実はほとんど猫が出てこないが。
小学校高学年の時に雄のキジトラを拾ってきた。
まだ子猫で目も開いていない。
慣れないながらも育てていたら、体力があったのかすくすく育った。
絶対親に反対されると思ったが、不思議とOKがでる。
そのとき両親とも不仲でいつ離婚してもおかしくない状況だった。
両親の会話は年に一度あるかないか。
ガキながら空気を読んだが、正直言って苦しかった。
5歳上の兄はほとんど家に帰らず、家の中では猫と遊ぶのが日課。
猫も嫌々ながら付き合ってくれた。
少しだけ猫のことを書くと、とにかく頭がよかった。
トイレは言わずにできたし、言われていることの理解度は極めて高かったと思う。
ただ、猫一倍ずる賢く、俺はしっかり猫の奴隷だった。
それでも居心地の悪い自宅で唯一の救い。
ちょっかい出していつも噛まれていたが。
その後、高校大学と進んで社会人になって家を出た。
東京で一人暮らし。
母親が猫の面倒は見てくれていた。
実家も遠くはないので、月に2回は帰宅していたかな。
不思議と両親は離婚しなかった。
そんなときに父親が心筋梗塞でぶっ倒れる。
救急車の中で心室細動。
幸いにしてすぐAEDを使用し、後遺症もなく一か月ほどで退院することができた。
これがきっかけで両親はぎこちないながらも普通の夫婦に戻った。
猫関係ないけど。
そんな猫も17年目を迎えた時に、獣医から先が短いと告げられた。
会社を休んで実家に戻って介抱を続け、それでも一週間後に息を引き取った。
お寺で供養したが、何をするにも気力がなくなった。
なし崩し的に仕事も辞めることに。
この職種に就きたくて頑張った経緯があるのだが、ダメだった。
で、ニート生活へ。
自堕落な生活を続けていたが、半年後の月命日の時に
「これじゃいかん」と思い、再就職を決意する。
その日、偶然に前の職種の同業他社が募集をかけてると知る。
その会社は自分が新卒の時に最初から諦め、応募すらしていない大きな会社だ。
同業とはいえしがない中小での経験など無意味だと思ったが、最初の一歩を踏み出す意味で応募してみた。
幸い、年齢制限はギリギリ大丈夫だった。
筆記試験。
なぜか自分の専門分野ばかりから出題。
一次面接。
前社をなぜやめたのか、半年何やってたかといった聞かれて困る内容をなぜか質問されない。
二次面接。
交通機関のマヒで遅刻した。
もちろん連絡は入れたが、面接で一切言い訳をしなかったことが逆に評価される。
最終面接。
決定権のある専務(後で知った)と趣味がもろかぶり。
ほとんど面接になっていなかったが、終盤には
「君ならやれる」と言われる。
ていよくあしらわれたと思ったが、内定通知が届く。
条件を煮詰める面談で、総務部長から不思議な一言。
「大企業の転職組はつまらない。中小の変わったやつを採用するつもりだった」。
いまだに変人扱いですが…
とにかく仕事を頑張ったら、結果が後からついてきた。
今だから言えるが、生え抜き組は会社に胡坐をかくタイプ。
前述の専務に気に入られ、先輩どもを追い抜いて行けた。
群れるつもりがなかったので、嫌われてはいたかな。
社会不適格と言われればその通りだろう。
あるとき「前社がつぶれた」との情報が入ってきた。
不況真っ只中。
あの時辞めていたおかげで転職もスムーズにできたし、この時なら年齢的にもアウトだ。
気づけば取引先から自分が指名される仕事が増えた。
専務の退社時には
「これで後ろ盾が消えた」と揶揄をされていたが、新経営陣も無視できないレベルにまで取引先とのパイプを広げていた。
そりゃ土日関係なく取引先と付き合い、仕事無関係で相談に乗り、頼まれごとは絶対に断らないようにして、相手と対等の立場で話せるようになったからな。
順風満帆かと思ったが、あるときに病魔に侵される。
難病指定を食らうほどのもの。
大学病院の先生から
「治療のため仕事続けるのは無理」
と断言された。
もう辞めるしかないか…というか自殺も少し考えたよ。
直属の上司と今後の手続きのため前述の総務部長にも話をする。
ちなみに総務部長は役員になっていた。
だが、総務部長がとある医者を紹介するという。
言ってみるわかったが、その先生は少し前まで大学でも私の病気で権威と言われる人だった。
その総務部長の奥さんも同じ病気だったという。
先生は大学を引退したが、患者本位の病院を開いており、それが私の家からバス一本の距離だった。
問診2時間。先生は
「大丈夫だ。治る」と最後に言って、治療方針を説明された。
会社からの圧力を総務部長が止めてくれ、俺は週3回ほどその病院に通う。
一時はリアルに死に掛けたが、入院もせずに済んだ。
何万人も診てきた先生ですら奇跡に近いとのこと。
先生の治療は完ぺきだった。
数か月後にはほぼ治り、いまだに定期検診は行くが、日常生活には全く問題ない。
トライアスロンに挑戦してもいいと言われた。
そして会社に復帰。
今年のお盆は猫が亡くなってから10年の節目だ。
ふと「あの時に会社辞めてなかったらどうなってたか」を考えた。
直接的には両親不仲の緩衝役、死後も俺の転職と病気を考えられないほどの巡り会わせで救ってくれたのではないか?
改めてそんなことを思った。
いまは再び一人暮らしを始めているが、猫の写真はきちんと飾っている。
本当にありがとう。
猫が主人のために、、、
にゃんこが最後に全ての不幸の芽に砂をかけて潰して行ってくれたんだな
いつか1に寿命が来てにゃんこと天国で会ったらお礼言わなきゃな
手土産持って行けよな
猫関係なさそうだけどええ話や
良い話&良い上役ですね。・゜・(ノД`)・゜・。
1さんは仕事出来る人だから、優遇されていたし、妬みもあったのでは?
お身体大事にしてくださいね。
猫ちゃんのご冥福をお祈りします。
冥福を祈っていただいてありがとう
これで最後にする
信じるわけではないのだが猫の死後には守られてる感がある
仕事に関しても「災い転じて福となす」ことが何度もあった
失敗してもなぜか最後は想定以上に成功していたりするんだよ
親が倒れて担ぎ込まれた時も冷静に行動することができた
猫の死は俺を成長させたことは間違いない
亡くなる前の日は滅多に来ない俺の布団に来て同じ枕で寝ていた
だらしない弟を前に最後に激励に来てくれたのかな
でも10年たつのにまだ涙が出てくるがこれくらいは許してくれ
うちの言うこと聞かないくるくるぱーなにゃんこも何かの時は助けてくれるかなと思ったけどたくさん食べて遊んで長生きしてくれたらいいや、って思った
1さんの猫ちゃん素敵だね
なんにも言わない分だけ気持ちで答えてくれるよね。
うちも今までいっぱい動物と生活してきて、そして看取ってきたけど、みんながみんな本当にいい子だったよ。
1さんは優しくていいひとだね(*´-`)
素敵なお話をありがとう。
病気で働けなくなった時も 新しい仕事で煮詰まったときも猫のご飯代、病院代稼がなきゃと頑張れた
噛むし爪出すしおバカだけどさ
猫もあんたが頑張ってるの見て助けてくれたんだろうと思う
あとはこの人の積み重ねがいい方向に行ったってだけで猫関係ない。
>>20
いらんこと言うなや
スレタイからまーたありがちなオカルトな話かと思いきやw
泣いた
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