仕事にならないよ」 
俺の作業が遅いせいでCさんが先生から怒られた。 
Cさんは「俺君、もっと手早く…、でも丁寧にね」と俺に言った。 
俺は「すみません」と謝った。 
この時、既に俺はこの現場の違和感にうすうす気付いていた。
248: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:03:52.03 ID:rkxnfu+W0
怖すぎワロタwwww
250: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:05:39.84 ID:CAulSuFt0
最初だから仕方ないだろと言いたいがやっぱり経験者として扱われるのか 
厳しいな
251: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:05:41.49 ID:VpFbCIP+0
週刊連載作家の中でも大御所クラスの仕事場環境だ
252: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:06:33.21 ID:dXi1bY/U0
先生は豪快なルックスだったが、作業に関してはとてつもなく神経質だった。 
ベタ一つにしてもはみ出しはもちろん、ヌリムラが許せず、塗り忘れにもかなり厳しかった。 
そして一つ俺がミスをするごとにCさんが叱責された。 
Cさんが叱責されるたびに現場には緊張が走った。 
そんなことが初日のわずか一晩で何度も起きた。 
段々と楽しい気分だったのが恐怖へと摩り替わっていった。
254: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:08:08.53 ID:5tRzq9iK0
ブラックワロタwww
256: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:08:52.72 ID:RHrlsH8S0
怒られるのがCでよかった 
Bさんが怒られてたら胸が苦しくなるところだった
257: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:09:04.98 ID:HzqPrQXT0
「早く丁寧に」ってだいたいどの仕事でも言われるよな 
胃が痛くなる
262: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:11:42.38 ID:dXi1bY/U0
先生は特にCさんを目の敵にしているような感じだった。 
俺は新米だから仕方ない、だがCは違うだろ!みたいなことも何度も言われていた。 
他のアシさんもみんな黙っていて特に助け舟を出すことはしなかった。 
たまに先生に意見を求められるときには先生の味方になって、 
一緒になってCさんを責め立てた。 
俺は俺が起爆剤となりCさんが攻め込まれるという状況に居たたまれなくなった。 
しかし、どうしたって最初ということもあり時間がかかってしまう。 
そして、働き始めてから30時間がたとうかという頃に仕事が終わった。
382: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:11:29.89 ID:kgK3CEq00
>>262 
 青木雄二 デビュー45歳「ナニワ金融道」 
 池田邦彦 デビュー43歳「カレチ」 
 篠原健太 デビュー31歳「スケットダンス」 
 矢口高雄 デビュー30歳「釣りキチ三平」 
 三田紀房 デビュー30歳「ドラゴン桜」 
足経験の有無は分からんが参考までに(篠原は空知のとこでアシやってたよね) 
*「30代の漫画家志望者相談雑談スレ」より転載 
263: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:12:42.78 ID:w5/AXJFk0
何だこの胸が痛くなるスレは・・・
264: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:12:49.21 ID:AyMs3tGfO
軟禁だなwww
266: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:14:23.97 ID:+IgPRP2d0
30時間wwwwwwwwwww
271: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:17:11.20 ID:dXi1bY/U0
それからというもの、先生のCさんに対する苛立ちは日を追うごとに酷くなっていった。 
何かといえばCさんが怒られていた。 
もちろん俺やAさん、Bさんが叱責されることもあるのだが、 
とにかくCさんがターゲットになっているという感じだった。 
Cさんの顔色は悪く、明らかに憔悴しているようだった。 
「これミスってるよ」→「すみません」→「すみませんじゃないよ、なんでミスしたの?」 
→「うっかりしていたとしか…」→「うっかりってなんだよ!緊張感持ってやってねえってのかよ!?」 
→「そうじゃないです」→「じゃ、なんでミスったんだよ」 
というようなやり取りが続き、酷いときには何時間も説教が続くこともあった。 
俺もどんどんと心を悪くしていった。
274: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:19:12.36 ID:+IgPRP2d0
こえー 自害するレベル
279: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:21:05.88 ID:qxPumWSP0
インテリ大卒を目の敵にしてるのか
282: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:21:37.22 ID:qRAG69Bl0
そんなメンタル弱けりゃ漫画家になんて絶対なれないよ
283: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:21:49.63 ID:dXi1bY/U0
Cさんの限界が近いことは誰の目にも明らかだった。 
俺の目から見ても「ありえない」と思うようなミスを連発していった。 
それに比例して先生の苛立ちも膨れ上がっていった。 
「おめーは仕事したくねえのか!!?やめるか!!??」 
