それがどうしたのか、と俺が聞いたところで
ワン君は俺をつれて階段を少し降ながら、断龍杭のことは?と又聞いてきた。
断龍杭ってのも結構有名な話だ。
これまた起源は昔の中国だったんだけでど
明朝をひらいた朱元璋は、自分の作った王朝がまた、別の王朝に滅びされるのをおそれ
部下に命じて、中国全土の龍脈つぶしにかかった。
龍脈はまぁ、なんか風水的にすごいところで
昔は、龍脈の力を借りないと皇帝になれないと信じられていた。
まぁ、借りたとしても、その後の地殻変動とかで、龍脈の流れが変わったりして
王朝が入れ替わったりするらしいけどね
そんで、その龍脈をすべてつぶす方法に使われたのが断龍杭。
でも、明のその行為により、明の龍脈が弱くなっても、漢民族から別の王朝が生まれず
代わりに異民族の清によって支配されるとかなんとか
近代でこれにまつわる話だと、二次大戦中の日本とかあるね。
小国の日本は東南アジアを占領したりしたんだけど、支配している国のほうが圧倒的に
人が多いし、土地もでかいということから
とりあえず、そこら辺にある龍脈をつぶしまくったらしいね。
まぁ、結果、これは無駄になったかは知らんが、東南アジアではなく
新大陸がわからたたかれたわけですが
急に肩から、後ろに向かって引っ張られる感じがした。
階段の中は結構真っ暗だったんだけど
後ろに人がいないのは確かだった。
でも、後ろからたくさんの息づかいというか、そういうのを感じた。
そして、妙に焦げくさいというか、そんな匂いがした。
すこし立ち止まったから、ワン君は少し不思議に思ったのか
早く来てくれ、と言ってきた。
すまないけど、俺はこの先から降りていけないんだ。
と、俺は答えた
例の俺のじいさんが焼き殺したイタチたちは別に、完全に復讐を遂げて満足しているわけじゃない。
そいつらはずっと、いまだに、俺をいじめてあそんだりしているわけなんだけど
俺もどっちかというといじめてほしかった。なんというかおれはMじゃないんだけど
でも、家族がみんな死んだのは俺のせいというかなんというか
妹をあの日とめていればとか、そういうことで結構罪の意識があるんだと思う。
だから、何か罰がほしかったのかもね
そんなこんなで
どうやら、彼ら的には、まだ俺は結構いじめがいがあるみたいで
極たまにやつらが役に立つこともある。
俺が死んだり、それに近いことになってもらってはつまらなくなるらしいから
だから、なにかとマジでやばいところとかに行こうとするときは
こういう風にとめてくる
霊感皆無の自分としては助かるんだけど
存在は迷惑だった。
仕事柄、そういう危ないところに行くのはしかたないことだから
ただ、無駄に恐怖心をあおられるだけで、結局行かないとだ学んだから
でも、今回は違って、別に行かないといけない理由は何もないわけだから
危ないなら近寄らないのがいちばんだ。
だから俺はワン君のお手伝いを断ろうとした
ひとりじゃむりだから、手伝え。と言ってきた。
俺はえええみたいな感じになったんだけど、それを聞いて納得した。
断龍杭と三尸虫の組み合わせでいうとかなりメジャーで
つまり、俺は手術の手伝いとして呼ばれたわけではなくて
「祝死」
という儀式の手伝いをするためにおばれたわけだ
なんか行く場所行く場所浄化されるから、霊能者とかにはお前来るなwww
と言われるとか。
何か普通術式も浄化して、別の綺麗な術式に組換えちゃうらしい。
もちろん呪いの類いは浄化して祝いに。
心霊スポットの廃墟に行けば、強制浄霊とかなんとか。
パネェ!
問答無用で業をどんどん背負うってことだから
かなりやばいとおもうんだけど
「祝死」というのは中国の「清」の時代にうまれた文化で、
薩満たちによってうみだされたものだ
清は中国の女真族という少数民族によって作られた国家で
薩満はその民族のオラクルみたいな存在かな
そして、この「祝死」ってのは非常におそろしい儀式なんだよね。
これは、三尸を寸断された龍脈に植えてるというもので
詳しい、理屈とかはわからないんだけど、とりあえず龍脈の「死骸?」をかりて
ものすごい勢いで増える。
これで、人工的に三尸を増やすことができる
この儀式にはすごいデメリットがあった。
当時の薩満たちは将来とかのことはあまり考えていなかったみたいだけど
植えられていた三尸が龍脈を食い荒らしながら、どんどん増えて
最終的にあふれだしてしまうんだよ。
中国の18世紀とか19世紀初頭とかはかなり戦争で人が死んだりしたんだけど
それが、この「祝死」によって
最終的に三尸が増えすぎて、マンホール的存在だった断龍杭をふっとばして
湧き出てきてしまったのが理由とか何とか
業を背負うんだ? 業を背負う事について詳しく聞きたい
聞いたのは、何らかの神がついてて、そうなってるらしい。
言うならば、人が社?で神様入ってるようなもんなのかな?
自分もそういう人がいるってきいたことある。
聞く限り、業を背負うとかそういう心配はないだろうなと思ったよ。
龍がいっしょにいて一緒に仕事してたりする(式神とか人が使役するなんてものではないよ)人もいるらしいし、それと同じようなものかな。
すごく複雑で、俺もうまく言えないんだけど
まぁ、因果ってものがあるじゃん。
原因があって、結果が生まれる。この概念がとても大切なんだよね。
たとえば、そうだね。誰かからプレゼントをもらうとするじゃん。
その誰かは、多分好意とか、まぁおかえしがほしいとか、そういう感情があって
それをおくってくる
そしてそれを受け取る側としては、たとえそれに対してどんな思いを抱いたとしても
その二人の間に、つながりみたいなものが生まれる
このつながりのことを因果みたいなようにいうんだけど
昔の仙人修業とかは、なるえくこの因果がないほうがいいらしい
浄化する人とかの話だけど、実際にいるかわからないが
もし本当にいたとしたら
たとえば、道端になんかの妖怪があるとしよう。
その妖怪は何も悪いこともしないで、ただ人間って面白いなぁーって人間を観察していた
そこにその浄化する人が通りかかる。妖怪は浄化されて、ちりいっぺんもなくなってしまう
しかし、その妖怪にも友達とか家族とかがいる
その浄化する人はなんの悪意もないけど、いつの間にか、その妖怪のそういう仲間と
悪い関係を結んでしまう。
悪い原因があれば、いい結果が生まれるわけがない。この悪い原因のことを俺は先生から業と
おしえられた。
問答無用で浄化するのは、つまり、街に出て問答無用で町の人を無差別に殺して
町のものを無差別にぶっ壊すのと同じ意味だと思うから
すくなくても、俺としてはかなりヤバい感じはする。
人間にはすべて意志があり、欲があり、即ち良因も悪因も絶対に有る。
仙人というのはそういった巡りから抜け出す事を目的としていたのかもしれんね。
聞いてて思うのは、生きている限り業からも徳からも逃れようがないって事だなぁ。
浄化で消える妖が居るのが節理ならば彼らを消し去る「浄化」という概念もまた節理で、
行使する事で清浄になって生かされる誰か(何か或は何処か)が在って、それでも妖が殺される事に変わりはなくて、
上手く言えないけど必ず表裏一体というかそういう風に感じた。
例えば、借金を背負った人がいるとしよう。
そんで、ある人が、その借金を背負った人をころしてしまいました
そして、その借金を、背負った人は返せなくなっちゃうよね
じゃあ、その借金はどうなるかというと、因果の世界では
背負った人を殺した人が返さなくてはなくなる。
妖怪とか殺すと、その妖怪がした悪さの分のつながりは、殺した人のものになる
それが殺したほうの責任というかそういうものだとおもうんだ
まぁ、簡潔にまとめると、悪いことをしたてるんだから、そのうち罰あたってもおかしくないよな?