と怒鳴られることも多くなっていった。 
本心ではやめたいだろうが、先生に対する恐怖心が上回り 
「いえ、頑張りたいと思ってます」と答えるだけだった。
285: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:22:42.84 ID:pQ8Oep0n0
怖い…
288: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:23:31.87 ID:+IgPRP2d0
Cは普通に就職すればよかったのにな・・・ 
学歴あるんだし
290: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:23:47.77 ID:dXi1bY/U0
すまんが急な仕事落ち。 
ダラダラなチラ裏に付き合ってくれてありがとう。 
中途半端でゴメン。いつかまたノシ
295: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:24:35.49 ID:SGgu6JUM0
>>290 
 ちょっ
300: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:24:49.77 ID:pQ8Oep0n0
>>290 
 仕事あってよかったな、頑張れ
291: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:24:13.32 ID:1ru5frz40
これはひどい
292: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:24:16.67 ID:yQl+RtcO0
え? 
え?
301: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:24:51.62 ID:R7D38dxW0
おい 
おい 
生きて帰れよ
306: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:25:28.08 ID:1ru5frz40
とりあえず今は仕事があるんだなwww
307: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:26:15.47 ID:58ve25rX0
帰ってきたら再開するんんだよな?
309: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 19:26:30.75 ID:SGgu6JUM0
保守する作業開始だな
338: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 20:54:36.31 ID:1dngcLWW0
保守
341: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/11(土) 21:17:10.44 ID:SgYk5Qqx0
ほしゅ 
375: 1 2010/09/12(日) 04:01:25.72 ID:Kd5WzAli0
保守してくれてありがとう。 
人も少ない時間だけどダラダラと続きを書いていきます。
376: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:01:46.20 ID:zk5KfcJm0
きたあああああああああああああああああああああああああああ
378: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:03:12.16 ID:7ZJtK3q30
ふう
379: 1 2010/09/12(日) 04:04:41.53 ID:Kd5WzAli0
それからもCさんとT先生との「やめるか!?」「いえ頑張ります」の問答は何度か続いた。 
先生の理屈は今思い返しても全て正しいように思えた。 
「頑張ると決めたのなら緊張感を持って」 
「ミスするのは緊張感が欠けている証拠」 
「どうしてもミスしてしまう体質ならばそれを先回りする工夫を」 
などなど。 
俺自身その理屈には納得できたし、上手くいくような提案にも思えた。 
しかしCさんのミスが止むことはなかった。
381: 1 2010/09/12(日) 04:09:19.03 ID:Kd5WzAli0
閉鎖された空間に何十時間も一緒にいると、 
なんだかある種異様な空気になってくる。 
今振り帰るとT先生の容赦のない叱責はどこか常軌を逸していたことが分かるのだが、 
当時はT先生が絶対的な存在として他のアシスタントさんの心までも掌握していた。 
そういう映画は何本か観たことがあるけど、まさにあんな感じ。 
俺自身も何度かCさんに助け舟を出すチャンスはあったのだけど、 
T先生理論を聞いていると、そして他のアシスタントさんがそれに賛同しているのを見ると、 
なんだかそっちの方が正しいような気がしてきてきてしまうのだ。 
そして、遂にCさんが崩壊する日が来た。
383: 1 2010/09/12(日) 04:13:46.42 ID:Kd5WzAli0
その日のCさんの怒られ方は特に酷かった。 
大袈裟でなく10分単位で怒られていたと思う。 
多分「また怒られてしまう」というような焦りが次のミスを生んで、 
それによりもたらされた叱責が憔悴を生み、 
あとはひたすらその負の連鎖が起きるという感じだったのだろう。 
もう誰のどんなアドバイスも通じなかった。 
そしていつものようにT先生が「お前やめるか!!?」と彼に怒鳴った。 
Cさんはしばらく黙った後、静かに「…はい。もう付いていけません」と言った。 
俺は思わず涙がこぼれそうになった。
385: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:17:23.86 ID:/iFWELUN0
Cさん・・・・・・
387: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:18:20.40 ID:CRJw6rwf0
でもそれはやめるしかないわ
388: 1 2010/09/12(日) 04:18:54.00 ID:Kd5WzAli0
いつもの返答ではなかったことに驚いたのか。 
その後はT先生も大人しくなった。 
そして急にCさんに対して申し訳なく思ったのか、 