みたいな感じだと思う。
浄化するのがわるいこと?って思うかもしれないけど
たとえ汚いものでも、存在しているならば、それには一定の天の意思というか
自然の摂理というか、うまく表現できないけど
そういうのがあるから、それをただひたすらぶっこわすのはよくないと思う
普通に生活するだけで既に因果にがんじがらめっぽいね良くも悪くも
人、モノに限らず何と接する以上はどうしたって
他はあまり詳しくないから。
ただ、どんな方面でも
害をしている=じゃあ、浄化すればいいじゃん。っていうのは絶対に間違えていると思う
現代社会でそんなことができる人がいるなんて、少なくても俺は信じないんだけど
いたとしても、やってはいけないことだと思う。
ちなみに業の話の続きだけど
悪いことをする=いつか報いが来るというわけじゃないんだ
いじめをすれば、いじめをされた人から恨まれるじゃん。
なら、その恨んでいる人が急にぶち切れて、殺しにかかってくる「可能性」
というか、そういう感じのものが業なんだと俺は理解している
悪いことがいい結果につながる可能性は少ないけど
いいことをしても、その結果が悪いことを引き起こす可能性はかなり高いのも
因果をむやみやたらに結ぶなということなのかもね
少なくても方法は俺はん知らない
死んでもなくならないらしいし、他人に移すことはできるらしいけどね
妖怪と幽霊とか念とかの違いは
妖怪は生きている
幽霊は死んでいる
ってのが一番の違いかな
幽霊死んでる、当たり前w
妖怪って半霊的物質、つまり半分は物質だから生きてる…みたいな事かな
幽霊見る派と妖怪しか見ない派いるらしいんだけど、私は幽霊で妹は妖怪だった
ドアに巨大な顔がぬ~っと出てきて口をパクパクしたり、小鬼が枕を奪ったりと、
妄想乙な体験談ばかりだったけど、今の超リアリストぶりを見ると本当だったのかも
あなたも幽霊見てるのに妹が妖怪見たって話は妄想扱いで否定するんだ?
自分も目の錯覚を疑う、またその程度の幽霊?だったから(白い人影とか)
比べて妹の見るものは、ぶっ飛んでた
あれはつまり、幽霊は死んでいるから、実際に物理的なちからがないんだよ
じゃあ、どう人とかとかかわりあうというと、人に幻覚とかみせたりている
妖怪は物理的なものかな?例えば部屋の中でなぜか足音がするとしよ
この場合、周りを探してもなにもなけてば、それは幽霊がきかせている幻覚の可能性が高い
もし、なにか物理的な証拠、たとえば足跡とかあれば、それは妖怪だよ
ふむ。じゃあ俺がいつも見てるのは幽霊なのかもしれない。
そいつが動いても足音が聞こえたりしないし。
でも走り回ってるのは音がするかな。そういうのは妖怪っていう認識?
>>258
音は幻覚の可能性があるから、どっちかといえない
妖怪なら、何かしら証拠みたいなのはあると思う
獣の毛とか、変な足跡とか
そういうのはあまりわからないけど
人不死、即成妖って中国の言葉があるから
とりあえず長く生きればいいと思う
置いておいたらものすごい量の埃と毛っぽい長いなんかが入ってたことがあるよ
そういう類ってことかな?
その場合なら妖怪の可能性あるね
まぁ、中国はほぼ自業自得で祝死の影響をうけていたんだけど
実は、日本も結構これの被害があったりするんだよ。
これは前にも言った通り、第二次大戦中に日本は東南アジア諸国の龍脈を寸断してまわったんだけど
その時の話で、どっかの国のとある風水わかる人に、日本軍にむりやり道案内をさせたんだが
その人は日本軍の軍人たちをつれて、龍脈にたどり着くんだけど
その人はかなりすごい術師だったらしくて
色々策を巡らせて、龍脈を切断させたあと、軍人たちを殺した。
そして、その軍人たちの死体と三尸を龍脈に埋め込んで
祝死をして、軍人たちのしたいとか持ち物とかも利用して
半永久的に、日本を呪うすごい術を構えた
そのある術ってのが、降頭術の由来というか、そういうものの大本かな
基本的な部分は、ほとんどそれに似ていて
当時これを考えた人はマジですごいと思った
それが今回の本題である、降頭術である
現在はうまれながら三尸が一匹多いらしいよ。
いろんな人が色々試していたけど、結局直すのは無理だって話になった
そのため、修業とかそういうのはほぼダメになっている。
それも、式神とか霊使役とかが無理な要因の一つかな。
ここでひとつ、そういった系の修業とかの話を
なんかよくわからずにそういうおまじないとかに手を出すのはよろしくないことだからね
聖人になるためらしい。その聖人ってのがなにかというと
例えば、この世界が将棋の盤上だとすると、一般人は全員ただのコマなんだよね
でも、聖人はこの将棋盤から飛び出して、将棋を指す人となっている。
つまり、聖人は天地と合一した存在になるということらしい。
それじゃあ、それにむけて何が必要かという話になるんだけど
道、法、術、器の4つの概念をまず理解する人う用がある
なんか難しそうかもしれないけど
これを簡単にたとえると、ある人が車で青森から、東京までいくとしよう
この場合、この車が器。いい車ほど、スピードが出て、早く目的地に着くよね?
ちなみに「器」は使う道具とかの意味じゃなくて、才能とかそういうものをさすらしい
そして「術」は技術、つまり、車では確かに少しくらい差がでるけど
片方が車運転歴10年のベテランドライバーで
片方が免許取りたての新人ドライバーだと
たとえ器に少しくらい差があったとしても、ベテランのほうが確実に早く到着するよね?
「法」はなにかというと、これは方法
つまり、青森から東京までどうやっていくのかということ
例えば、片方が車でいくけど、もう片方が新幹線か飛行機で行くとしよう
新幹線や飛行機で行くほうは、どんなに器がだめでも、技術がだめでも
より早い方法をとっているから、確実に早く東京に着く
そして、最後が「道」だ
どんなに早い方法でいい技術で、すごい機材をつかったとしても
全然違う方向に行ったら、地球一周しても、目的地にはつけないよね
「入道」「入道」ってよく言うけど。これはつまりこの「正しい道のりをみつけ、入ることができた」
ということ、つまり、どんなに時間がかかろうとも、でも正しい方向はつかめたから
いつかはたどり着けるだろう、のような感覚でいいと思う
ただ、目的地は青森から東京までとかの比じゃなくて
何億光年も離れて星とかなんだけどね
この概念でいうと、器に頼る人間
そして、式神とか、お札とかそういうのをできるという(実際できるのかうたがわしいけど)
が術に頼る人間
俺の先生によれば、人と妖怪とかとの間の関係を正しく認識し、交流する
我々のような人間がつかんでいるのが「法」
単純に「道」をめざすものもいるんだけど、これは無理なので、ただのバカであるとのこと
これは多分まじめなお坊さんとかそういう人のこと言っているんだと思うけど
不思議な感じ
何がいけないかというと、ただ単純に道を極めては、もしその道の途中で何かしらアクシデント
に出会うと対処できないからである
我々は人間だから、世の中にいる限り様々な業を知らずの内につくってしまう
その業のせいで、たまに悪いこととかとも出会ってしまい
それで命を落としてしまうかもしれない。それじゃあ、いままで頑張ってきた意味が全部パーになる
でも、だからといって、だたひたすら法や術、器に頼っていてはどんどん道を踏み外し
悪い方向に行ってしまう
歩く神社とかという浄化する人だけど、やっていることは、車で道端にいる人を目的もなく
ひたすらひきまくっているのと同じなんだよ。
じゃあ、どうすればいい?って聞かれても、俺にはどうしようもないけどね
ひたすら自分の利益のために「術」を磨くのもよくない
これは目的は特にないけど、とりあえず、車で他人の道をふさごう!
みたいな感じになる。
そして、方法だけど。これ自体はどんなに間違えても少なくても他人には迷惑はかからない
ただ、法は人が決めるものだから、それで自分を縛ってしまうと、もし方法が間違いの場合
正すのはかなり難しくなる。
青森から東京に行くためには、飛行機が一番はやいのに、車で出発してしまい
取りかえしのつかない感じね
明日に話の続きかく。おやすみ
しっかり保守もするからゆっくり続きよろしく!
バイト先のパートさんが見える人らしいんだが、某神社の小さな滝に龍神さんがいたとかなんとかってのは聞いたことがあるんだが……
やっぱこういうのは妖怪とはちょっと違うのかな?
幻獣とか
なんで自分は見れないんだろ
なんか損した気分になるわ。
外回りしたり森に入らなきゃいけない人だと最悪
ヤバイのが居るってわかってても仕事だからいかなきゃいけないしそこにいなきゃいけない
居心地が悪いなんてもんじゃない
祈りながら仕事してる
だから無い方が良いと思うよ
降頭術使いじゃないし
とりあえず、死んだ日本軍の死体を断龍杭のまわりにうめる、そんで何かしらの方法で
その死体が生きていると、日本軍の兵士魂とその三尸の虫に勘違いさせる
魂は体が死んでいないと勘違いするから、死体から完全に離れない
三尸の虫は、死体に入って、「あ、これやっぱ死体だ」と思って
はい出てきて、死んだ龍脈に寄生する。そして、龍脈に寄生した三尸の虫が増えすぎて、臨界値になると
また龍脈からはい出る。
でも、そこで、三尸の虫を食い止める陣みたいなのをしく
その結果三尸の虫はどうするかというと、日本軍さんたちの死体の中の魂は日本を思う気持ちというか
そういうのでいっぱいで、人の思いは、道を作る力がある。
三尸の虫はそのおもいで出来る道のみを頼りに、日本にやってきて、日本の新しい子供たちに寄生する
わかりにくかったらすまんが、多分大体こんな感じ。
そんで降頭術ってのは大体こんな感じで、だれかの体の一部とか、思い入れのすごいものとか
そういうのを利用して、三尸の虫で、人を潰す。
蠱とにているけど一番の違いはここかな?でも誰が術をしているかがばれると
被害者は、術をかけた人を怨むよね?その恨みによって、被害者と術者の間に思いの架け橋ができて
被害者が死んだら、術者も次に死ぬ。
だから降頭術のタブーは、自分がやったと決してばれてはいけない
特にないと思うよ。気にしなくていいと思う
とおもって、後ろから引っ張られるのを無視して
ワン君についていくことにした。
祝死の儀式には、一時的に三尸の虫を鎮める方法があって
その鎮めている間に、昔の薩満たちはそれらを取り出していたわけなんだけど
いまだと、薩満の大体の文化は失われて、一部しか現存していない
その一部と他の左道の文化と結びあわせられ、生まれたのが金牌術だ。
ちなみに左道ってのは「道」をあまり考えず、ひたすら「術」を極めんとする人
に対する軽蔑用語かな。
薩満のそういう部分のものを応用して、現代では三尸の虫だらけの龍脈を安定させて
たりするんだ。
俺はその時、それについてのくわしいやりかたとかはしらなかったんだけど
その存在自体は知っていた。
ワン君が俺を必要とすると判断したんだから、彼にしたがうしかなかった
金牌術というのは具体的にどういうものかというと
「法」の範囲に属すもので、代々「金牌」というものを受け継いでいる
継承者というか、そういう人は、いろんな所を旅して
なるべく多くの友人をつくり、多くの妖怪とかそういうものと触れるようにする
その分業を背負う可能性があるんだけどね
そして、最終的になると、たとえば、妖怪にちょっかいだされたら
「ほら、この金牌がみえないか。俺は何々の弟子の弟子の弟子の…だ!
友達たくさんいるんだぞ!俺をやったらやばいんだぞ!」
とか
困った時は「ほら、この金牌がみえないか。俺は何々の弟子の弟子の弟子の…だ!
友達たくさんいるんだぞ!俺に恩を売るのは悪くないぞ!」
みたいに金牌が伝わった代とかが多ければ多いほど
虎の威を借りるキツネ的に、どんどんとそのコネ的な力を強める
すごいところだと、神さまでさえ命令できたりする
階段をおりきると、真っ暗な、少し開けた空間についた。
そして、さっきまでは全く気がつかなかったのだが
そこらあたりからものすごい腐った肉のようなにおいがしていた。
俺はまっくらだから、明かりつけなくていいのか?とワン君に聞いたけど
ワン君は付けないほうがいいといった。
そんで、ワン君は手術で取り出した内臓をもって、暗闇の中に進んでいった。
俺はその場に立ったままでいいと、指示をされた
真っ暗だったから、すぐにワン君の姿は見えないようになった
真っ暗の中一人ポツンと置いてかれたから、すこしこわかった
そして、ワン君が大声で「ソンセンラァーー」云々と叫び始めた。
中国語くさかったから、意味はよくわからなかった。
こういうのってパクれるところはパクリたかったんだけど、中国語の知識はなかったから
少し残念だった。
しばらくその声を聞いていると、空間の奥のほうで足を引きづるような音が聞こえてきた
しかも、すごくゆっくりだけどなにやら、俺のいる方向にやってきているようだ。
すーっと寒気がしたんだけど、大丈夫だと自分に言い聞かせて
何か使えるものがないか、念のために考えた。
何も準備してなかったから、専用のものはなかったんだけど
ポケットにあらかじめ忍ばせておいた避妊具があった。
俺は急いで両手に唾を吐きつけて、避妊具を取り出した。
そしてその中に髪の毛を一本だけ入れて、特に尿意はなかったんだけど
その中に尿をした。
そんで、それの口を結んでおいた。すこし手について
嫌な感じだった
なんか、先生が色々あって亡くなったので
葬式とか、書類の整理とか、今後の話とか色々忙しかったw
さらりと書いてるけど大変だなあ
先生は殉職なさったの?