優しい態度で「おいおい、ここで投げ出していいのかよ」というような激励の言葉を掛け始めた。 
その後T先生はCさんを説得し続けた。 
そして、そんな先生の態度にほだされたのか、それとも恐怖からか、 
最後にはCさんは「やっぱりもう少し頑張ってみます」と言った。 
そしてそれが俺が聴いたCさんの最後の言葉となった。
389: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:23:22.92 ID:OlShyhTV0
最後…
391: 1 2010/09/12(日) 04:26:47.98 ID:Kd5WzAli0
次の仕事日。 
待てど暮らせどCさんは現れず、連絡も一向に付かないという事態が発生した。 
Cさんは仕事場ではかなりの仕事量をこなしていたので、 
Cさんがいないとなると仕事は大変なことになるのは目に見えていた。 
Cさんの担当編集にも連絡が行き、アシスタント全員で何とか連絡を取ろうとしたが、 
携帯はつながらなかった。 
そんなことしている間にも締め切りは近づいてくるので 
俺とアシさんは原稿に着手する。 
その回の仕事は地獄だった。 
ほんの3時間程度の仮眠で40時間は働いたんじゃないかと思う。 
今まで簡単な仕事ばかり回されていた俺にも背景、ケズリなどの仕事が回ってきた。 
頭がくらくらして、今まで標的とされていたCさんがいなくなったことで先生も苛々していたように見えた。 
俺は一刻も早くここを辞めたいと思った。
393: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:33:03.16 ID:V1gDqDx00
心が折れたんだな……
394: 1 2010/09/12(日) 04:33:10.78 ID:Kd5WzAli0
Cさんが漫画家を目指すのを辞めると聴いたのはそれからまもなくのことだった。 
実はCさんは既にデビューが決まっており、連載案も進行中だったのだが、 
編集部へ一本の電話が入ると「もう漫画家は諦めます。今までお世話になりました」と消え入りそうな声で言ってきたらしい。 
あれほどの叱責に耐え、努力し続けたCさんの漫画家への夢はこうして終わった。 
これは同じ道を歩くもの同士にしか分からないことなのかもしれないけど、 
俺はそれを聴いて本当に悲しくなった。 
彼はもう漫画家としての命を捨て、新しい道へと歩き始めたのだ。 
そして、未だ何も成し得ていない俺は、それでも夢から最後の指を外すことが出来ずに、 
こうしてこの環境に身を投じている。 
Cさんが消えて、次の標的になったのは俺だった。
398: 1 2010/09/12(日) 04:39:01.08 ID:Kd5WzAli0
Cさんの仕事を引き継ぎ背景などを描くようになった俺だったが、 
日に日にT先生の俺に対する風当たりはきつくなっていった。 
「この背景どれくらいで描ける?」→「えっと3時間もあれば」 
→「3時間?!遅過ぎるだろそれは。もっと高い目標を自分に課せよ」 
→「えっと、それじゃ2時間で」→「よし頑張れ」 
しかし結局3時間かかる背景。俺の場合4時間になることも多かった。 
そして「何でこんなに時間かかってるんだよ!?2時間で出来るって言ったろ?」 
…大体こんな流れが皮切りとなった。 
そこから先はまるでCさんと同じ道をなぞるように、俺がCさんと同じ目に遭った。
400: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:41:16.58 ID:GbkFNyI80
Cさんが駄目になった時点で常人なら辞めるレベル
402: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:42:52.24 ID:EaFBCmw60
会社じゃないんだから理不尽だと思ったらやめればいいのに 
週刊雑誌の担当がついていたなら 
相談すればアシ先のツテもあっただろうに 
それでもやめなかった理由も語られるんだろうか
403: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:43:00.24 ID:QtxO1cJY0
俺ならもうやめてるな
406: 1 2010/09/12(日) 04:44:40.11 ID:Kd5WzAli0
何度も辞めたいと思った。 
辞めようとも。 
しかしT先生を納得させるだけの説明が思いつかなかった。 
「きついので辞めます」ではT先生を通して編集部に悪い印象をもたれてしまう。 
俺はその時そこの出版社にも持ち込みをしていたので、 
その辺のいざこざで全てがおじゃんになってしまうのは避けたかったのだ。 
またゼロから育ててもらった恩もある手前 
「あなたのところはきついので他のところに行きます」というようなことは 
面と向かって到底言えなかった。 
そんな生活がひたすら惰性で一年近く続いた。
418: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:54:36.30 ID:tZYoZMTy0
>>406 
 バクマン。で新妻エイジのアシが逃げたとき服部雄二郎も言ってたな 
「あいつらにはもうチャンスはやらん」みたいなこと
408: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:46:37.26 ID:mVR1zMvF0
1年続いたってだけでもすげぇわ
409: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:46:37.91 ID:f4DGDipc0
漫画家目指すならアシとかしないほうがよさそうだな 
415: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:52:36.23 ID:EaFBCmw60
>>409 
 週刊作家のアシを始めると 
自分の持ち込み用の漫画描いてる暇なんてほとんどなくなってしまうからね 
月刊作家のアシなら月イチで何日か集中して入るケースが多いので 
自分の原稿との折り合いを付けるには良いかも 
414: 1 2010/09/12(日) 04:52:28.44 ID:Kd5WzAli0
一年経って俺はようやく一つの作品を仕上げた。 
一般人に比べたら遥かに安い給料で、 
どうにかこうにか日々を凌ぎ、やっとの思いで上げた作品だった。 