それとも普通の病気や事故?
マジか!先生は何故他界されたの?
一応仕事で死んだことになるのかな?
地下のところで変な、足を引きづるような音がどんどんと近づいてきたんだが
ちょうど、俺の目が暗闇で見えなくなるくらいの瀬戸際のところで
とまった。
そして、そこでひたすら足踏みをする感じの音に変わった。
ワン君は「祝死」の何かしらのことをやっているのはわかっていたが
具体的に何やろうとしているのかは分からなかった。
でも、それで、暗闇の向こう側にいるやつが何なのかはわかった。
金牌術の中には「死体運び」という技術があると聞いたことがあった。
一番金牌術の大本になったのは本来葬式屋だった。
しかしもととなった葬式屋は、少し特殊な葬式屋で
昔って死体とかは故郷とかに埋葬するじゃん?
でも交通の便がかなり悪かったから、もしどっか自分の家から
遠いところで死んだりすると
その死体を故郷まで届けないといけない。
それも腐らせたりせずにね。
その葬儀屋というか死体の運び屋が、最終的に金牌術をうみだした。
なぜそんな術が生まれたかというと、どんな人でも死体となっては罪とか
そういうのはないし、それを故郷の土に埋めたりするのは生きる人の義務
みたいな考えが昔にあるから
死体運びの仕事をする必要だったが、それをする人って、あんまり人気がないのは
すぐに想像できるよね?
まぁ、ばっちいというかなんというか、不吉なイメージあるし。
だから、旅をする割には、宿とか食事とか誰も提供してくれなかったりした。
でも、死体を運ぶのは誰かがやらないといけない。
だから、朝廷から、この人たちに絶対協力しなさいみたいな「金牌」
を死体運びの人に配ったんだ。
2chなんて寄り道みたいなものだからさ 好きでやってるんじゃなくなったらいつ消えてもいいのよ
まぁ、気分転換とか、自分の整理とかにいいから大丈夫w
無理はしてない
みたいな感じで
ただで宿とか提供してもらっていた。
そのうちそれがどんどん変化したのがもとらしい。
そして、その「死体運び」の具体的なやり方が、運ぶというより
死体自身に動かせるというものだった。
これが中国のキョンシーの由来でもある出しいんだけど。
何かしらの処理の後、死体を立たせて、軽くひもでつないで
それを引いて歩くと、ぴょんぴょん後ろをついてくるらしい。
さらにすごい人とかだと、死体を自分自身の故郷に行かせる方法とかもあるらしくて
その後ろをひたすら見守りながらついていくみたいな。
ただ、その死体をじぶんで歩かせる方法にはすこし不便なとこがあった。
それは、その死体が生きた人間の周りを通れない、というものだ。
理由はよくわからないけど、まぁそういうものらしい
そして、そのとき、俺の目の前にいたのは大方そういう感じの死体だった。
この地下のスペースで狭いドアひとつという場所は
多分だれか人をドアの前に立たせれば、死体が勝手にどっかにいかなくて済むようになるためだったんだ
ワン君は一段大きくなんか叫ぶと、俺に対して日本語で
「正気の歌はうたえるか!?」と聞いてきた。
正気の歌の詳細はたぶんwikiさんのほうがくわしいから割愛するとして。
正気の歌というのはうちの世界でもかなりメジャー系な歌い物だった。
これは読み方に色々工夫があったりするんだけど。作者の文天祥ってのがすごい人で
あまりにもその気迫というかそういうのがすごかったから
一喝で、どんな汚いものも退散させられたとのことだった。
金牌術をしらないものでも、これを読むことで、文天祥の気持ちをいうか
そういう気迫を借りることができるとかなんとか。
俺も先生に一応叩き込まれたから、歌うことはできた。
そんでワン君は、俺とそれを合唱するようにいってきた
彼と一緒に読みはじめた。
そんなに長くないものだったんだけど。
不思議なことに、それを読んでいくと、足をひきずるような音がどんどんと
俺のほうから離れて行った。
そして、正気の歌の終盤になると、奥のほうから
ワン君の声が少しずつ近づいてきて
最終的には彼の姿が見えた。
そんで、歌が終わると、彼は急いで俺を引っ張って
階段を上がっていった。
階段の上のほうはだんだんと明るくなるんだけど
ワン君の顔がはっきりとわかるようになると
俺はびっくりした。
ワン君のいけいけな感じの顔は、青あざだらけになっていて
全身が黒いすすのようなもので覆われていた。
そのまま手術室に上がり、彼と俺は精神的にも肉体的にも疲れ果てて
とりあえず、冷たい水でシャワーを浴びてから服を着替えて。
もとの服とかを燃やすとか
そういう後始末に入った。
彼は俺に「とくに説明する必要はない」
と言ってきた。
まぁ、他人の流派の話とかを聞くのはよろしくないというか
なんというか
中国系だと、そういうのがもっと顕著で
師匠と弟子でも、全部教えないとかざらだから
俺は手伝ったのになんなんだそれはみたいな不満はあるけど
その時はとりあえず、それでなっとくした。
そして、ワン君はまだ待っていた病気の子供の親とかと
話をしに行って
俺は自分の部屋に戻っては、このリーさんの家は嫌な感じで
出ていきたいとおもって、ベットで悶々とした。
そのまま怖くて一睡もできないまま、朝を迎えて
腹減ったし、下に降りてみると。ワン君はすでに起きていて
庭みたいなところで、国術の朝練をしていた。
国術というのはいわゆる中国の武術の一種で
朝鮮でいう撃術とか、ロシアのシステマとかそういうのと似たものって想像して
厳密にいえば、八極拳とか八卦掌とかもその一種で
ワン君は筋肉がすこかった
彼の練習が終わるまで待つと、彼は俺を連れて、街へと繰り出し
そこらへんの屋台で朝食をとることにした
そういえば避妊具どうなった?
使う必要なかったよ。
だから、その時はそのまま捨てた。
朝ごはんは屋台のおっさんがただでいいと言ってくれた。
まぁ、町で唯一の病院もどきだしなぁとかおもって
俺はかなりうらやましかった。
俺も仕事の関係上、人を助けていると押しつけがましく思ったりすることもあるが
ここまで尊敬されることはあまりなかった。
たすけたとしても、たすけなかったにしても
かかわった人的には、二度と会いたくない類の人間だからね。
副業として、医者とかなろうかなとかまじで悩み始めたときに
事件は起きた。
突然屋台にかなり厚着で、グラサンをかけた男が近寄ってきて
そして、胸からいきなり拳銃を取り出して
パンパンと、短く二回ほど、ワン君に発砲した。
ワン君はその男が拳銃を取り出したのをみると
すぐさま横に飛ぼうとしたんだけど、間に合わなくて
そのまま脇腹にいっぱつ、太ももあたりに一発あたった。
でも、そこからのワン君がすごかった。
撃たれたにもかかわらず、そのまま相手に突っ込んでいって
俺が腰抜かしてへたり込んでいて、状況も読めない中
その男をぶん殴って、失神させた。
ましてや、人がうたれるのを見たこともなかった。
だから、半分恐怖もあって、男を倒した後の、ワン君をどう処理すればいいか
まったくわからなかったし
現地の人たちで人だかり出来たんだけど
何言っているのかもわからなくて、何をどうすればいいのかわからなかった
そんで、リーさんと現地の人たちがしばらく話し合って
血をだらだらとながすワン君を三輪車の大きいバージョンみたいなやつに乗せて
リーさんの家にとりあえずいくことにしたらしい
俺はぼんやりとしたまま、現地の人たちについていった。
途中いろいろ話しかけられたんだけど、俺は「ははん?」的な感じだった。
発砲した男に関しては、そのあとは俺はよく知らない。
リーさんの家に着くと、彼は色々と現地の人に指示飛ばして、
包帯とか、とりあえず、止血した。
ここらへんになって、ワン君は気を失った
ワン君の指示で、どうやら地元の人が、出血のために色々やってたんだけど
血は一向に止まる気配がなくて、たえずににじみ出ているようだった。
包帯とか色々使ってたみたいだけど
それもどんどん真っ赤に染まる感じだった。
医学の心得のあるのはワン君だけだったし
そのワン君も失神していて
みんなが途方に暮れていたちょうどそのころ。
次の朝には変えるとか何とか言っていた、師匠とリーさんが戻ってきた。
そして、リーさんは状況とかを地元の人に聞いて
先生は俺に聞いてきた。
俺はとりあえず、ワン君が屋台でなぜか撃たれた話をして
先生もびっくりしたような感じだった。
そして、ワン君の様子を少し見てきたが
先生は特に医学にくわしいわけでわなかったから
様子が悪そうだねぇ、みたいな話を俺とした。
すこし先生からお酒と香水臭い感じがした。
あ、これってもしかして、俺を放置して、「いい場所」とか逝ったんじゃないのか!
とかおもったけど、こういう状況だし、何も言わないことにした。
俺と先生に、すまない、こんなことが起きてしまって。本当は観光案内くらいはしたかったが
それどころじゃなくなった。
とりあえず、家の中の部屋は自由に使っていいから、ゆっくりしていってくれ
みたいな話して
治療のためとかだと思うんだけど
深刻な顔で、ワン君を手術室のほうに運ぶように指示しているみたい
ワン君をつれて上のほうに行った。
俺はぽかんとしたんだけど。
先生はまぁ、しかたないなぁみたいな感じで
俺をつれて、もってきた花札で自分たちの部屋であそんだ。
遊びながら、もちろん雑談はするんだけど
その間に、先生に昨日の夜の話をした。
すると、先生は顔色を変えた。
それはやばい。早くリーさんに教えないとみたいなことを言って
リーさんを探そうとした。
まだ、治療中だったようだ。
そしたら、待っているついでに、先生は俺にいろいろ話をした。
まぁ、詳しい術とかどうなっているのかは、先生も金牌術の専門家じゃないから
わからないんだけど。
どうやら、昨日ワン君は俺を手伝わせて
誰かが子供にかけた降頭術を解いたんだと言ってきた。
うちは妖怪専門だし、こういう呪い系は存在は知ってるけど
降頭術というのはまぁ、前のほうで説明したような気があるから
もう、あまり詳しくいわないけど。
よくある症状としては、けだるいとか、病気になりやすくなるとか
すぐ怪我をするとかで、日にちがたつにつれて、どんどんひどくなって
死に至らせる、という呪い方らしいんだ。
具体的な解き方は実は先生も分からなかったらしいが
でも、降頭術を解いてしまうと、術をかけた人間がすごいしっぺがえしを
くらうこと、そのしっぺがえしを食らわないためには
術を解いた人間を殺すこととかだ、と言ってきた。
降頭術は東南アジア一帯で流行っているらしくて
大抵のその手のすごい人は、地元の規模の大きいギャングとかに所属していて
大量の金をもらう代わりに、人をのろったりしている。
だから、降頭術ってのは例え、見つけても、解き方を知っていたとしても
決して関わってはいけない。
じゃないと、そっちの術師と、どっちか生きるか死ぬかの話になるから
もうどうしようもなくなる。
まぁ、じゃあ、降頭術師は手の着けようがないのかというとそういうわけでもなく
その手の人って10年に一度とか、5年に一度とか
そういうペースでしか、人をのろったりしかできないので。
その間は呪いで稼いだ金で、豪遊しながらくらす。
また明日とかくるさ
おやす
お疲れ様 おやすみなさいませー
独りは何かとキツいんじゃないか
師匠の事は何ともいえない。
ただ天寿を全うしたとは到底思えない死に様だった。
このスレに関しては本当に申し訳ないがもう書き込みは
しないと思う。少しでも楽しんでもらえたならば本望かな。
もし続きを望む人がいるなら時間はかかるかもしれないけど
新しくスレ建てします。
なかなか手ごたえのある話が書けたと思うよ。
では、またどこかで。
師匠さんとの関わりもあったし、正直、生きていたと分かって、それだけでも
安心したよ。
また、時期を改めて話を聞かせていただければ、と、思ってます。
またよろしくね
また会えるのを楽しみにしてるよ!
なんか終わり宣言されてますが。とりあえず今してる話を駆け足で終わらせるね
手術室でリーのおっさんを待っていると
そのまま2,3時間たった。
おっさんが出てくると、ものすごい疲れている感じの顔だった。
待っていてくれたのか的なことをいったが、すぐさまそれを遮る形で
先生は俺が言っていたことを彼に教えた。
話を聞くうちにリーのおっさんの顔色はどんどん悪くなった。
そして、話を聞き終わると、彼は今ワン君はなぜかどんな処置を施しても
血が流れ出るのがとまらないらしい。
もちろん、応急処置で、流れるのをかなり遅くしたが
それでもおかしいことに、血がひたすら流れ出てい来るという
かなりヤバい状況とのこと。
俺は、これってやっぱり降頭術が原因ですかって聞いたが
リーさんは少し悩むそぶりを見せて、そうだと、俺に答えた。
少し風呂ってくるがすぐもどる
仕切っているみたいで。
そんでリーのおっさんはそのお抱えで、風水とか占いとかそういうのをしながら生計を立てている。
まぁ、そういう裏社会云々はまた長くなりそうだから、省略するとして
とりあえず、そのマフィアはほかのマフィアと争って、敵側のボスみたいなのを
殺してしまったらしい。
そんで、新しくボスになったやつが、下に威厳を見せつけるためもあってかな?