今までで一番出来のいい作品だったが、もう俺にはこれが最後の砦だった。 
これを上手く連載につなげることが出来たら、穏やかにT先生のもとを離れることが出来るし、 
自分も独り立ちできる。 
T先生のいる出版社とは今まで自分が書いてきてボツを食らった作品を見せたりして 
打ち合わせをしてきたけど、T先生とは正直縁を切りたかったので、 
別の、更にグレードを落とした出版社に持っていくことにした。
417: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:54:29.65 ID:9o1dgYmI0
正直ただの馬鹿にしか見えない
420: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 04:55:43.06 ID:GEzl7B9t0
ここまで頑張ってたんだからむしろデキる馬鹿だろ
422: 1 2010/09/12(日) 04:59:55.92 ID:Kd5WzAli0
今まで培ってきた技術を全て詰め込んだ作品だった。 
トーンも背景も入れまくり、素人に見せたら「すげええええ」と言わせる自信は今でもある。 
作品のレベルは上がっている反面出版社のレベルは落としたんだ。 
これはもう絶対に上手くいくだろう。 
中学生が小学生のテストに挑むようなものだと、尊大なことを思った。 
その確信があった。自信も。 
出版社の編集に原稿を手渡し、 
「すごい」と驚く顔になる瞬間を見るため、俺は下唇をかみながら編集の顔を凝視した。 
しかし、編集の表情は特に変わらず、代わりに俺にこう言った。 
「君、いくつ?」
423: 1 2010/09/12(日) 05:03:34.78 ID:Kd5WzAli0
「え?」 
唐突な質問にどきりとした。 
俺は既にその時26歳になっていた。 
漫画家志望がサバを読むというのはよくある話だったが、 
今後この人ときちんとした人間関係を築くつもりならウソはいけない。 
俺は正直に「26歳です」と答えた。 
「おほぉ~w結構いってるねw」 
心臓が冷たくなった。
424: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 05:03:46.75 ID:8d0GKovP0
絶望の予感…
425: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 05:05:24.16 ID:CRJw6rwf0
26でも30でも受賞してるやつはしてるから 
色んな所に持ち込めばよかったんじゃないかと
427: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 05:06:39.51 ID:OlShyhTV0
同じ原稿何社も持っていったりできるもんなのか
431: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 05:07:55.67 ID:CRJw6rwf0
>>427 
 俺の友達は週ジャンに持ち込んで駄目だったけど 
週マガに持ち込んだら担当付いたよ、俺もそんなだ 
ある雑誌の賞では駄目だったから別の賞に送ったら 
受賞できたし、原稿は一つの会社のものじゃないよ
433: 1 2010/09/12(日) 05:10:50.75 ID:Kd5WzAli0
漫画家に年齢なんて関係ない…というのは一応事実だが、 
暗黙のボーダーラインがあるのもまた事実だ。 
ジャンルによってそのラインは異なるが少年漫画なら大体25歳だと言われている。 
25歳までにデビュー出来なければ、その先も厳しいだろう…というわけだ。 
これは割と一般的に知られていることだし、俺も知っていた。 
しかし、ここにくる時にはそのことを全く考えてはいなかった。 
なぜなら俺は一応25歳までに「佳作」を獲ることには成功していたわけだし、 
そういった意味ではレールには乗っていたからだ。 
しかし、今までの出版社との関わりを全て絶ち、ゼロからのスタート、 
「初めて現れる男」となった俺は、新人としては年齢を重ね過ぎていたのだ。 
編集は「よく描けているけども…」と渋い顔をして俺の原稿をパラパラとめくり続けた 
442: 1 2010/09/12(日) 05:20:10.97 ID:Kd5WzAli0
編集は終始暗く、 
「特に言うことがない」というのをごまかすために、 
何かを喋っている…という感じだった。 
その言葉の中に好意的なものはなかった。 
「アシスタントはしてるの?」と訊かれたので 
「T先生ってご存知ですか?」と答えたら。 
「ああ~~!もちろん知ってるよ!」と上機嫌になった。 
彼が好意的になった唯一の瞬間だった。 
その時ほどT先生と自分との差を実感したときはなかった。 
こともあろうに俺は「悔しいな」とは思わず「凄いな、T先生は」と思ってしまったのだ。 
そして編集が別れ際に言った台詞。 
「これどうする?賞に出す? 
出したとしても…まぁ奨励賞ってとこだと思うけど。 
次の作品描くなら打ち合わせには応じますよ」
455: 1 2010/09/12(日) 05:28:14.32 ID:Kd5WzAli0
その言葉にダメを押された俺は、 
「いえ…、いいです。もうちょっと考えて見ます」 
と小さく笑って自分の原稿を手元に手繰り寄せた。 
今日、またイチからやり直すつもりではいたけど、 
多分連載用ネームを切る…というところまでは一気にいくと思ってた。 
原稿のレベル自体は上がっているのだから自惚れではない筈だった。 
それなのに俺に突きつけられた現実は「再び奨励賞からの出直し」。 
あのテンションの低い編集と打ち合わせを重ね、賞に出し、 
何とか佳作か入選を獲り、そして連載用ネームを切り、 
担当編集を通して、今度は編集長にokをもらって… 
…って、一体どれだけの時間がかかるっていうんだ? 
それまでずっと俺はあの現場でアシスタントを続け、この生活なのか? 
そして、帰りの電車、窓に映る自分の顔を見つめながらこう思った。 
「俺…、才能ねーんだ」
456: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 05:29:17.39 ID:zk5KfcJm0
どうしてこうなった
459: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 05:30:11.69 ID:VDTcXNKt0
ああ……


1001:関連記事をキスログがお送りします:2017/6/13xx:xx:xx.xxID





【グルメ】レモンラーメン食べてきたwwwwwww!!値段は…


【ありえない】親戚の嫁が小学生の娘を整形させた。→親戚内で大揉め。→親戚嫁「こんなの普通だよね。可愛いよね?」私「…」


【イラッ】私「予約してるケーキを取ってきて欲しい」彼「OK」→箱を開けたらグチャグチャだった。彼「気付いてたら落ちてたんだよ!俺は悪く無い!」


【笑える】人気美容院のイベントでくじ引きを引いたら2等賞のシャンプーとトリートメントだった。私「1等の景品はなんだったの?」店員「…」



アメリカの教会でピアノを借りて「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」を披露してみた結果。


【武勇伝】俺の指定席におさっんが座ってた。→俺「どいて下さい」おっさん「他の席が空いてるだろ」→おっさんの膝の上に腰掛けてやったwww


【うわぁ…】嫁の姉夫婦が金に困り実家に同居。→嫁姉「住む以上働いていない私がご飯作る」→最悪のメシマズだった。→嫁弟「助けて!もう耐えられない」


【絶句】旦那が車に轢かれて亡くなった。→義兄嫁「この子はあなたの旦那の子です。ですので賠償金等は勝手に使わないで下さいね」→最悪の事実を知ってしまい…


【ショック】妻が酔って帰ってきて「人生間違えたって気付かされた」と号泣。→翌日、俺「昨日どうだった?」妻「楽しかったよ。ありがとう」→妻の本心が見えなくて怖い…


嫁がLINEでイケメンホストと動物園に行く約束してたからカマかけてみた。→俺「明日休暇とったから出掛けない?」→ホストと行く動物園に誘われたwww


【ドン底】不登校の弟が12歳の女の子と関係を持って逮捕された。→釈放されてからの弟は真面目に頑張っていたんだけど…


【コワッ】俺「ただいまー」妻「出張じゃなかったの!?」→寝室に知らない男が寝てた。(妻の親戚が泊まりに来てたのか…)→俺「お食事どうですか?」男「!?」


【理不尽冷め】一目惚れした男性からデートに誘われた。私「いい香りがする。何かつけてるの?」→彼の衝撃発言にドン引き…


【閲覧注意】友達「姉の家から変な声がして怖い。一緒に見に行って!」→行ってみると「グヒョウグヒョウ…」という男の声がして…


【復讐】妹を虐めていたクソ女共4人にあることを2年やり続けていた結果、復讐大成功。


【最後が怖い】幼少から続いてる恐ろしい体験を話す。


【変人】電車の席に座ろうとしたら、ドンッ!って押しのけられて男がそこに座った。男「妊婦やからって誰もが君に席を譲ると思ってへんか?」私「え…」


【冷め話】仕事がデキると評判だった彼が新人教育を任されるようになった。彼「新人が来なくなっちゃったよ…」→その理由は…


【嫁大好き】俺「元嫁夫婦が亡くなった。子ども達がこっちに来たいって…」今の嫁「いいよー」俺「えっ!?いきなり中学生が二人も増えるんだぞ!?」

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