大金はたいて、降頭師に頼んで、地元のマフィアのボスの子供さんをのろわせた。
前に書いているように、降頭師ってのは5年や10年くらいでしか、一回働かない。
なぜかというと、一つに罰あたりすぎるから、やりすぎると寿命がちじむから
もうひとつが、「俺、10年に一回しか働かないんだから、そんぐらい他の術者は放っておけ」
という意味合いもある。
術を邪魔されると、邪魔した人間とはどっちかが生きるか死ぬかの争いになるから
そういうのを避けるためもあるのかな?
だから、暗黙の了解として、他の術者は、降頭術がかかった人間をみたら
放置するって決まりがあるらしい。
三日前ほどの一度ボスはその子を連れてリーのおっさんに助けてほしいとお願いにらしいが
もちろん、その時は自分にはどうしようもないと、おっさんは断った。
暗黙のルールをまもったんだよ。例えどんなに親しい人でも、こればかりはできないってやつ
しかし、ワン君はそれをやぶった。
まぁ、俺が言うのもあれだけど、彼は若すぎたんだよ。
そんで、俺なんかよりはるかに優秀なのも、少し祟った。
彼はそのマフィアの子供とかなり仲良かったらしくて。
生まれた時に出産に立ち会い、世話や遊び相手もたまにしていたらしく、情が移っちまったらしい。
だから、やばいのは分かっていたが、自分は優秀だし
もし、相手側の降頭師が何か仕返しをしかけてきても、自分ならなんとかできて、
自分の先生には迷惑かけないと思って
リーのおっさんが留守になったのを見るや否や、ボスに連絡して
降頭術を破ったのだ。
何も知らない俺とかもついでに使ってね
分かっていても、情に流されてしまう感じ。
一度仲良くなってしまった人間とのつながり
一度仲違いになってしまった人間のつながり
そういう複雑に絡み合った思いというかそういうのというか
こういうのが後あと、自分の不利益につながってくる。
でも、だからと言って、それを避けたり、払ったりはできない。
ワン君の場合はその例だね。自分が弟同然と思っている子供が呪われた。
それを助けるためには、業を背負うことになる。
でも、自分のみに危機が迫ったとしても、どうしても助けたい。
そういう時のことを、先生は俺にこれを「劫」と教えた。
俺は今でも覚えてる。手術室に入った時の、ワン君のあの真白の顔
どうやら、相手側のギャングはてっぽうだまの下っ端で、ワン君を重症にしたうえで
呪いをかけているみたいだと合意した。
まぁ、確実にワン君を仕留めたかったんだろうね。
これは謝りに行っても、無理だし。
助けるとなっても、降頭師側にさらに喧嘩を売ることになる。
先生はリーのおっさんに、出来ることをしたいのは山々だが
さすがにこれは事情も事情だし、関わりたくないと伝えた。
俺はワン君が少しかわいそうだと思って、どうにかできないか先生に聞いたが
先生はそんな情は捨てろ、といった。
そんなことより、お前は自分の身を心配しろ。お前だって降頭術をやぶる手伝いをしたんだろと
さらに続けた。
ワン君はいい手をつかったと言わざるおえない。
俺を使うことで、先生まで巻き込もうとしたんだからね。
まぁ、ただ、先生はそこまでお人よしじゃないので
まんがいち、俺もしかいしの対象だったら、容赦なく切り捨てただろうなぁと
今でも思う
あ、自分なんかにとりつかれてそうとか、やばいもんがくっついてそうとか
そういう時にショック療法で吐き出したりするものだと思ってた。
妖怪とかなら、うわ、なんか急にいやなものきた、にげろー的な?
理屈自体は俺自身わからないから、何とも言えないが
中卒の俺でも体に悪そうな感じはする
やっぱりワン君をなんとか助けたいとのことだった。
そこで、先生はどうするつもりなんだときいたら
リーのおっさんはただ頭をふり、部屋のどっかに消えていった。
そんで、しばらくすると、またもどってきてこれをどうぞと
爪切りを渡してきた。
俺はあ、これってもしやエンギではないかと思った。これは昔教わった、この人の行動は
もう自分とは関係ありませんよとの儀式らしい。
そして思った通り、先生はその爪切りをとると、かなりの深く爪を切った。
目安としては、少し血がにじむくらい。
俺も、それをやった。痛すぎて涙目になった。
その爪と爪切りをリーのおっさんに渡すと、おっさんは爪切りを割って
その爪を赤い布袋に入れた。
これで、その爪の入った袋を燃やすまで、俺と先生は、リーのおっさんと
一言もしゃべったり、筆談したり、とかそういう交流を一切持っちゃいけないんだけど
彼のその間の行動は、俺と先生とは関係ないよってことになるらしい。
そんで、その日は飛行機のチケットの都合上、まだその家に残ることにしたんだけど
俺と先生はリーのおっさんが準備してくれた客部屋で、中国将棋とかやりながら時間つぶした
まぁ、俺は降頭術の仕返しが飛んでこないか、一日中がくぶるしてた。
俺の場合、助けてくれる師匠なんかいないからねww
その間。リーのおっさんは
そして、夜中。先生はもう寝ると言って、自分の部屋でぐーすかし始めて
俺も、色々あって眠れなくて、うとうとしていて、でも、やっぱり疲れもたくさんあって
結局眠りに落ちようとしたそれくらいの時に
俺の部屋のドアをトントン叩く音がした
そんでぼんやりとワン君の声が聞こえてきた。
なにをしゃべっているのかは、多分中国語だったのかな?
よく理解できなかった。寝ぼけてたしね。
なんだよ、こんな時間に、とか思いながら。
めんどくさいから放っておこうとかそんな風に無視してたら
急にッバと足を強く引っ張られた気がする。
そんで、急に眼が覚めて、身を起こしたんだけど、真っ暗で何も周りが見えないのに
くすくすくすっとなんか誰かが笑っているような気がした
なにかすごく嫌な予感がしたから、ベットから飛び降りて、ドアのほうに行って
耳を澄ませてみた。今度は何も聞こえなかった。
でもなんか変なにおいがした。嗅ぎ覚えのある匂いだった。
半分寝ぼけた頭はその匂いを認識するのには時間がかかった。
俺はとりあえず、部屋の外の様子をうかがってみようとドアの鍵を回すと
扉はピクリともしなかった。
なんかものすごい重いものが、ドアをふさいでいるようだった。
そんでやっと、その時点で頭の中が明瞭になってきて。
臭いの正体がわかった。
物がやけて炭になっていく匂いだった。
何で、またこんなことにとか、ぼんやりおもってしばらく、ドアを押したり
声をあげたりしていると、扉の隙間から煙がむくりとでてきた
いや、なんというか俺は火事を経験したことないし
その現場に行ったことがないけど、俺以外の何かが、俺自身の頭に
これは間違いなく火の手が迫っていると、俺に伝えてきた。
そんで、俺はこれはマジでやばいぞ。何が起きたのか知らんが
俺このまま蒸し焼きにされて死ぬかもしれない、と思った。
どうしよう、どうしようと部屋中をまさぐりまくった。
部屋には窓がなく、脱出のルートはないし、使えそうなものはなかった。
その時だった。
バンバンと何かがまた強くドアをたたいた。
俺はもうモクモクと煙が入ってくる扉に咳しながら近寄って
だれかーとか叫んだ。
返事はなかった。俺は無駄だと思ったが、ドアを開けようとして
タックルをかました。
すると、扉はバンと、結構すんなりあいた。予想以上に力入れた俺は何かに
頭をぶつけて、痛みで少し悶えた
痛みが治まり、あたりを見ると、結構火がこっちに迫っていた。
そんで、俺のドアの前なんだけど、ドアをふさいでいたものなのか
本棚とか、重そうなタンスとか、そういうものだった。
どいたものじゃないだろうって感じだった。
もしそうだとしたら、俺は相当な火事場の馬鹿力を発揮していて、多分
その時なら、キン肉バスターとかできるぐらいだったんだと思う。
一体誰がどかしてくれたんだろうとか、それを考える暇もなく。
俺は逃げ道を探した。階段に行くほうはもう火が広がっていて
とてもじゃないが行けそうになかった。
そんで、そういうえば、先生の部屋に窓が!と思いま出した。
そして、急いで隣の先生の部屋に行った。
部屋に先生はいなかった。
窓のほうにかけよると。俺はぞっとした。二重の意味でね
まず窓の中、ぼんやりとガラスの反射で窓が鏡になっていて
俺の姿の後ろに、黒い影のようなものがたくさんいた。
そして、窓の外、家が燃えているからだろうか。当たりが赤く光って見えているんだけど
そこにはたくさんの無表情の人が立っていた。
現地の人たちだろうか、何もいわず、ただ整然とそこに立っていて
じっと、燃えている家をただ見つめていた。
煙の量がどんどんと増える中、俺には何かを考える暇がなかった。
窓をものすごい勢いで開けて。
俺は、そのまま飛び降りた。
それ以上に、パニックになっていたし。その時はそれ以外方法はないと思った。
地面に最初についたのは足だったが、グキッといった。
次にからがを強く打った。頭を守るための手も、ぐぎっといった。
でも、なんとか受け身はとれた。
ふしぎに痛みはなかった。
そして、あたりを見渡すと。現地の人が、俺を見つけたのか
かけよってきて、そんで、俺の顔を見ると。
さっきまで静かだったのがウソだったかのように
みんな、声をあげたり、何か叫び始めた。中には泣きはじめる人もいた。
目が覚めると、もう朝で、狭い車の中にいた。
後ろのほうに横たわっている感じだ。
手と足はものすごく痛くて、みると添え木なのか木の板があった。
車の運転席を覗き込むと先生がいた。
助手席は誰もいない。
先生は、もうすぐ病院のある町につくと言ってきた。
俺は、記憶の混乱のせいで状況がまったく理解できなかったし
痛みでそれどころじゃなかったから、道中は静かにうめき声を上げるだけだった
大きないかにも観光名地みたいな町の病院につくと
医者に色々処置された。まぁ、どうやら手と足の骨折と、その他もろもろの打撲らしい
初めて骨折したんだが、骨つなげるあれ、めっちゃ痛いねwww
そして、ひと段落して、とりあえず一日入院するようにと、日本語の分かるその医者に言われて
病室にうつされて、そこでやっと、先生とゆっくり話ができた。
リーのおっさんは俺をワン君のかわりに殺すつもりだったらしい。
先生によると、リーのおっさんは先生にエンギをする直前に
うちの業界特有の手を使った合図みたいなので、30万でどうだ?(ここでいうのはドルかな?)
と聞いてきたから
先生もあ、これ多分弟子のことだな、と思っていいよと返事した。
(その時の俺はまだこれを習っていなかったが、この件の後にすぐに習得した)
それから、先生は暗黙の了解的に、とりあえず俺を家に残すために、色々と俺の暇つぶしとかに付き合って。
そんで、夜中になったら、こっそり家を抜けだした。
詳しくはリーのおっさんが何をしたかは先生も知らないらしいが。
でも、たぶん俺を殺して、リーのおっさんとワン君が助かるか
俺が生き残って、リーのおっさんとワン君両方死ぬか、どっちかだったらしい。
現在は、ワン君は失踪していて、そんでリーのおっさんはまだ生きているが
もう長くないだろう
リーのおっさんはこんなことに巻き込んでしまって悪かった。
しかし、これしかなかったんだ。許してくれとはいわないとかなんとか
俺に伝えてほしいと先生に依頼していた。
まぁ、これから会うこともないだろうな
それにしてもよくあれで生き残ったな。運がよかった。と先生は締めくくった。
俺はやっぱり何がなんだかよくわからなかったけど、無事なほうの手で
先生の顔をグーでなぐった
もしかしたら、あの地下室の断龍釘とかとも関係あったのかもしれない。
あの時聞こえてきたワン君の声は一体何だったのかも謎だ。
ワン君は失踪したらしいけど、一体どこに消えたというのだ。
何で、家は火事になったんだろうか。そんで、その時外にいたたくさんの
現地の人たちは何がしたかったんだろうか。
俺を引っ張ったりしたり、笑い声が聞こえたのは幻なのか
俺の部屋のドアをふさいでいたもの。
あれをどかしたのは一体誰だったのか。
考えても分からないことが多すぎた。
でも、窓に映ったたくさんの影。あれはだけはわかる。
間違いなく火で、焼けて炭になった。イタチたちだ。
まぁ、この話はこんな感じ。
少し駆け足気味になってすまぬ。
二度と先生と一緒に外国に行かないってことかな
先生も結構残酷だな・・
すごい業界なんだなと改めて感じたわ
1の話はとりあえずここで打ち切り?
うーん、どうしようかな。
まぁ、俺としてどっちでもいいが、こんな風に時期が開くのはよくあることだと思うから
保守してもらってるけど、待ってくれている人には申し訳ない気持ちはあるから
ていうか聞きたい
でもそろそろ次スレどうするかとかの話が出てくるだろうし
とりあえずそれだけ決めたらどうだろうか
じゃあ、ここで一個だけ小話をしたら、俺が建てよう。
そんときは先生はまだ生きていて、3年くらい前かな。
うちに、20後半近くの男が訪ねてきて、住んでいる家がなんかおかしいから
みてほしいといってきた。
そんで、その男の話を聞くと、どうやら男の家はかなり古いアパートらしく
男は夜勤の仕事も多くて、夜はあまり家にいないのだが
よく近所から、夜中家がうるさいと苦情が来ると、大家に言われた。
でも、言われた時間帯は、明らかに男の家にいない時間帯で
その旨を大家に伝えたら、それはおかしいと言われた
大家が文句が言うのだけれど、男は仕事だから、あり得ないといった。
そして、その夜も仕事があるから、男は普段通り家を出た。
大家も男の話を聞いて、まさか泥棒とか?とか思って
少し心配して、その日はアパートの部屋に泊まった。
すると夜中、確かに男の部屋はなんか騒がしかった。
そんで、その部屋に行って、中に誰かいますか―というと急に静かになった。
でも、大家は部屋の中からこちらの様子をうかがう気配を感じたらしい。
大家は、部屋の合鍵を使って、部屋のドアを開けてなかの様子を見てみた
大家は怖くなって、この話を男にした。
男と大家はよくある陳腐な話だけど、部屋にカメラを置いた。
そんでいつもうるさくなる時間帯にタイマーを設置して
1時間録画することにした。
そして、やっぱり、そのひも家は少しうるさくなって
次のひ、カメラを見ると、誰もいない部屋の中で、ただひたすら物音がするのが
聞こえるだけだった。
もちろん、ものも何も動かない。
結構こういう住宅のトラブルというかなんというか風水とかそういうのに
少しつてがあって。大家は用事があってこれなかったから、その日は男一人で
うちに相談にきたとのこと。
まぁ、まずはそのビデオを見せてもらったんだけど。
俺は霊感がないから黙ってて、先生はうーんとか、なるほどーとかなんか
ヤバそうな貫禄をだしてて
でも、この人も多分何も分かってないなーと俺は培った長年経験で察した。
そんでどうでしょうか?と男が聞いてくると。先生はとりあえず、うちのものを
行かせて、様子を見させます。といった。
この段階で、先生はぼろアパートの住人とその大家という組み合わせで関わる
気力を無くしたんだと思う。あんまりお金にならないだろうしね。
そんで、初めて、俺に一人で行って来い。今のお前なら一人でも充分だろと言ってきた。
こういうのはよくある系の多分実害のすくない軽い仕事だから
特に怖くはなかった。
相手はもし妖怪だとしたら、たぶん「イルス」とかそういう系統のものだとおもった。
イルスってのはまぁ、漢字にすれば居留守で
有名どころだと、アズキ洗いとかもこれの一種だ。
まぁ、とりあえず、もしかしたら、幽霊とかのうせいもあるから
少し慎重にことを運ぶことにした。
そのアパートにつくと、部屋の中は狭い7畳くらいで、フローリングだった。
なのでとりあえず、その部屋に小麦粉と塩あと、古いお米類を混ぜたものを
地面にバーと薄く、まんべんなく広げた。
かなり前に書いたと思うけど。幽霊と妖怪の違いって何かというと
幽霊はあくまで精神的な作用をもたらせるけど
妖怪は物理的にも作用をもたらせる。
この小麦+いろいろとか(詳しく配合は企業秘密)を地面に撒くと
もし妖怪なら、足跡が残るんだよ。
幽霊は残さないけどね。
だから、幽霊は足がないとか、いう話がよくある
部屋ではビデオカメラをまわした。
床には例に粉をばらまいてね
そして、後で確認すると、カメラには特に何も映ってなくて
でも、床のほうには何か紐を引きずったような薄い跡があった。
イルスは、部屋に人がいないときに物音を出すやつに対する総称で
それ自体色々あるんだけど
追い出すこと自体そこまで難しいことではないというか
昔なら、みんなやっていることなんだけど。
俺はそこで深刻な顔をして、とりあえず、お祓いをしておきます
とか言いながら、お札やらなんやら取り出して、それっぽいことをした後に
今日、一晩ここに泊って様子を見ると男と大家にいった。
そんで、玄関の入口のほうに蝋燭を一本だけ立てて
玄関のほうから、部屋の奥に向かって
豆をまいた。
福はうちー、鬼はそとー的なあれ。
ただ、もちろん一般的に撒くあの豆ではなく、あの豆をさらに自分の尿に
一晩漬けて、そんで乾燥させたやつ。
そして、「出て行きなされ、出て行きなされ、ここよりもっと住み心地のいい家
はたくさんあるぞ、こんなより、もっといいお家に行きなさい。そして、そこでいたずらしなさい
そうすれば、また豆を上げに行くよ」と。詩を歌う。
そして、最後に窓を閉めて、蝋燭を吹き消す。これでおわり。
まぁ、なぜもっといい家に行ってもらうかというと
そっちのほうが、駆除しに行ったときにたくさんお金がもらえるからである。
そして、また追い払っては豆をやって、っていう相手側にとっても自分側にとっても
美味しいビジネスなんだ。
退治じゃなく商談みたいなのが面白いね
次スレもお話楽しみにしてる
新スレに質問でもどうぞ
出てくる人間が俗っぽいが1は開き直っている所もあるし
荒唐無稽に見えるようで、論理的なのが良い
・【異常】妻に「変人」と言われる。何がおかしいのかその度言われないとわからない。俺の全てがキモイらしい。離婚されそう…
・ある家の次女が遺書を残し命を絶った。これが復讐だったとしたら「成功だったよ」って声かけてやりたい。
・【ありえない】飛び入りの人達を感激した新郎がまだ到着していなかった私の席に割り振った。→新婦「おかしい!」新郎「でも…」→私は出席を辞退したんだけど…
・魚のコース料理を食べた。→友人が「でっかい骨が入ってた!最悪!」って骨捨て用の壺にぶち込もうとしたので手本を見せたら…
・13歳で両親に捨てられ、14歳から学校も通わずに働いていた。16歳で人生を諦めようとしていた俺に神様が最高の贈り物をくれた。
・「母子家庭は国からの援助だけで生活できる、調停離婚すれば慰謝料と養育費もらえてお気楽」って話をしたらシングルマザーになった友人に怒られた。
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・【笑】フランス語が話せないのにフランス人と結婚して越した友人がいる。向こうではちょっとした人気者らしい。その理由が…
・【GJ】ジョギング中にグッタリしてる子供を発見。話し掛けても反応がないので救急車を呼んだんだけど…
・【理解不能】彼氏は休みの日もデートの時も作業着を着ている。→彼「私服だと働いてない人とか思われてみっともない!」
・嫁のスマホをチェックしたら証拠が山ほど出てきた。嫁友も関与してるっぽい。気が収まらんので凹ってくる!!
・バーベキューでビールをコップ一杯飲んだ。→メンバー「運転代行呼ぶ」俺「4時間前に呑んだビールで酒気帯び運転になるわけねーだろ!」
・【修羅場】中2俺「お腹痛い」(仮病)保健の先生「大変!救急車!」→医者「緊急手術だ!」俺「!?ヤバイ…」
・【凄い】彼女できない奴のために科学的アプローチを用いて彼女作る方法解説してやる
・私「禁煙する!」夫「どうせ無駄だからそういうのやめれば?駄目なママだね~」子供「ね~」私「子供に吹き込むのやめて!」
引用元: http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1378561396/
その1が中途半端なんやが
妖怪の仕業かね